八支聖道の第八項目の要素は正定(sammāsamādhī)である。
正定とは、初禅、第二禅、第三禅と第四禅を言う。
《大念処經》(Mahāsatipaṭṭhāna Sutta)では、これらを正定と呼んでいて(D. 2.402;M .1.135)、《清浄之道》では、更に一歩進んで四種類の色界禅(rūpa-jhāna)、四種類の無色禅(arūpa-jhāna)と近行定(upacāra samādhi)であるとしている。<注86>
ある種の人々は、すでに重厚な巴拉密(ハラミツ、pāramī、以下同様)を累積しているので、簡単な、または詳細な仏法の説法を聞いただけで涅槃を証悟することができる。しかし、大多数の人々は、この様な巴拉密を具備していない為に、順序に従って八支聖道を修行する必要があるが、これらの人々は「可引導之人」(導かれる人々)(neyyapuggala)と呼ばれる。
彼らは、八支聖道を育成する必要があるが、それはすなわち、戒・定・慧の次第に従って修行する事である;
持戒が清浄になった後、禅定を育成しなければならない。定の修習によって、己自身の心を浄化した後、智慧の修行に取り組まなければならない。