南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#35-9

彼は、この様に、彼らに対して、教誡と警告をなした。

彼の言動に啓発・激励されて、30名の比庫は、悚懼感(恐怖心)を覚え、その場所に立ったまま、止観の修習を実践して、かつ、阿羅漢を証悟した。

こうした事から、止観は、放逸(pamāda)が原因で退失する事があるが、しかし、その業力は、なお、存在する(と考えられる)。

涅槃を証悟する事の出来る人間は、四種類ある。

一番目は、独覚仏(pacceka buddha)であるが、ここでは解説しない。

その他の三種類はそれぞれ:

1)菩薩。

2)上首弟子(aggasāvaka)または大弟子(mahāsavaka)。

3)普通弟子(pakatisāvaka)

である。

1)我々の菩薩は、燃灯仏の時代において、すでに、八定(samāpatti)と、五種類の世間神通を成就していた。

彼は、過去世において、止観を修習して、かつ、行捨智(Saṅkhārupekkhā-ñāṇa)に到達していた。

あの時、彼が希望さえすれば、彼は、燃灯仏が宣説する所の、四聖諦に関する、一首の、短い偈頌を聞いた後、即刻、迅速に涅槃を証悟する事は出来たのである。

しかし、この様な形で涅槃する事を望まず、未来において仏に成りたいと発願したのである。

この様にして、彼は、燃灯仏の授記を得た。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>