南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#45-2(330/446)

如何にして思惟智を育成するか

三番目の観智は、思惟智(Sammasana-ñāṇa)、すなわち、諸々の行法を、グループに分けて、思惟するのである:

異なった分類によって、諸々の行法の無常(anicca)・苦(dukkha)・無我(anatta)の三相<注349>を観照する。

二類、すなわち、名と色

五類、すなわち、五蘊<注350>

12類、すなわち、12処<注351>

12類、すなわち、12縁起支<注352>

18類、すなわち、18界<注353>

五蘊を思惟することを例にとる。

仏陀は《無我相経》(Anatta-lakkhana Sutta)<注354>の中において、正智でもって五蘊(すべての色、受、想、行、識別)を観照する所の、三種類の方式を教導している。

「これは私のものではない

(netaṃ mama)」。

「これは私ではない

(nesohamasmi)」

「これは私の自我(エゴ、私自身)ではない

(na mesoattā)」<注355>

《蘊経》(Khandha Sutta)において、仏陀は、五蘊の一つひとつを、以下の様に分類する:

過去、未来、現在、内、外、粗い、微細、劣等、優秀、遠いと近い。<注356>。

この種の観智を育成するには、あなたは、先に第四禅を復習し、禅定の光を、明瞭(明亮)に、燦然と光輝くものにする。

もし、あなたが、純観乗者であるならば、四界差別しか修習したことがないが、その場合は、更に定力を高めて、光が、明亮で強く盛んになる様にする。

この二種類の情況において、みな、先に色法を(修習の対象として取る事を)第一類とし、六根門の完成色<注357><注358>を逐一識別する。

それらの生・滅を見て、かつ、それらを無常(anicca)として、了知する。

あなたは、この様に、何度も繰り返して、内観、外観、内外観の実践をしなければならない。

外観の時、近くから遠くまで、徐々に観照の範囲を広げて行き、無辺の宇宙に至る(様にする)。

その後、同様の順序に従って、色法が生・滅するために、不断に痛苦を継承しなければならない痛苦を観照し、それを苦(dukkha)と了知する。

最後に、色法には、永恒なる自我というものはない事を観照して、それを無我(anatta)と了知する。

  <翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>