翻訳『親知実見』#45-2(330/446)
如何にして思惟智を育成するか
三番目の観智は、思惟智(Sammasana-ñāṇa)、すなわち、諸々の行法を、グループに分けて、思惟するのである:
異なった分類によって、諸々の行法の無常(anicca)・苦(dukkha)・無我(anatta)の三相<注349>を観照する。
二類、すなわち、名と色
五類、すなわち、五蘊<注350>
12類、すなわち、12処<注351>
12類、すなわち、12縁起支<注352>
18類、すなわち、18界<注353>
五蘊を思惟することを例にとる。
仏陀は《無我相経》(Anatta-lakkhana Sutta)<注354>の中において、正智でもって五蘊(すべての色、受、想、行、識別)を観照する所の、三種類の方式を教導している。
「これは私のものではない
(netaṃ mama)」。
「これは私ではない
(nesohamasmi)」
「これは私の自我(エゴ、私自身)ではない
(na mesoattā)」<注355>
《蘊経》(Khandha Sutta)において、仏陀は、五蘊の一つひとつを、以下の様に分類する:
過去、未来、現在、内、外、粗い、微細、劣等、優秀、遠いと近い。<注356>。
この種の観智を育成するには、あなたは、先に第四禅を復習し、禅定の光を、明瞭(明亮)に、燦然と光輝くものにする。
もし、あなたが、純観乗者であるならば、四界差別しか修習したことがないが、その場合は、更に定力を高めて、光が、明亮で強く盛んになる様にする。
この二種類の情況において、みな、先に色法を(修習の対象として取る事を)第一類とし、六根門の完成色<注357><注358>を逐一識別する。
それらの生・滅を見て、かつ、それらを無常(anicca)として、了知する。
あなたは、この様に、何度も繰り返して、内観、外観、内外観の実践をしなければならない。
外観の時、近くから遠くまで、徐々に観照の範囲を広げて行き、無辺の宇宙に至る(様にする)。
その後、同様の順序に従って、色法が生・滅するために、不断に痛苦を継承しなければならない痛苦を観照し、それを苦(dukkha)と了知する。
最後に、色法には、永恒なる自我というものはない事を観照して、それを無我(anatta)と了知する。