Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#41-8

一名の男性禅修行者の識別 

また別の多少異なる例を挙げる。

一人の男性の禅修行者が、臨終の名色法を識別している時、四種類の業が、我先に熟せんとして争っていた。

その中の一つは、仏典を教授する業、

二つ目は、仏法を指導する業、

三つ目は、禅修行の業、

最後は、禅を教える業。

彼は、この四種類の業の内、どの業が、今生の果報五蘊を引き寄せたのかを追跡・調査した所、それは禅修行の業であった事を発見した。

更に一歩進んで追跡・調査した所(どの様な種類の禅修の業処を修習していたのかを、識別する)、それは観禅であり、まさに、名色法の無常(anicca)・苦(dukkha)・無我(anatta)の三相を観照している最中である事を発見した。

更に一歩進んで追跡・調査した所、彼は、毎回の座禅の前と後において、(来世も)男性に生まれ、出家して比庫になり、仏陀の教法を宣揚したいと発願している事を発見した。

この例の中において、

1)「男性、比庫または仏法を宣揚する比庫」が真実に存在していると錯覚するのは、無明(avijjā)。

2)男性、比庫または仏法を宣揚する比庫の生命を貪欲に求め、渇愛するのは愛(taṇhā)。

3)男性、比庫または仏法を宣揚する比庫の生命を執取するのは取(upādāna)。

4)観禅の修習を実践する善行は行(saṅkhāra)。

5)業すなわち、それらの業力。

<翻訳文責:緬甸パオ森林/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>