翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-97)(私家版)
8個の善果報無因心は、善果報心であるが故に、(対象として)取るのは、喜ばしい所縁である。
(善果報心の場合)目が、(物を)一目見る時、それは、喜ばしい所縁であり、それは、過去の善業によって生じた善報である。鼻が、喜ばしい匂いを嗅ぐのは、同様に過去世の善業の善報である。
しかし、良い匂い、良い香を嗅いだ時に、執着を起こすならば、それは過去世の善業によって生じた果報ではない。
あなたが、ひとたび、喜ばしい香を嗅ぐとき、即刻「悦具邪見不相応無行一心」(または、別の7個の貪根心の一)を生じせしめるならば、(心は)貪根心となり、不善業をなすことになる。
故に、眼、耳、鼻、舌、身が、各々それぞれの色法によって衝撃されて、その結果、その瞬間に生じる所の五識が、善であるか不善であるかという事柄は、すべて、過去の業が熟する事によって、生じる果報である。
しかし、あなたが、貪・瞋・痴等々の反応を生じせしめる時、過去世とは無関係になる。それは、今ここにおいて、あなたがなした所の、業であり、将来において、相応の果報が生じるのである。
(3-98につづく)
<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>