★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(16-5)(私家版)
僧人は、身体全体をくるめるか、包み込めるすべての布地を用いて、袈裟とする。
もし、袈裟を受用するのが、美観と身分を誇示する為であるならば、この事は、貪欲、傲慢と我見を引き起こす為、不如理受用に属する;
もし、袈裟を受用する事が、寒冷を防ぎ、火と灼熱の太陽から防御するもの、蚊や蠅、ムカデやトカゲ等の毒虫によって生じる触悩から己自身を守り、己自身を風や日照りから守るのであるならば、これらは皆、如理受用に属する。
袈裟を纏って、羞恥処を隠ぺいする事もまた、如理受用である;
出家者が、身体のある部分をむき出しにしていると、徐々に羞恥心が失われる。
人が、羞恥心を失うと、非常に危険である。
それは、まさに、畜生の習気に伝染する様なものである。(16-6につづく)
<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>