般若の独り言~カレーの中のスプーン
生前、アーチャン・チャーは、この様に言っていました。
「あなたがたは、カレーの鍋の中にあるスプーンの様だ。せっかくカレーの中にあるのに、カレーの味を知らないでいる」
これは、何を意味しているのでしょうか?
我々は毎日、法(真理)の中で暮らしています。
聞くもの、見るもの、情報のすべては、皆、己自身の五蘊を通して受けとっているのですから、五蘊を通して入ってくるもの・ことは、皆、法な訳ですね。
アーチャン・チャーはまた、「人に法を教えるのに言葉はいらない」と言っていました(アーチャン・チャーは英語が話せなかったのですが、ウボンに外国人の為の<ナーナチャット国際僧院>を建てた時の、弟子からの質問に答えて)。
法(常に刹那に生滅している情報)は、己自身の五蘊の中にあるが故に、智慧ある者は、自ずとどの様に振る舞えばいいのかが分かる・・・言葉は概念でしかすぎず、話せば話すほど真意から離れていく・・・そんな経験はありませんか?
人間、黙っていては分からないけれど、話せば分かる、ものでもない。そんな所でしょうか?
<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>