南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~カレーの中のスプーン

生前、アーチャン・チャーは、この様に言っていました。

「あなたがたは、カレーの鍋の中にあるスプーンの様だ。せっかくカレーの中にあるのに、カレーの味を知らないでいる」

これは、何を意味しているのでしょうか?

我々は毎日、法(真理)の中で暮らしています。

聞くもの、見るもの、情報のすべては、皆、己自身の五蘊を通して受けとっているのですから、五蘊を通して入ってくるもの・ことは、皆、法な訳ですね。

アーチャン・チャーはまた、「人に法を教えるのに言葉はいらない」と言っていました(アーチャン・チャーは英語が話せなかったのですが、ウボンに外国人の為の<ナーナチャット国際僧院>を建てた時の、弟子からの質問に答えて)。

法(常に刹那に生滅している情報)は、己自身の五蘊の中にあるが故に、智慧ある者は、自ずとどの様に振る舞えばいいのかが分かる・・・言葉は概念でしかすぎず、話せば話すほど真意から離れていく・・・そんな経験はありませんか?

  人間、黙っていては分からないけれど、話せば分かる、ものでもない。そんな所でしょうか?

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>