Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

般若の独り言~天狗の高転び

私は TV を見ないので、昨今の芸能関係の状況に疎いのですが・・・ITのニュースを見ていますと、[天狗の高転び](注1)という言葉を見つけました、私には初めて聞く言葉です。

私は、30歳すぎる頃に、縁あってタイの森林僧院に出向いて、原始仏教テーラワーダ)を学ぶ様になりました。

「なるほど、仏教とは、そういう事だったのか!」

原始仏教は、自分が子供の時からぼんやりと考えていた仏教のイメージと一致しましたので、大いに膝を打ち、大いに得意になり、知人・友人たちに

「本当の仏教というのはね!」

等と鼻高々に語り始めたのです、しかし・・・

49歳、癌の手術を受けた時、この自信が大いに揺らぎました。

私の主治医は

「手術は成功しました」

とにっこり笑ってお知らせ下さったのですが、その直後に、看護師さんから

抗がん剤を打たなければ、明日死にますよ」

と言われて、一気にパニックに。

癌は治っているのに、

「私は明日死ぬのだ、明日死ぬのだ」

とノイローゼ気味になってしまったのです。

他人の言葉一つでパニックになってしまう、私の心の弱さを、よくよく反省して

「私は仏法を理論で理解しただけで、実践は全然できていない」

「ある程度の悟りを得るまで、人に説法するのは止めよう」

決意したのです。

若い時に [天狗の高転び] で火傷して、心底反省できた事は私にとって、非常によかったと思っています・・・

今も、先方から乞われない限り、当方から説法はしない様に気を付けています・・・その代りに、翻訳は、これでもかというくらい、沢山します~笑。

(注1)キンコン西野さんと吉本興業の間のトラブルで、西野さんの退社の経緯を皮肉った言葉。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>