南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#12-1

如何にして第一と第二聖諦を知見するか

一、定力の育成

一つひとつの色聚の中の、それぞれ一種類の色法を見る事が出来るならば、それは究極色法を見たのだと言えるが、しかし、これには強くて力のある禅定を具備する必要がある。

唯一、強くて力のある禅定によってのみ、如実知見<注33>する事ができる。

例えば、仏陀は《諦相応・定経》(Samādhi Sutta、Saccasaṃyutta)の中において以下の様に強調する:

「比庫たちよ。

定(samādhi)を修習しなければならない。

比庫たちよ。

定力(samāhito)のある比庫は、如実に了知することが出来る。

何を如実に了知するのであるか?

[1]『これは苦である』と如実に了知する、

[2]『これは苦の集である』と如実に了知する、

[3]『これは苦の滅である』と如実に了知する、

[4]『これは苦の滅に向かう道である』と如実に了知する。

比庫たちよ。

定を修習するべきである。

比庫たちよ。

定力のある比庫は、如実に了知することができる。」(S.5.1071)。

こうした事から、パオ森林僧院において、我々は、禅修行者に対して、先に入出息念(ānāpānassati)と十遍の修習を教導する事を通して、強くて力のあるジャーナ(安止定(appanāsamādhi))を育成するか、または四界差別(四界分別、catudhātu vavatthāna)によって、近行定(upacārasamādhi)を育成する<注34>。<注35>(ママ)。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>