南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#37-12

<中国語原文P 270の続き

(<菩提樹文庫>管理人様へ)>

この後、一連の有分心が生じ、その後に、前に述べた三種類の意門心路心が発生する。

1)一個の意門転向心。

2)7個の速行心。

3)二個の彼所縁心。これらの心路(眼門心路及びその後に続いて生起する所の、同一の対象を取る意門心路)の中の、一つひとつ心識の中の、異なる名法を識別するために、あなたは、以前に実践したのと同じ様に、識別、受または触等の、最も顕著なものから(識別を)開始し<注280>、次に、前に実践したのと同じ様に、一回に一個、追加していく、一つひとつの心識の中の、異なるすべての名色法を見ることができるまで。

眼門心路を識別したのと同じ様に、次には、耳、鼻、舌、身体という、この四門の心路を識別する。

この段階において、あなたはすでに、善心に相応する名法を識別する能力を擁する様になったので、今は、不善心相応の名法を識別する必要がある。

この点を実践する為には、あなたは、善心を識別した時と同じ所縁を取ればよいだけである、が、しかし、これに代って、不如理作意を取れば、よい、という事である。

上記は、簡略な説明に過ぎないが、しかし、ここにおいて挙げた例は、少なくとも、あなたが、内在の名法を識別する時に渉及する内容を理解する為には、充分である(と考える)。

以下に総括する。

ここにおいて、あなたは、すでに、名法を識別する為の、前三段階を完成させた:

1)あなたはすでに、内在において生起する所の、すべての種類の心(citta)を識別した<注281>

2)あなたはすでに、すべての種類の心の中の、一つひとつの名法(nāma-dhammā)を識別した。

3)あなたはすでに、心の発生順序、すなわち、六門心路において生起する所の心路(vīthi)を識別した。

前に述べた通り、名法を識別するには、いまだ、四個の段階が残っている。それはすなわち、外在する名法の識別である。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>