Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(65ー2/3)(私家版)

■欲界 欲界には24種の美心がある。それぞれ欲界善心、欲界果報心、欲界唯作心に分類する事ができる。欲界善趣に生まれ変わって、人間又は天神になり、かつ、障害のない者について、この3種の作用を執行するのは、8大善果報心(4個は智相応、4個は智不相応)の中の一つである。我々のこの一世の結生識は、即ち、この8個の内の一個である。ある者は捨具で、ある者は悦具である。ある者は智相応で、ある者は智不相応である。もし、智不相応である場合は、「ニ因」となる。智相応である場合、「三因」と呼ばれる。三因とは、無貪、無瞋、無痴である。この種の善心は、通常、我々が行う布施、持戒、聞法、寺院への奉仕、説法、長老への尊敬、衆生への慈愛の散布、心に悲心、随喜心を保つ……等などこれらは皆、8個の善心の内の一個である。この善心が果報を生じる時、衆生は、人間界か、又は天界に生まれる。その時の結生識は、八大果報心の内の一である。人が布施をする時、常に心が歓喜に満ちていて、かつ、因果業報の観念も持つならば、その上、それが自発的行為であるならば、この布施の行為は、悦具智相応無行善心である。この業が、もし臨終の時に熟するならば、その人は人間又は天神に生まれる果報となる。彼の一番目の心識は、結生識と言い、それは悦具智相応無行一心果報心である。この様に、心の分類には、あやふやな所がない。