Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

是誰庵のひとやすみ~寅さん

私が上京してきて、都内の映画館で初めて 「男はつらいよ」を観たのは、二十歳 を過ぎたころだったと思う。 その時感じた違和感・・・その原因が、 ずっと、ずっと、わからなかった。 なんと、それが、今朝、氷解した (おそ~~い!おそすぎ!)。 それは、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-154

如何にして出離波羅蜜を修習するのか? 前述したように、出離波羅蜜とは、大悲心と方法善巧智を基礎として、欲界と生命界を離脱したいと願う心と心所の事である。 その前提は、欲楽と生命界への不円満によって、嫌悪と恐怖智を感じることである。 ゆえに、菩…

是誰庵のひとやすみ~水で書かれた経を読んでみようか

先ほど、インターネットで注文しておいたCD ラジカセが届きました。 タイやビルマでもらった、お経のCDを聞く ためです。 さっそく、タイでいただいたお経のCDを セットしてみました。 なつかしいなぁ、タイ語のお経。 タイは早くから仏教を受け入れたために…

是誰庵のひとやすみ~天然仏教徒

最近、日本で開催される瞑想会などに出席するようになって、「あなたはどういう動機で仏教徒になったのですか?」と聞かれる事が、たまにあります(私は、一番最初はタイで修行し、次がビルマ、その後台湾を経由して、晩年になって、今は日本のパオ系の瞑想…

是誰庵のひとやすみ~翻訳が進む

<ごはんが進む君>ってなんでしたっけ? ふりかけでしたっけ?海苔の佃煮でしたっけ? TVみないので、忘れてしまいました。 連日暑いので、翻訳が進む君・・・。 早朝、ものの一時間ほど庭に出て、バラの苗木に ニームなどの天然の防虫剤など撒いていると、…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)ー13

現今、外国語で書かれた仏教書や雑誌(小、大乗仏教ともに)が多く刊行されていて、各宗派ともそれぞれの観点に基づいて、言論の発表を行っているが、最も人をして論争に向かわせているのは、やはり「無我観」である。 大乗仏教は、これまで常に主導的な演者…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)ー12

「自我」ありと「無我」の論争の拡大 前述の通り、「無我」は仏教の本質であり、仏法の心臓であるがごとくに重要であり、どのような時代であっても、どのような地域・場所にあっても、それは、思想家及び苦痛から解脱したいと願う人々が最も愛する命題であっ…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-153

彼は、信心(=確信)のない人が信心を持てるように、怠惰な人が精進力を育成するように、正念のない人が正念を育成するように、浮つきと憂慮の多い人が定力を育成するように、また、愚かで無知で、頭がぼんやりしている人が智慧を育成するよう、奮闘努力、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-152

彼は省察する:「過去の諸々の菩薩は、私と同じ人間にすぎなかった。しかし、長期的に戒・定・慧の修習を不断に行ったために、正等正覚に到達した。過去の菩薩と同じく、私も完璧な戒・定・慧の三学を実践している。かくのごとく、同等の三学を完成したなら…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)ー11

(一)ある一派は、仏教は「自我」があると主張している。その上、仏陀は、人々にそれを追及するように言い、それに依拠せよと言ったのだ、ともいう(以後、この派を「有我論者」AttāvadĪと呼ぶ)。 (二)もう一つの派は、仏教は「無我」を主張していると言…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)-10

我々は、大乗の信徒であろうと、小乗の信徒であろうと、皆同じ仏教徒であることを一たび認めたならば、「自我」と「無我」というこの問題をもって、二つの集団を区別する基準とするべきである。 どの宗派が、どの区分に属しているかと、明確に区分することは…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-151

菩薩は如何にして行戒を修習するのか~ 菩薩は、友人に対して、常に歓迎の意を表し、敬意と礼節をもって合掌し、挨拶をし、彼らを招待する。 病人に対しては、彼は自ら至れり尽くせりに介護・奉仕する。仏法を聞いた後、彼は嬉しさを表現する。彼は、有徳者…

是誰庵のひとやすみ~人は業の万華鏡

パオ・セヤドーの「菩提資糧」を翻訳していたら<衆生自業智>という言葉が出てきました。 仏教の専門用語で、業力は己によって造られるもので、かつ、造られた業が善であるか悪であるかにかかわらず、自分自身がその責を負うものであって、他人に代わっても…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-150

色欲の七つの小さな束縛さえも避ける彼にとって、邪淫戒を破ることは不可能であり、彼は大昔からすでに、戒を守ることによって邪淫を絶している。 在家として生まれた時、菩薩は、他人の妻に対して欲念の思いを生起させないよう、非常に注意を払い、決して気…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)-9

一部分の上座部仏教徒が、ある種の大乗仏教の観念を有してることは驚くに足りない。 大乗仏教内部にも、似たような事情があり、彼らの中にも、いろいろな異なった意見を持つ者は多く、かつ、(+そのため)多くの宗派に分裂している。 故に、ある種の人々の見…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)-8

論争の当事者ーー大乗仏教と上座部仏教 状況がどうあろうとも、我々は、問題のほとんどは、仏教徒の間に起っている事を発見する。 今、我々は論争の当事者について思いをはせてみようと思う。 事実に基づいて、さらに精密で正確に言うならば「仏教は、永遠の…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-149

如何にして持戒波羅蜜を円満成就するか? もし、人に物質的な援助をしようとするとき、我々は、先に財物を獲得しておかねばならない。同様に、衆生を戒行の装飾で飾ろうとする時、菩薩は先に自己の戒行を清浄にする。 戒行を浄化する方法は、四種類ある: 一…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-148

二、無畏施 衆生が、国王、盗賊、火災、敵、野獣、龍、夜叉、阿修羅などの危害に会ったとき、菩薩は無畏施を布施して、自らの生命を顧みずに、彼らを保護し救済する。 三、法施 法施とは、無貪、無瞋、無痴で、清浄なる心を言い、決して曖昧な態度で真実法を…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)ー7

「自我」と「無我」の対立は、決して解決できない難問ではない~ 「自我」または「無我」というこの問題は、ある種の人々に言わせると、永遠に解けない難問のようだ。 各種の解釈は、その他の雷同する問題と同じく、一致した結論に達することができず、この…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)ー6

前言ー本書執筆の縁起 「無我」を説明するのは、非常に困難な仕事である。 というのも、それは仏教の真髄であるからである。 私は、その奥深い教義をわかりやすく解説できるかどうか心配しているが、もし私の説明がでたらめであれば、ある種の人々はそのこと…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)ー147

ある種の物品に対して強烈な執着か、または貪欲が生じた時、その品物の品質が良いためであるか、または、長期的に個人が所持していたためであるか、または自分が価値のある物品や、特別な物品に貪欲を感じる性格であるかと、菩薩ならば、これらの貪念をはっ…

是誰庵のひとやすみ~文化と言葉はグラデーション

先日、我が家のPCを修理に来た電器屋さんと、宗教の話をしました。 彼は「ヒンズー教の<ヒンズー>とは、インドに存在するものすべて、という意味。仏教は、ネパールとインドの国境にある小国で生まれたシッダールタが開祖で、宣教して歩いたのはインド国内…

是誰庵のひとやすみ~無我と真我

今、私は、タイのブッダダーサ尊者(遷化)の「無我」という本を翻訳して、ブログに載せている(パオ・セヤドーの「菩提資糧」も同時進行なので、頭の中が、時々混乱するが)。 私の理解では、仏陀ご在世の時代、インドはすでに四姓差別の制度が強固になって…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)ー5

スワミ・サットヤナンダプリが、何年か前に、タニ王子の要請に応じてタイに来たとき、チュラロンコン大学で講演をしたことがある。その時、ラーマ七世国王も会場においでになり、聴講されたが、その講演の内容は、後に《仏教思想の起源》の本の中に収録され…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)ー4

法隆解行基金会がこの著書を出版した時、原稿の保存と、仏法の宣揚を促進する事だけが目的ではなく、同時に、ブッダダーサ尊者の決意に呼応したものである。 以下は、ブッダダーサ尊者の談話の摘録である: この国際禅修センター(すなわち、最近建設なった…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-146

如何にして外物施をするのか? 菩薩が外物の布施をするとき、彼は布施の品物を、その品物を必要としている人に布施する。 彼が、ある人がその物を必要としていることを知ったならば、その人が欲しがらなくても、彼は布施をする。もし、人が品物をもらいにき…

是誰庵のひとやすみ~梨ロード

今日は、早朝から医大に行ってきました。 先般、甲状腺にのう胞がみつかり、良性ながら、胞の後ろに悪性の腫瘍がかくれているといけないので、時々検診に来るようにと、医師に言われています。 エコーによる検診自体は5分くらいで、あっという間に終わりまし…

是誰庵のひとやすみ~闘鶏

最近、いくつかの事件を耳にしました(テーラワーダ系の人々の、ちょっとした内紛です)。 これらは皆、人の嫉妬心が起こしたものである、と私は思います(ある種の人々にとっては、現在進行形のホットな話題なので、事件の内容については、具体的には述べま…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)ー3

この種の誤解は深刻で、また、気づくのが困難な後果を敷衍させ、それは、仏法の研究、修持と弘法について、重大な妨害の要素となった。 というのも、一人の人間が、もし正確な知見を持たないならば、完全に苦痛を取り除くことはできず、かつ、ますます正道か…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-145

波羅蜜を修習する時の詳細法とは何か? この問題:「如何にして波羅蜜を円満成就するか?菩薩はどのようにして波羅蜜を修習するのか?」の答えは以下の通り: 布施波羅蜜 衆生の利益のために、菩薩は色々な方法でもって、布施波羅蜜を円満成就する: すなわ…