Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-19

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 水汲みというのは、重労働である。 毎日毎日、重い足取りで、登り、下り、また登り・・・、メーチ・ケーウは、疲れを知らぬかのように、同じ労働を繰り返した。 重労働にあっても、道心は揺らいだ事はなく、彼女…

是誰庵のひとやすみ~閲覧くださる皆様へ

現在、このブログ(yamaneko.hatenablog.jp) では、パオ・セヤドーの「顕正法蔵」と、タイのメーチ、ケーウ尼の伝記を、並行して翻訳し、発表しています。 それぞれ、楽しみにされている方々、ありがとうございます。また、「いいね」を押して下さる方々、大…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)5-99

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 同様に、始めたばかりの時の、出入息は粗くて顕著であり、心は散乱しない。 というのも、粗くて顕著な出入息の相は、すでに認識され、すでに注目され、すでに察知されたが故に。 粗くて顕著な出入息が、柔軟で微…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-18

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 来た当初、ここには、何もなかった。 僧と尼僧たちは、各自に割り当てられた洞窟に、湿った地面から離れる様に、簡単な、竹でできた高床式のプラットフォーム、平台を作った。 これなら、禅の修行ができるし、住…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-17

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 常住の僧侶と尼僧への、村民の干渉を避けるために、お寺は、早急に、何らかの方法で、この問題を解決する必要があった。 尼僧たちは、寺院を遠くに引っ越すことは、考慮に値する方策だと考えた。 というのも、そ…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-16

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 仔細観察你的内心煩悩的起伏、 (あなた自身の、心内の煩悩の起伏を、子細に観察しなさい) 別那麽容易給它們騙去。 (そう簡単に、騙されてはいけない) 等你有能力掌控它們時、 (いつかあなたに、それらを掌握…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-15

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> メーチ・ケーウは、心配事を抱えながら、寺院に戻った。 彼女の頭の中は、親族との関係を断ち、愛を辞し、友情を捨てる事の是非について、混乱した。 何度も考え、考えしている内、思いはいつも、シッダッタ王子…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-14

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 最終的な協議を終えると、メーチ・ケーウは、こっそり娘に会いに行った。 彼女は子細に、また注意深く、最近起きた事をちびっこケーウに話して聞かせた。 今回の事件は、彼女たちの運命を、変えた。 彼女はちびっ…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-13

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> お寺に戻ると、メーチ・ケーウは、皆が自分のことを、心配しているのを知った。 彼女は、先ほど自分の身に起きたばかりの出来事を話すと、メーチ・タン・・・女性出家者の中の上席の者が、メーチ・ケーウを𠮟って…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-12

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 雨季が終わろうとしていた。 メーチ・ケーウは、安居が終わった後の、己の身の処し方を考えると、どうしていいか分からず、極度に苦しんだ。 彼女は全くもって、二度と再び、結婚生活に戻りたくなかったが、娘の…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4‐11

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 做個堂々正々的出家人! (堂々、威儀ある、出家者になろう!) 不要貪図世俗生活的汚穢而毀了出家的発心、 (世俗生活の穢れに耽って、出家の発心を汚してはならない) 不要回頭、不要眷念俗家、親属。 (振り返…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-10

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> こうして毎日、寝ないで頑張った所、彼女の禅修行は益々深く、微細になり、確信もまたそれにつれて、強くなった。 鋭敏な六根は、彼女を勇猛な人に変え、彼女の大胆で、猪突する性格に、合致した。 彼女は禅修行…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-9

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> メーチ・ケーウは、断食を試してみた。 続けて何日も食べないでみたが、彼女は、断食は心を昏沈させ、心を愚鈍にし、感情が揺れ易くなり、妄想の干渉を受けることに、気が付いた。 こうなると、心のエネルギーは…

是誰庵のひとやすみ~怒ってみた

仏教の啓蒙本で、よく『怒ってはいけない』という題のものがあるのですが、私はそれらの本を、あえて読まない。 それは余りにも正論で、先に理想を掲げて、無理やり怒らないように我慢する、という事は、私にとっては、偽善だから。 私は長い事 イエスマン(…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4‐8

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> アチャン・マンが彼女に教えた禅の法門は、簡単そうに見える。 一定のリズムで念仏するのも、難しくはない。 しかし、彼女は、これほど長期に禅の修行をしていなかったし、今、心を専一に集中することは、言うは…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)5-98

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 8-8-4-4 ≪無礙解道≫の解釈 ≪無礙解道≫にも、この事に関する説明がある: 彼は如何にして「私は(息の)身行(=息の全体)を静めて息を吸うべきか?私は(息の)身行を静めて息を吐くべきか?」 吐く息が長い・・…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-7

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 彼女は、深い定からゆっくり抜け出すと、これまで見たこともない、奇怪な情景が、心の中に展開されたが、それはまるで、夢から覚めたかのような感覚であった。 凶暴な顔をした、頭のない鬼が、突然、どこからとも…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4‐6

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 忍耐力と根気は、彼女の長所で、彼女が頼りにしてよい性質であった。 彼女は、世俗の種々の事柄を、忘れようと決意し、純粋な<今・ここ>に専注しようとした時、彼女の神業のような、迅速な進歩は、多くの初心者…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)5-97

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 8-8-4-3 観禅修行時の呼吸 しかしながら、観禅においては、いまだ究極法を観ずる前の身行(=息)は、粗く、四界を観察している時の身行は、比較的微細である。 所造色(=造られた色、物質)を観じている時の、…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-5

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 新しい生活が、始まった。 メーチ・ケーウは初日からすぐに、寺院の静かで安らかな生活のリズムに溶け入り、毎朝、日の明けない内から、起き出した。 彼女は、早朝三時には起床し、顔を洗い、冷たい水で、眠気を…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-4

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 尼僧たちは、自分自身の住居を持っていた。 そこは、男性たちの住居とは、乱雑な背の高い竹藪で、隔離されていた。 メーチ・ケーウは、小さな茅葺小屋に案内されて、そこを住居とした。 それは最近建ったばかりで…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-3

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> メー・ケーウが、戒の項目を念誦し終わると、アチャン・カンパンは、彼女の方を見ながら、戒の各項目について、これから詳しく説明する、と言った。 (中略ー最終章にて翻訳し、付録とする) アチャン・カンパン…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-2

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 次に、メーチ・タンは、いつも使っている、鋭い刃を持つ、丸い柄のカミソリを持って、虎刈りの頭を剃って、ツルツルの坊主頭にした。 メー・ケーウは頭をなでながら、会心の笑みを浮かべ、一筋の糸ほどにも、何の…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-1

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 第二章 出家ーーメーチの生きざま 基本訓練就像用 有 Y叉的樹枝 掌着香蕉樹、 (基本的訓練とは、ちょうど Y字の木の枝を使って、バナナの木を支え) 譲沈重的果串発育長大、 (重い果実を大きく育てて) 避免香…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)3-31

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 種々の悲哀と苦楽が、彼女を不安にし、これらの感情は、彼女の心を曇らせ、彼女は、己を見失ったり、初心を忘れたりした。 そのようではあっても、彼女は世俗の生活において、長年、己自身を練磨し、己の信念を忘…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)3-30

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 子供を育てる事は楽しいし、興味が尽きない。 メー・ケーウは、ストレスの多い生活の中で、いくらか気持ちを分散させて、一息つくことで、とりあえず、悶々とした気分を、緩めることができた。 彼女の心内では、…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)5-96

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 8-8-4-2 中部誦者の見解 そして、中部誦者は、一つ一つの近行定の(出入息)は、その前のジャーナの(出入息)より更に微細で、それは以下の通りとなる、という: 第二禅近行定の、微細な出入息と比較して、初禅…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)3-29

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 日は一日一日と過ぎ、生活は相変わらずではあったが、彼女は希望を抱いて、忍耐強くチャンスを待った。何週間の後のある日、彼女は布麻が機嫌がよいのに気が付いた。彼女は、自分を自由にしてほしいと、再度、頼…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)3-28

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 達白は、家事と農作業自体を、修行だと思いなし、そのように、結婚生活を過ごした。 長い労働時間が、彼女を疲労困憊させたが、しかし、彼女は苦しみを、専注、すなわち、精神の統一に昇華するよう、努力した。 …

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)3-27

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 我的根門不停受到轟炸: (私の根門は、絶えず爆撃を受ける) 眼対到色;耳対到声; (目は物に、耳は音に) 鼻対到香;舌対到味; (鼻は香に、舌は味に、 身対到触。 (身体は触に対する) 我観察所有的這些東…