Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2018-01-01から1年間の記事一覧

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(8-3)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> ある種の心は、心路(cittavīthi)において生じるが、これを心路心(vīthi-citta)と呼ぶ; ある種の心は、心路以外において生じるが、これを離路(vīthimutta)心、と呼ぶ。 この事柄については、我々は前に、有…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(8-2)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《大念処経》の中において、仏陀は、受に関して名業処を修習する事は、 受随観(vedanānuvipassanā)に属すると述べ、その他の心所は、 法随観(dhammānuvipassanā)に属する、と述べている。 例えば、不善心所は…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(8-1)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> (105/160) 名業処 名法を了知するためには、先に、名法に関する基本的な知識を、知っておかねばならない。 我々はすでに、それらに関する、いくつかの基本的な知識に、言及した。 ゴータマ仏陀は、アビダンマ…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-29)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> (105/160) 結論 次に、我々は、色業処(rūpakammaṭṭhāna)に関する、簡単な結論を、開陳したいと思う。 我々はすでに、多くの、細かい説明を、省略している。 例えば、実際の修習の時には、あなたは特相(=特…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-28)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> ”色” として観照する 六処と 42身分の中の、28種類の色法を識別するのは、何の為であろうか? それは、身体が、これらの色法の生、住、滅を除いて、何か別の物がある訳ではない事を、了知する為である。 いわゆる…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-27)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 四種類の相色 これまでにおいて、我々は、如何にして、28種類の色法の中の 24種類を、識別するかについて、論談して来た。 最後の、識別する必要のある四種類の相色は、非完成色である。 (1)色集積(upacaya)…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-26)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 二種類の食生色聚 食生色聚は、飲食物を消化する時に生じる。 あなたが、消化の過程を観察する時、あなたが飲食する事によって、身体は、一代また一代と、食生色によって維持されている事を、発見するであろう。 …

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-25)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> (3)軽快性等11法聚 (lahutādekāsaka kalāpa): 基本的な八種類の完成色(観智によって観照されるべきもの)+軽快性+柔軟性+適業性(これらは非完成色である。分析は必要であるが、観智による観照は必要と…

般若の独り言~rūpakalāpaを見るまでは(1)

私は子供の頃から仏教が大変に好きでした。 3歳の頃の、最初の記憶は: 「今度は、女の子に生まれて来てしまったけれど、どの様に生きればいいのかなぁ」 と、一人考えあぐねているものでした。 5歳の時に、<お富さん>という歌謡曲を聞いて初発心し(その…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-24)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 四種類の時節生色聚 (1)時節生純八法聚 (utuja suddhaṭṭhaka kalāpa): それは基本的な八種類の完成色によって構成されている。この中の、八番目の種類は、時節食素(=栄養素。utuja ojā)で、それらは観智…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-23)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> (100/160) (6)語表声軽快性等13法聚 (vacīviññatti sadda lahutādi terasaka kalāpa): 基本的な八種類の完成色+音声(これらはみな完成色である。観智で観照する必要がある)+語表+軽快性+柔軟性+…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-22)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> (5)語表10法聚(vacīviññatti dasaka kalāpa): 語表とは、他人に向かって己自身の意志を表明し様としたり、他人と交流し様とする時、発音器官から発せられる言葉又はその他の音の事である。例えば、叫ぶ、泣…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7‐21)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> (3)軽快性等の11法聚 (lahutādi ekādasaka kalāpa): 基本的な八種類の完成色(観智によって観照されなければならないもの)+軽快性(lahutā)+柔軟性(mudutā)+適業性(kammaññātā)(これらはみな、非…

般若の独り言~翻訳の速度と今後の翻訳

現在、パオ・セヤドーの『涅槃証悟の唯一の道』を翻訳していますが、速度が速い、速すぎる(結果、ボリュームがすごい)というお褒め?ご批判?が、出ております(笑)。 長年、パソコンを使って、仏教書を翻訳してきました為に、ほとんどの仏教用語は単語登…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-20)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 八種類の心生色聚 (1)心生純八法聚(cittaja suddhaṭṭhaka kalāpa): それは基本的には、地、水、火、風、色彩、匂い、味と栄養素という、八種類の完成色(nipphanna rūpa)によって、構成されている。 この…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-19)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 現在世(=現世)において生起する所の、九種類の業生色法は、過去世またはもっと以前の、ある一世において、造(ナ)された業が、その原因である。 過去世において生起した業生色法は、その前世またはそのもっと…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-18)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 九種類の業生色聚 六処と 42身分の色法を分析する時、あなたは九種類の業生色業(kammajakalāpa)を見ることができる: 1)眼十法聚(cakkhu dasaka kalāpa)。 2)耳十法聚(sota dasaka kalāpa)。 3)鼻十…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-17)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 風界の六つの部分 1)上行風(uddhaṅgamā vātā)。 2)下行風(adhogamā vātā)。 3)腹内風(kucchisayā vātā)。 4)腸内風(koṭṭhāsayā vātā)。 5)肢体循環の風(aṅgamaṅgānusārino vātā)。 6)入出…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-16)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 火界の四つの部分 身体の中の、四つの部分は、火界(熱)が最も顕著である: 1)温熱の火(santappana tejo): 身体を温熱にする火界。その因は、身体の動き(kuppite)、間歇的発熱など。 2)老化の火(jīran…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7‐15)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 水界の12の部分 身体の内部において、12種類の部分は水界が顕著である: 1)胆汁(pittaṃ)。2)痰(semhaṃ)。 3)膿(pubbo)。4)血(lohitaṃ)。 5)汗(sedo)。6)脂肪(medo)。 7)涙(assu)。8…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7‐14)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> この 20個の身体部分の内において、胃中物と糞便を除いて、その他の18個の部分は、皆 53種類の色法を有している。 すなわち:身十法聚、性十法聚、命九法聚、時節生八法聚、心生八法聚と食生八法聚である。 胃中…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-13)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> (95/160) 四界分別詳細法 《中部》の《大教誨ラーフラ經》(Mahārāhulovāda Sutta)と《界分別經》(Dhātuvibhaṅga Sutta)の中において、仏陀は、42身分の方法でもって、四界分別を教えているが、同時に《清…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-12)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 真正に、色聚を理解したいと思うならば、あなたは、系統的に、禅修を実践しなければならない。 《清浄道論》に基づけば、あなたは 42身分、18界、12処と五蘊などによって、色法を分析しなければならない。 パオ森…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-11)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 色聚の照見と分析 身体が透明の塊として呈現する時、あなたは引き続き、四界を識別し続けなければならない。 その後に、透明な塊が燦然となって、かつ光を放つ様になる。 あなたが、この燦然と輝く透明体の塊の中…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-10)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 三種類の密集 三種類の密集がある: (1)色法を固定的な、不変に相続する所の、実体であると見做す事。 相続密集(santati ghana)という。 (2)色法を構成された全体と見做す事。すなわち、色聚は究極色法で…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-9)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> あなたがほぼ同時に 12種類の特徴を照見することができる様になったならば、次には、それらを地、水、火、風の四つのグループに分けて、識別する事ができる(+様になる)。 しかし、その時は、明確に、四界の一…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-8)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 如何にして12の特徴と四界を識別するのか あなたは、如何にして、逐一、12 種類の特徴を識別するのかを、学ばなければならない。 我々は通常、初心者には、先に容易な特徴を識別する様に教え、その後において、比…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-7)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> Vipassanā基礎ジャーナの運用 入出息念が、止の修習と観の修習に、分ける事ができる様に、四界分別もまた、止の修習の段階と、観の修習の段階に、分ける事ができる。 しかし、我々はここにおいて論談しているのは…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-6)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> (85/160) 色業処 四界分別簡略法 仏陀は、簡略法または詳細法を用いて、色業処の指導をした。 《大念処経》の中において、仏陀は簡略法を指導した: 【次に、比丘たちよ。 比丘は、止まるにしても、立つにして…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-5)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> それらは何故に ”身” と呼ぶのであろうか? というのも、それらは ”身” の方式に基づいて生起するからである。 前に述べた通り、意識現象は心と心所が共に、”身” の方式に基づいて生起するものであり、物質現象は…