Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-4)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 三種類の身 身(kāya)とは、何であるか? 《長部・大因縁經》(Mahā-nidāna Sutta)の中において、仏陀は、二種類の身について、言及している: 名身(nāmakāya)と色身(rūpakāya)である。 シャーリープトラ尊…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-3)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 第一節 観業処の第一段階 《大念処経》の中において、仏陀は四種類の随観と了知を用いて、三種類の遍知を教え、指導している。 第一段階では、彼は知遍知(ñāta pariññā)を身(kāya)の随観として教える: 【[1…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-2)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 三種類の遍知 次に、まさに我々が<序論>の中において解説した様に、仏陀の教えによると、観の修習をしたいと思う者は、必ず、まず己自身自らの証知を通して、過去、現在、未来、内、外、粗い、微細、劣等、優秀…

般若の独り言~怒りの処方箋

以前、私はブログに <「怒ってはならない」という風な、したり顔で怒りについて書かれた本は、読まない> <特に僧侶の書いたもので、仏教徒なら怒らないのが当然、という前提で書かれた、良い子向け道徳本は、自分の参考にならないので読まない>と書いた…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-1)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> (81/160) 第五章 観業処 前に述べた様に、二種類の vipassanā がある: 世間vipassanā と出世間vipassanā である。 世間vipassanā の所縁は、まずは、五蘊およびその因であり、その後においては、五蘊及びその…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-25)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 第五節 止の修習における八支聖道 前に述べた通り、止の修習において、禅修行者はまた、八支聖道を育成しているのである、と言える。 如何なる時においても、あなたが、何等の夾雑物も挟むことなく、呼吸の所縁を…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-24)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> ジャーナと呼吸 初禅の時、呼吸は非常に繊細に変化する; 第二禅の時、それは更に微細に変化する; 第三禅の時、それは更に更に微細に変化する; 第四禅の時、呼吸は完全に停止する。 第四禅の呼吸は、微細すぎて…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-23)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 第四禅 第三禅を成就して、かつ第四禅の修習を希望するならば、あなたは習熟した第三禅から出定して、第三禅の二つの欠点と第四禅の一つの長所を、省察・思惟しなければならない。 それらは、それぞれに、以下の…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6‐22)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 第三禅 第二禅を成就させた後、第三禅を修習したいと願うならば、あなたは先に、よく慣れた第二禅から出定して、その後に、第二禅の二つの欠点と、第三禅の一つの長所を、省察・思惟しなければならない。 それら…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6‐21)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 第二禅 あなたは、初禅に習熟した後、第二禅に進む事ができる。 先に、すでに習熟した初禅に入り、出定の後、初禅の二つの欠点と第二禅の一個の長所を省察・思惟する。 それらはそれぞれに、以下の様である: (…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-20)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> (75/160) 五自在 ジャーナの修習を始めたばかりの時、あなたは、余り多くの時間を、禅支の識別に費やしてはならない。 あなたは、長時間ジャーナの中に安住できる様、練習を重ねるべきである。 ひとたびあなた…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-19)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 禅支とは、初禅心と共に生起する所の、五つの心所であり、実際には、それらは慧根を含むその他の28個の、入出息初禅心と同時に、生起するものである。 しかし、仏陀は初禅の説明をするに、ただ五つの禅支にのみ言…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-18)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 初禅 あなたが五根の育成を実践する時、定力は上昇し、かつ入出息似相を覚知する時間は、益々長くなる。その時、あなたの定力は、ジャーナと非常に似た境地ーー近行定(upacāra samādhi)になる。 その後、あなた…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-17)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 信は止の修習に、慧は観の修習に ここにおいて強調したいのは、止の修習に関しては、信根が強めである事は、適切である事、というである; 観の修習に関しては、慧根が強めである必要がある。 もしあなたが、以下…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-16)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 精進根と定根 怠け者は、成功する事ができない。故に、精進は欠かすことができない。 しかしながら、精進が過度である時、心は蠢いて不安を生じ、その為に、その他の諸根もまた、それらの仕事を、完成させること…

『涅槃証悟の唯一の道』★パオ・セヤドー著(6-15)重要必読

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 信根と慧根 入出息念の育成に成功するためには、あなたは入出息念に対して、完全なる信心(=確信。以下同様)を擁しなければならない。 また、仏陀の教えに対して、完全なる信心を擁しなければならないし、仏陀の…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-14)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 念根 仏陀は言う: ”Satiñca khvāhaṃ、bhikkhave、 sabbatthinkṃ vadāmi. ” ”比丘たちよ。私は念は一切に適合すると言う。”(注42) 念根はつねに適切である。 ちょうど塩が、すべての菜肴に合う様に、または総理…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-13)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> (70/160) 五根 更に一歩進めて、定力を育成し、また有分に落ちるのを避ける為に、禅修行者は五根(pañcindriyā)の助けを借りて、心を策励し、それを似相の上に、固定させなければならない。 五根とは: (1…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-12)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 有分に落ちる 前に述べた様に、名法の生起は一連の心路を形成し、かつ、異なった類型の心によって構成される。 それらは目で見る事によって、目標を識知する所の心路であり、耳で聞く事によって、目標を識知する…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-11)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 前に述べた通り、定力が益々深まる時、遍作相は取相になり、かつ最終的には似相になり、その光り輝き、その明瞭さは、明けの明星の様である。 似相は、呼吸と共に同時に、鼻孔の出口、または上唇の一帯に出現する…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-10)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 三法を了知する シャーリープトラ尊者は《無礙解道》において入出息の部分を解説する時、以下の様に言う: Nimittaṃ assāsapassāsā、anārammaṇamekacittassa; ajānato ca tayo dhamme、bhāvanā nupalabbhati. ”…

『涅槃証悟の唯一の道』★パオ・セヤドー著(6-9) 重要必読

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 覚えておいて欲しい事: 入出息念を成就させる為に、強くて力のある念(sati)と正知(sampajāna)は、決して、欠かす事のできないものである! これが、仏陀がなぜ、念と正知に欠けた人間に対して、入出息念を教…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-8)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 第四節 微息 身行を平静にする 【(4)彼は学ぶ: ’私は身行を平静にして入息をする。’ 彼は学ぶ:’私は身行を平静にして出息をする。’】 ここで言う ”身行”(kāyasaṅkhāraṃ)とは、上と同じく、呼吸の行の事を…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-7)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 第三節 全息 呼吸の全身を覚知する 【(3)彼は学ぶ: ’私は、全身を覚知しながら、入息をする’ 彼は学ぶ: ’私は、全身を覚知しながら、出息をする’】 ここで言う ’全身’ とは、頭から足までの全身の事を言うの…

般若の独り言~賢いリトリート

来年二月に、台湾の<法雨道場>で行われるリトリート、中国語で禅修営(chan xiu ying)といいますが、参加 申請にOKが出ました。とても楽しみです。 指導者は、緬甸の gwa に道場を持つ、P尊者です。 今年の初め、同じく<法雨道場>で P尊者のリトリート…

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-6)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 異なった類型の禅相 禅相(=nimitta)の出現方式は、人によって異なる。 というのも、異なる人それぞれに、入出息念業処への心想(=心に想う事)が、異なるが故に。 これがなぜ、異なる禅修行者の禅相が、それ…