南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

般若の独り言~夢は枯野を

旅に病んで、夢は枯野を駆け巡る・・・は芭蕉の句ですが・・・ 四、五日前に風邪を引きまして、38.5度という、人生まれに見る高熱を出して、ベッドに倒れ込んでおりました。 その間、変な夢ばかり見まして・・・夢うつつの中で、上記の、芭蕉の句を思い出し…

翻訳『禅修指南』9-24

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《目標を変える》 死亡心(ただし、臨終速行心の前)の近くで出現する業は、ある時は、如理作意(yoniso manasikāra)不如理作意(ayoniso manasikāra)などなどを通して、変化する事がある。 以前、ある一人の比…

翻訳『禅修指南』9-23

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 更に一歩進んで解説する: 果報を引き起こす業は、最後の速行心の目標(nimitta 注36)である。 それはすなわち、果報を引き起こさんとする業力によって、業、または業相、または趣相が、臨終速行心の目標として…

翻訳『禅修指南』9-22

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《縁摂受の段階》 もし、禅修行者が過去世に造(ナ、以下同様)した因を、見つけ出す事が出来たならば、すなわち、無明、愛、取、行及び業であるが、その業(すなわち、業力)と、今世の結生の時の、30種類の業生…

般若の独り言~黄色いツルバラ

下の写真は、ツル・ゴールド・バニーです。 ツルと言っても、枝はあまり撓っていません。 ゴールドですから、その花色は、光り輝く黄金色・・・と言いたい所ですが、他の黄色いバラとどう違うか、よく分かりません(笑)。 育苗家にとっては、新種の開発は、…

翻訳『禅修指南』9-21(190/520)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《業輪転の内容》 食物を仏塔(=仏陀)に布施する時: 1、生起する善速行心路過程(kusala javana vīthi)は、受者(すなわち、仏陀)を所縁とする。 2、生起する善速行心路過程は、施物(=食物)を所縁とする…

般若の独り言~『禅修指南』翻訳の速度

『禅修指南』ご愛読の皆様へ 『禅修指南』の翻訳の速度が、最初の想定より速くて、申し訳ありません。 書かれいている内容が非常に難しく、ゆっくり翻訳したい所ですが、『禅修指南』の次は、(2019年度内に)パオ・セヤドー著「顕正法蔵」(120頁まで翻訳し…

翻訳『禅修指南』9-20

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《煩悩輪転の三》 1、涅槃を証悟する事の出来る「比丘」が、存在していると錯覚するのは、無明である。 2、涅槃を証悟する事のできる比丘の生活を、渇愛するのは、愛である。 3、涅槃を証悟する事の出来る比丘の…

翻訳『禅修指南』9-19(185/520)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> もし、禅修行者が、臨終の名色法を識別する事が出来たならば、それはすなわち、非常に確実に、この三種類の目標の内の一つ(すなわち、業、または業相、または趣相)を見つけた、と言える。 このレベルになれば、…

翻訳『禅修指南』9-18(184/520)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《過去世の臨終の時に向かって》 人類が結生(paṭisandhi)する時、三種類の色聚が生起する。すなわち、心色十法聚(hadaya dasaka kalāpa)、身十法聚(kāya dasaka kalāpa)と性根十法聚(bhāva dasaka kalāpa…

翻訳『禅修指南』9-17

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《色相の出現》 最も近い、過去の名色法を識別している時、もし、発願した所の、色相が出現した場合、その色相の、四界(四大種)を識別する。 それは、多くの微細な色聚に変化する。 それらの、色聚の中の色法を…

翻訳『禅修指南』9-16

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《煩悩輪転及び業輪転》 前に述べた、生死輪転(saṁsāravaṭṭa)を引き起こす所の、無明、愛、取、行及び業(avijjā、taṇhā、upādāna、saṅkhāra、kamma)に関して、ここにおいて、更に一歩進んで、解説する。 上に…

翻訳『禅修指南』9-15

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《心(すなわち智)を過去に向かわせる》 先に、順序に従って、定力を育成する。 次に、内部と外部の名色法を識別し、了知する。 特に、第六グループの名色によって、過去を識別する。 この方法を採用する、禅修…

般若の独り言~緑濃い山々

源平なんとか・・・植えて6年程。何という名の木でしょうか?白と桃色の咲き分けです。 五月は、気持ちのいい日が続きます。 Y盆地では、田植えの準備が、着々と進んでいます。 水の張られた棚田は、先人の努力の結晶の様で、実に美しいです(棚田を作った人…

翻訳『禅修指南』9‐14(180/520)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《五種類の縁起の教法》 《清浄道論》(第17章)と《迷惑氷消》の、縁起分別篇の中において、藤収集者が藤を切る比喩でもって、四種類の縁起の教え方を描写している。 それはすなわち: 1、随順縁起法 (anuloma …

翻訳『禅修指南』9-13

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《因を追尋する方法》 Paccayasamupanne hi apariggahite paccauāpariggaho na sakkā hoti kāuṁ。 Tasmā dhammaṭṭihiñāṇaggahaṇeva tassa hetubhūtaṁ pubbe siddaṁ nāmarūpavavatthānañāṇaṁ vuttameva hatīti ved…

翻訳『禅修指南』9-12

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《神通と観禅》 (Abhiññā & Vipassanā) ある種の人々は、宿住随念智(pubbenivāsānussati abhiññā)でもって、過去世を知る事を受け入れるし、 また、天眼通(dibba cakkhu)の未来分智(anāgataṁsañāṇa)でも…

翻訳『禅修指南』9-11(175/520)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《縁摂受智の体験》 (Paccaya Pariggaha Ñāṇa) Vipassakena pana kammantarañca vipākantarañca ekadesato jānitabbaṁ (《清浄道論》)。 Ekadesato jānitabbaṁ anavasesato jānituṁ na sakkā avisayattā. Sab…

翻訳『禅修指南』9-10

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《推理と自らの体験》 (anumāna & paccakkha) ’Ayaṁ lokiyo ayaṁ lokuttaro’ti ariyaṁ aṭṭhaṅgikam maggaṁ yathābhūtam na pajānāti ajānanto lokiyamagge abhinivisitvā lokuttaraṁnibbattetuṁ na sakkāti. …

翻訳『禅修指南』9-9

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《行と業有》 (saṅkhāra & kamma bhava) 1、布施する前(布施業を造(ナ、以下同様)す前)に生起した所の前思(pubba cetanā)は、行である。 施物を受者の手の中に布施した時に生起するのは、立思(patittha…

翻訳『禅修指南』9-8

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《<無礙解道> (Paṭisambhidāmagga)の教え》 Purimakammabhavasmiṁ moho avijjā、 āyūhanā saṅkhārā、 nikanti taṇha、 upagamanaṁ、 cetanā bhabo. Ime pañca dhamma purimakammabhavasmiṁ idha paṭisandhiyā…

翻訳『禅修指南』9-7

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> また、《増支部・三集》(Aṅguttāra Pāḷī Ṭika Nipāta)の中において、一切の縁起支は、皆、集諦である、と教える: Katamañca bhikkhave dukkha samudayaṁ ariyasaccaṁ. Avijjā paccayā saṅkhārā、 saṅkhāra pac…

翻訳『禅修指南』9-6

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《集諦》(Samudaya sacca) 仏陀は、《分別論》(Abhidhamma Vibhaṅga Pāḷī)の中において、五種類の集諦を、教示している。 すなわち: 1、愛(taṇhā)は、集諦である。 2、一切の煩悩は、愛を含めて、皆、集諦…

翻訳『禅修指南』9-5

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《第五法の概要》 Atīte hetano pañca、idāni phalapañcakaṁ、 Idāni hetano pañca、āyati phalapañcakaṁ. (Vism) 上に述べた註釈によると、禅修行者は必ず(+以下の点を)識別し、かつ明らかにしなければなら…

翻訳『禅修指南』9-4(170/520)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《随覚知と通達知》 Ananubodhāti ñātapariññāvasena ananubujjhanā appaṭivedhāti tīraṇappahāna pariññāvasena apaṭivijjhana.(《長部註》) 疏鈔の説明によると: anuanubujjhanaṭṭhena anūbodho、 (一)名…

翻訳『禅修指南』9-3

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《三出世間遍知》 (3 lokuttara pariññā) 観智(すなわち、三世間遍知)の後、聖道(ariyamagga)は生起する。 聖道は、徹底的に、各種の煩悩を断じ除き(samuccheda、正断)、 無為涅槃界(asaṅkhata Nibbāna …

翻訳『禅修指南』9-2

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《三世間遍知(3 lokiya pariññā)》 (一)所知遍知(ñāta pariññā) 若し、人が智でもって、各々の縁起支(すなわち、無明、行、識、名色、六処、触、受、愛、取、有、生、老死などなど)の相(lakkhaṇa)、作…

翻訳『禅修指南』9-1(167/520)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 第八章:縁起第五法 Paṭiccasamuppāda 《相応部・大因縁經》(Mahānidāna Sutta)の中において、以下の様に言う: Gambhīro cāyam Ānanda paṭiccasamuppādo gambhīrāvabhāso ca. Etassacānanda dhammassa ananub…

翻訳『禅修指南』8ー62

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《四念処の育成に関する修行》 《殊勝義註》と《清浄道論》の中において、以下の様に言う: Yasmā pana na suddarūpadassanamatteneva vuṭṭhānaṁ hoti、 arūpampi daṭṭhabbameva. ーー「もし、色法の三相をのみ、…

翻訳『禅修指南』8ー61

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《次の段階に進む》 内部と外部の名色法の分別と差別の修習の後、《大念処経》「界作意篇」(dhātumanasikāra pabba)の中において述べられている所の、次の段階の修習法を修行する: ’Samudayadhammānupassī vā …