Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-25

上述の経文では、定が生じる要素を、述べている。これらの要素の中において、我々は、強制、決意、死守などの項目を見つけることは、できない。 経文では、上記のものが、定を決定する要素であるなどという事を、述べたことがない。 反対に、我々は、ちょう…

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-24

「彼は、己自身が五蓋を捨てたことを知った時、愉快(+な気持ち)が生じた。愉快な気持ちによって、喜悦が生じた。心内に喜悦が生じたために、身体は軽安(静か)になった。身体が軽安になった為に、楽しさを感じ、楽しさのために、心は定を得た。」 (翻訳…

是誰庵のひとやすみ~サヤレーのドン引き多世界解釈

実は、私、物理は、まったくダメなのです。 高校の時の「物理」のテストは、いつも一夜漬けの丸暗記で、点数は50点前後、赤点でしたね。 熱と運動の関係とか言われても、さ~っぱり。 お茶を飲みたい時に、お湯が湧けばそれでいいじゃん、な~~んて。そんな…

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-23

今、我々は、止禅の主要な要点・重点は、定の因を育成することにあると、知った。 それならば、それに対して、更に研究を深めたいと思う。 実際、止禅には多くの因があるが、しかし、最も重要な直接原因は楽しさであり、そのため、我々はそれを「近因(=直…

是誰庵のひとやすみ~読者の皆様へ(コメント欄は設けませんが)

私は緬甸(ミャンマー)のパオ森林寺院で出家したサヤレー(大乗で比丘尼に相当)ですが、中国語で書かれた法話(基本的には、台湾で出版されたもの)を日本語に翻訳し、当ブログにて、公開しています。 そのそもそものきっかけは、パオ・セヤドーの著書「智…

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-22

◆結論: (一)定を修習する時、我々は、定の特徴である「不散乱」、定の作用である「散乱の除去」、定の顕現状態である「不動揺」を、育成してはならない。 上記は、ただ、定の修習における結果に過ぎないのだから。 (二)定を修習する時、我々は、定の近…

是誰庵のひとやすみ~春ですね

明日、友人が是誰庵に泊まりに来るので、少し気合を入れて、いくつか、お料理を作りました。 釘煮。 きびなご(こうなご)を同量の醤油と砂糖で煮たもの。兵庫県の名物料理、らしいです。私は神戸生まれですが、子供の時、食べたことなかったです。 台所担当…

是誰庵のひとやすみ~ニューカレドニアって、あんた!

私は緬甸(ミャンマー)で出家した尼僧で(緬甸では比丘尼ではなく、サヤレーと呼ぶ)、日本では九州の片田舎で一人、庵を結んで住んでいます。 そんな私が、家族の事を話すのは「おいおい、家族がいたんかい!」と言われそうですが・・・(笑)。 私には息…

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-21

三番目の誤解・盲点は: 我々が「定の作用は散乱の除去である」と連想する時、我々は、非常に強烈な動機を秘めつつ、心内のすべての考えを取り除いて、定を育成しようとする。 しかしながら、このように実践する事は、定の作用を育成しているのであって、定…

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-20

故に、定を修する時、我々の重点は「不散乱」「散乱の除去」「不動揺」に置くのではなくて、「楽しさ」に置くべきである。 「不散乱」「散乱の除去」「不動揺」は、すべて定の修習の結果であり、「楽しさ」こそが、定の原因、源なのである。 定を修する結果…

是誰庵のひとやすみ~戒より始めよ

昨日、インターネットを見ていますと、オウム教団・サリン事件の中川死刑囚が、手記を発表した、とありました。 出版の動機は、二度とこういう事件が起きないように、との事のようです。 仏教(仏法)を学ぶのは、なかなか大変です。 これは学ぶに値する教え…

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-19

上述した部分(No.1-18)における、最初の誤解、問題点は: 我々が、定の顕現状態を観た時、我々は、知らず知らずの内に、不動揺の顕現状態を模倣して、それを通して、定を獲得しようとすることである。 実際、我々はどのようにすれば、定を育成することがで…

是誰庵のひとやすみ~戒名の起源

俳優の渡瀬恒彦さんが亡くなられ、兄の渡哲也さんの談話が、web載っていました。 渡瀬さんは家族葬で、戒名はなし、だそうです。 時代はここまで来たのかな、と思いました。 有名人でも、セレブでも、家族葬で、戒名はいらない・・・。 葬儀自体は、盛大にす…

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-18

定の特徴、作用、顕現、近因 問題三:定の特徴、作用、顕現、近因とは何か? 回答三:定の特徴は「不散乱(散乱しない事)」、作用は「散乱の除去」、顕現は「不動揺(動揺しない事)」、近因は「楽しい」。《清浄道論・第三品》 止禅を修行して、定力を育成…

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-17

たとえば、《清浄道論・第四章》に以下のような重要な解説が書かれている: 「地遍(または土遍)」を修行する時、我々は、心に歓喜を生起させることのできる、どのような主題・テーマまたは概念をも借用することができる。 「土」というこの物質は、我々に…

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-16

呼吸は一種の主題、テーマであるため、異なる風貌・様相の、抽象的目標として出現することができる。呼吸を(観る事を)始めたばかりのとき、呼吸は粗くて長く、その後には、細くて短くなり、その後では、微細すぎて、とらえどころがなくなる可能性がある。 …

是誰庵のひとやすみ~ツンデレ・オハナ

我が家の愛犬オハナ(←ハワイ語で<家族>の意)。 五歳(推定)の時、動物愛護センターから引き取られて我が家に来たオスのペキニーズ。 現在10歳。 五年前に我が家に来たときは、とても荒れていて、私、だいぶ噛まれました。人間様によって、山の奥深くに…

是誰庵のひとやすみ~仏教は楽しいか?

先日、アチャン・Nが、我が家にお見えになりました。彼はテラワーダ(南伝仏教)で出家した日本人僧侶で、現在英国在住です。 アチャン・Nのご訪問について、何人かの法友にお声をおかけしました所、みなさん喜んで、九州の各地から、ご参集頂きました。 ア…

是誰庵のひとやすみ~終活

就職活動を略して<就活>。そのデンで、婚活、終活などの言葉も、すっかり定着したようです。 今朝、WEBを見ていましたら、中尾彬夫妻の終活の話が、載っていました。 趣味のアトリエは片付けて、別途、お墓を買ったそうです(お墓のデザインは中尾氏)。 …

是誰庵のひとやすみ~祈り

ある日の夜、ベッドの中で、このような事がありました。 私の住む町には温泉施設があり、水中運動ができます。 水中運動一回行く毎にポイントが付き、それを一万点ためて市役所に提出すると、抽選で一万円が当たります。 年会費が1.6万円なので、一万円が戻…

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-15

単一の目標(所縁)とは何か? 単一の目標(所縁)とは、単純な、何か一つのモノという事では決してなく、異なる風貌をした、単一の主題、という事がいえる。 定を修する時に(+あなたが)専注している目標は、ただ単に物質的な目標だけではなく、更に多く…

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-14

ここでは、「心を平等にして専注する」という言葉を、決して、全く変化のない修行目標を死守するのだ、と言う風に、誤解してはならない。 この言葉は、心と、修行の目標の間にある、活発な相互交流を指している事を、理解しなければならない。 この種の相互…

是誰庵のひとやすみ~君子危うきに近寄らず

先日、日課の水中運動に行って、ジャグジーで寛いでいた時の、話。 近所のおばさん「あなた、のんびり気持ちよさそうに ジャグジーに入ってらして・・・。あなた、実家は裕福なおうちで、幸せに育ったんでしょうね」 私「いえ、いえ。そんなことはありません…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~5-32

精進の作用は、これらの相応する名法を安定させることである。 精進は、それらが、己自身の任務を遂行し、また、(+安般念などが)中断してしまわないようにし、それと相応する、心とその他の心所を強化し、また支援する。 たとえば、もし、ある人が止禅(…