Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-48(219/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.4.34 無痴(amoha)または慧根(paññindriya) 慧根(paññindriya):パーリ語 paññā は、慧か、または諸々の法(究極法)を如実に知見することを意味する。 ここにおいてそれを「根」と呼ぶのは、諸々の法を…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-47(217/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.4.32 身正直性(kāyujjukata) 身正直性の特徴は、心所の正直性である; 作用は心所の欺瞞性の突破; 現起(現象)は心所の狡猾、欺瞞でない事; 近因は相応の心所。 12.4.33 心正直性(cittujjukata) 心正…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-46(214/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.4.28 身適業性(kāya-kammaññatā) 身適業性の特徴は、心所の不適業性の除去; 作用は心所の不適業性の突破; 現起(現象)は心所のある種の所縁(たとえば、安般似相)を目標に取る事に成功する事; 近因は相…

般若の独り言~仏教徒の矜持

仏教徒は怒らない、怒ってはならない・・・って本当でしょうか? まず、聖者なら、あまり怒らないだろう、という事は想像が付きます。 悟りを得た聖者は、身体・物質は、素粒子でできていて、それは無常・苦・無我であり、心の働きもまた無常・苦・無我であ…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-45(211/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.4.24 身軽快性(kāya-lahutā) 身軽快性の特徴は、心所の沈重性を取り除くこと; 作用は心所の沈重性の突破; 現起(現象)は心所の不軟弱; 近因は相応の心所。 12.4.25 心軽快性(citta-lahutā) 心軽快性の…

般若の独り言~ウトウトオハナ

うとうとオハナ 今日は、久々に、オハナ登場です。 先日、我が精舎を訪ねてくださった方が、ケージの中にいるオハナをみて「あっ、あの(ブログで)有名なオハナ!」・・・オハナ、いよいよ<有名犬>認定です(笑)。 梅雨の時期はあまり散歩に行けず、今は…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6‐44(209/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.4.21.1 禅捨(jhānupekkhā) 第三禅の中において、捨は最も顕著である。故に諸々の聖者は言う: 「捨と正念を擁する者は楽において安住する」。 当該の捨とは中捨性であり、禅捨と呼ぶ。 禅捨の特徴は、目標…

般若の独り言~仏法とお盆

もうすぐお盆です。 私が住んでいる Y盆地は、九州の田舎ですから、まだまだお盆は盛んです。曜日を考慮しないで、必ず 15、16日に行事が行われます。 15日が太鼓、花火、16日が、おそろいの浴衣を着て、通りを練り歩く、正調盆踊り。 お盆には、僧侶が檀家…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-43(207/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.4.20 無瞋(adosa) 無瞋の特徴は、粗野でない事または対抗しない事; 作用は怨恨の除去または怒りの火の除去、タルカンパウダーによって身体の熱を去るが如く; 現起(現象)は、喜ばしい、愛すべき; (近因…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-42(206/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.4.15.2 四ソータパナ支 ソータパナ支には四種類ある: 1、依止善士(sappurisūpanissaya) 2、正法の聴聞(saddamma-savana) 3、如理作意(yoniso manasikāra) 4、依法修行(dhammānudhamā-paṭipatti) …

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-41(203/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.4.12 精進(viriya) 精進とは、奮闘の境または行為をいう。 その特徴は支持、奮闘と駆動; 作用は支持または安定した相応の名法; 現起(現象)は後戻りしない事; 「激励を受けて、彼は明智的に奮闘する」た…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-40(202/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.4.10 伺(vicāra) 伺もまた、禅支の内の一である。 伺は、継続的に投入(vicaraṇaṁ vicāro)することである; 意味は、継続して維持する事(anusañcaraṇa)。 その特徴は、目標の省察を通して、持続的に目標…

般若の独り言~カピヤとお布施に関する誤解

少し前の事(今年3月末頃)ですが、カピヤ(とお布施)に関する誤解をされている方がいて、少々驚きました。経緯は以下の通り(会話は電話にて)。 私: 「本雅難陀尊者から、来年の春、日本に弘法に行ってもよい、とお言葉を頂きました」「台湾のリトリート…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-39(201/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.4.9 尋(vitakka) 色々な禅(=ジャーナ)は、「禅支」(jhānanga)の心所によって、区別される。 一つひとつの禅心の、多くの心所の中において、これら[禅支と呼ばれる]心所が、諸々の禅(+のレベル)の…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-38(200/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.4.7 名命根(jīvitindriya) 命根には二種類ある、その一つは同一の心識刹那を維持する所の、それに相応する名法の命である名命根であり、もう一つは、同一の粒の色聚の中の色法の命を維持する所の命根色であ…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-37(198/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.4.2 触(phassa) パーリ語passa(触)の源は、phusati から来ており、その意味は「ぶつかりに行く」である。がしかし、触を、色法が身根にぶつかるだけの事である、と理解してはならない。 実際は、それは一…

般若の独り言~善は急げ(其の2)

本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda Sayadaw)の来春 訪日弘法について。 今年 2、3月に、本雅難陀尊者と台湾法雨道場でお会いしました折、尊者から 「日本のテーラワーダの皆様が、われわれ比丘の戒律違反がない様、日常生活と弘法活動において、充分に配慮頂…

般若の独り言~善は急げ(其の1)

アビダンマ、仏教書の翻訳は、大変に面白いです。 今翻訳している「顕正法蔵」で、こんな言葉を見つけました。 『水界は「有資糧水」と「相水」に分けることができる。 「有資糧水」は云々、「相水」は云々・・・』 2600年前、ゴータマ仏陀は、インドのブッ…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-36(195/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.4 ジャーナ名法の相、作用、現起(現象)と近因 今私は、安般似相を目標に取る所のジャーナ名法の相、作用、現起(現象)と近因について解説する。 12.4.1 心(citta) 心とは、四種類の究極法の一種である。 先…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-35(195/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 止禅行者及び見清浄を成就したいと思う修行者は、何か一つの色界禅または無色界禅(非想非非想処は除く)から出定し、その後に、相、作用、現起(現象)及び近因に基づいて、諸々の禅支とそれらに相応する所の名法…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-34(190/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12.2 ジャーナ定心路過程 禅修行者がまさに初禅に証入せんとするその時、先に生じるのは意門転向心(manodvāravajjana)及びその相応する名法である。 次に、同一のジャーナ心路過程において、ジャーナ速行心がい…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-33(189/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 12 名法の識別 我々はすでに、如何にして簡便に色法を識別するのかを理解した。 今、私は、如何にして名法を識別するのかを、説明する。 たとえば、もし、安般初禅ジャーナ名法を識別するのであるならば、あな…

般若の独り言~素粒子を見ませんか

人に、「仏法とはなんですか?」と問われたら、 私は「仏法とは、素粒子の話です」 と答えます。 みなさん、一様に「エッ???」というお顔をされます。 日本では、仏法とは、辛い時に祈る祈りの事だったり、仏壇に祭ったお位牌に手を合わせ、水、果物をあ…

般若の独り言~菜園の収穫

毎日暑いですから、朝起きて、涼しい内になるべく早く、庭に出ます。 トマトやキュウリを植えてあるので、収穫するためです(雑草もすごくて、雑草とも格闘しなければなりません)。 特にキュウリは、ほっておくと大きくなりすぎて、食べられなくなるので、…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-32(186/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 19、制限色(paricchedarūpa)または空界 《阿毘達摩蔵》において、空界(ākāsadhātu)は、空間の事を指すのではなく、人々が、それらを、個別の個体であると、識別する事ができる様な、諸々の色聚の間の間隙の事…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6‐31(183/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 17、心色(hadayarūpa) パーリ聖典の論師によると、心色とは、各々の符合する所の浄色を依処とする双五識を除いた、一切の心の依処色である、という。 《阿毘達摩蔵》では、心色について、明確に言及されていな…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-30(180/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 境色(gocararūpa) 境色とは、五根所縁の外境であり、それらは、それと相相応する所の根識所縁縁(=所縁としての縁)となる。 触所縁は、地界、火界、風界の三大によって構成されている事を知る必要がある。 地…

般若の独り言~依存を排して

今朝起きて、マドモアゼル愛さんのブログを、読みました。 その中に 「もし、人が、楽しく生きたいのであれば、依存から抜け出さねばならない」 とありました。 私も、大いに賛成です。 仏教徒は特に、依存から無縁でなければなりません。 仏法を学び、実践…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6‐29(178/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 六、耳浄色(sota pasāda) 耳浄色の特徴は、声(=音)所縁の衝撃を(+受け取る)準備をしている所の、四大の浄(透明性)であり、また声愛(声所縁を聞きたいという欲)を縁にして生じた所の業生四大の浄であ…