Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

是誰庵のひとやすみ~「菩提資糧」菩提樹文庫転載決定

「菩提資糧」の翻訳は、No140 で、二週間ほどお休みします (私の戒師であります、クムダ・セヤドーの瞑想会に 参加するため)。 翻訳は、ちょうど半分辺りまで、きました。 年末までには終わらせて、全編を菩提樹文庫に転載する 予定です(昨日、湖寂さんの…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-140

菩薩が、これらの粗野な子供たちに出会った時、 彼は思った: 「今、私は、捨波羅蜜を成就するための助けとなる、 とてもよいものに出会った。」 そのため、彼はその村に残った。 子供たちは、彼を見つけると、傍に来て彼を愚弄した。 彼は、虐めに我慢でき…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-139

《行蔵註疏》の中で、捨波羅蜜を修習する「大身毛豎立行」 の物語がある。 ある時、菩薩は、富裕な貴族の家に生まれた。 成長した後、有名な師について、学んだ。 学んだ後、家に戻って両親の面倒を見た。 両親が亡くなった後、親戚が、彼に遺産を守る様に、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-138

無愛と無恨は、捨心の成就である。 事物に対して、漠然として対応しないとか、無関心であるとか の状況は、捨心を破壊するものである。 この種の態度は、捨とは言えない。 ただ人々はそれを捨だと誤解しているに過ぎず、実際、それは、 覚醒のない心である。…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-137

十、捨波羅蜜 最後に、捨波羅蜜(+についての説明をするが、 捨波羅蜜)は大悲心と方法善巧智を基礎にして、 すべての好ましく思う心と、嫌悪する心に対して、 バランスのとれた、分別(=区別又は差別)しない 態度を言う。 その特徴は、愛と恨に対して、…

「菩提資糧」の翻訳に関する中間報告

当ブログの読者様: パオ・セヤドー講述「菩提資糧」の翻訳が、原本のほぼ半分の 当たりまで来ました。No140 をもって、<大菩提乗(二)>の 翻訳が終わります。 <大菩提乗(三)>の翻訳は、二週間お休みし、8月5日より 始めます(訳者が、クムダ・セヤド…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-136

仏陀の時代、ある時、烏提那王は、沙馬瓦弟皇后に対して、 大変に憤っていた。 それで、皇后と彼女の500人の女官を一列に並ばせて、 彼自ら、毒の弓矢を持って、彼女らを射殺そうとした。 しかし、彼女たちは、静かに佇んで、国王に慈愛を散布した。 その時…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-135

仏陀の慈愛:ある時、仏陀が団長となって、サンガの人々が、 クシナラに行った時、馬羅国の王子たちが、一つの取り決め をした。 それは、もし、サンガを出迎えにいかない人がいたら、 懲罰する、というものであった。 その時、名前を羅加という馬羅の王子が…

是誰庵のひとやすみ~今日のトレトレ

今日のトレトレは、谷間のユリ。 深山幽谷に行って来た? いえいえ、我が家のお庭の端っこ、隣の雑木林の境目に、 自生のユリが3株。日陰ですからね、谷間じゃなくても、 谷間のユリ。 その内一番大きく育ったのは2mくらいあり、蕾が14個。 下から2個、蕾が…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-134

(+慈愛が)波羅蜜のレベルに到達したと言えるのは、拡散した 慈愛が、必ず相手に到達しており、かつ慈愛によるレスポンスが ある事、である。 慈愛は十波羅蜜に属するだけでなく、同時にまた、40種類の 止禅の内の一つであり、禅の修行者にジャーナと神通…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-133

九、慈波羅蜜 慈波羅蜜は、大悲心と方法善巧智を基礎にして、衆生の 利益と幸福、安楽のために行う貢献、または無瞋心所である。 その特徴は、衆生が豊かに、安楽にあれと願う事である。 作用は、衆生の利益と幸福のため、または瞋恚と 怨恨を解消する為に努…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-132

決意波羅蜜について言えば、それは大悲心と方法善巧智を 基礎にして、善を行い他人を利益する事に全く動揺しない 決心の事を言うか、または、この決心をする時に 生じる心を言う。 その特徴は、菩提資量の修習への決意。 作用は、菩提資量と対立する法との対…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-131

人食い鬼は言った:「お前は、すでに死神の手から逃げたように 言うが、私はお前を信じない」 須陀須摩王は言う:「私の友人(人食い鬼と須陀須摩の二人は、 まだ王子であった頃、共に学んだ仲であった)、人食い鬼、 この世間において、道徳のある生活を送…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-130

ここにおいて、私は須陀須摩の物語を引いて、我々の菩薩が、 如何にして、真実波羅蜜を修行したかを、説明する。 昔、人食い鬼という名の人が、森林に住んでいた。 彼は、元々は、波羅奈国の国王であった(後に、彼が人肉を食べる 事を知った大臣が、彼を追…

是誰庵のひとやすみ~『誰がかまうもんか?!』覚書

図書館からラメッシの『誰がかまうもんか?!』を借りてきて、 読んでいます(ラメッシは、ニサルガダッタ・マハラジの弟子で、 ニサルガダッタはラマナ・マハルシの弟子)。 返却期限が迫っており(近々、瞑想会のため、10日ほど家を 留守にするので、本を…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-129

七、真実(=不妄語)波羅蜜 真実波羅蜜について言えば、それは大悲心と方法善巧智を 基礎として、真実だけを言い、言葉に信用がある事、である。 また、離心所、思心所に相当すると、分析する事もできる。 その特徴は、話す言葉において、誠実で嘘がない事…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-128

《忍辱行者本生経》の中において、我らの菩薩が、ある一世に おいて、忍辱行者(Kantivadi)であった時の、彼の模範的な 忍辱についての物語が、書かれている。 ある日、カラブ(Kalabu)王、すなわち、未来のディバダッタは、 多くの男女の侍者の随行の下、…

是誰庵のひとやすみ~今日のとれとれ

こちら、九州は Y盆地。 久しぶりに雨が上がりました。 といっても曇天。 早速庭に出て、バラにニーム希釈液を掛けました。 ニームはインドの植物で、その木から抽出した液は、 植物の病気の予防になるらしいです。 自重で倒れたグラジオラス5本、きゅうり…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-127

次に説明するのは、《舎羅邦伽本生経》の話で、その中で、 帝釈天王が、舎羅邦伽沙門に問うて言う: 「拘利若伝承の沙門、何が、殺した後でも、我々が後悔しない ものか?何が、捨てた後に、智者によって讃嘆されるものか? 我々は、どのような人の辱めを、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-126

ここにおいて、私は、富楼那(=プンナorフルナ)尊者の 忍辱に対する態度について、説明する。 それは、我々が忍辱を修習する時の、よい模範であるから。 仏陀の時代、ある時、プンナ尊者は、世尊に対して、彼は、 西方輪那という所に行って、住したいと言…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-125

「瞋恚と怨恨は、私の美徳と名誉を損なう。彼に対して怒る ことは、私を醜悪にさせ、安眠できなくさせる事などが起こる。 そして、これらは、私の敵が希望する事柄であり、敵が、 嬉しく思う事柄である。」 「瞋恚の怨恨は、強敵であり、それは多くの危害を…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-124

次に、我々は、下記のように省察して、不断に、忍辱を 育成しなければならない: 「もしも、平静と安寧を齎す忍辱を、しっかりと握りしめて おかないならば、衆生は、自分自身を傷つける悪業を追い求め ることになり、その後果は、彼らが今生で、また来世で…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-123

六、忍辱波羅蜜 忍辱波羅蜜ついて言えば、それは、大悲心及び方法善巧智 (=方便)を基礎として、他人の、己になした誤りに対する、 忍耐力を言う。 《論蔵》によると、忍耐をする時は、無瞋を主として生起する 心と心所であり、その特徴は、忍耐する心と忍…

是誰庵のひとやすみ~九州の禅僧

九州にゆかりの有名な禅僧、私の知る所では、お二人、禅海さんと、 山頭火です(もうお一方、私の尊敬する、安泰寺ゆかりの澤木興道 禅師は、熊本で禅の指導をしていたようです)。 禅海さんは、菊池寛の「恩讐の彼方に」に出てくる了海のモデルと なった、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-122

その内の、超越的に非凡な精進波羅蜜の例は、註疏に 触れられている所の《大生本生経》でる。 当時、乗っていた船が、海に沈もうとしている時、大生王子 として生まれた菩薩は、大海原の中を、七日七夜泳ぎ続けた。 彼の精進力は、行善、または布施、または…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-121

次に、精進波羅蜜について、以下のように省察する: 「十分な精進力が無い時、自分自身を生死輪廻から救い出す事 さえもできない。十分な精進力がないまま、菩薩道を修すると 発心した人は、どのようにして、衆生を救うつもりなのか?」と。 「無量の貪、瞋…

是誰庵のひとやすみ~犀の角のように生きる

本日の 楽天web ニュースを見ていたら、浄土宗の掬池さん という女性僧侶が、結婚してもしなくても、人間はどうせ一人 ぼっち、結婚したくない人は、堂々、仏陀の教え通り、犀の角 のように、一人で生きればよいと、言っていました。 結婚して夫がいても、子…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-120

五、精進波羅蜜 精進波羅蜜は、大悲心と方法善巧智(=方便)を基礎として、 衆生の利益と幸福のためになす、身体的、心理的努力を言う。 その特徴は、奮闘;作用は支え、現起(=現象・結果) は弛緩しないこと。近因は、精進事または恐怖智である。 精進波…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-119

次に、菩薩は以下のように、自己を訓戒しなければならない: 「智慧の無い時、知見を得る事はできない。そして、知見のない 時、戒を成就する事ができない。智慧と戒が足りない人は、 定を獲得する事ができない。 定のない人は、自分一人を幸せにする事もで…

是誰庵のひとやすみ~ハラミツのヒミツ

学生の時、六波羅タンダイとか、六波羅蜜とか習ったけど、 よく分からなかったなぁ。 現在、パオ・セヤドー講述の「菩提資糧」・・・テーラワーダ における、仏陀になるための、十の波羅蜜(ハラミツ)の積み方、 なるものを、「フムフム」「なるほど」と思…