Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~176-1★

<問答二> 問2-1:禅の修習をする修行者の中で、四禅八定を証悟し、あまつさえ観禅(ヴィパサー)まで修行している人がいます。しかし、彼らの日常の行為または徳行は決して良くありません。あまり戒律を守らないし、多くの人々は、この修行の法門に懐疑心…

是誰庵のひとやすみ~マーガレットさん

(↑ 青息吐息だったのが、少し気色が 良くなりました。) 以前、知り合いの方からマーガレットの抜き苗 を貰ったのですが、残念ながら、定着しません でした。 先日、用事で隣の町へ出かけたとき、ホーム センターで、枯れかけのマーガレットを見つけ、 同じ…

「修心与神通」(翻訳文)-6

5、定を修習する者はどのような善巧なる調伏 法門によって定の境地に安住するのか? 通常は、人はみな一種の間違った考えを持っていて、自分が一人の師父(=指導者)を見つけて、己に一つ呪文か、またはまじないを教えてくれて、禅七(=七日間のリトリー…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-175

問1-10:禅師、以下の質問にご回答をお願い します: 1、禅師の教える業処の内、断食法と禅の修行 の組み合わせ、というものはありますか? 2、断食は禅の修行に利益がありますか? 不利益がありますか? 3、上座部の経典の中で、仏陀の声聞弟子が断 食で…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-174

問1-9:釈迦牟尼仏はかつて、阿羅漢たちに授記 をしている:(+その阿羅漢たちは)幾劫の 後に、どこかの地において仏になるでしょう。 しかし、阿羅漢はすでに煩悩を断滅していて、 後有を受けないため、この期間の寿命が尽きる のを待って、般涅槃に入り…

「修心与神通」(翻訳文)-5

4、定を修習する者が定に入るには、定と慧に関するどのような等持(=等しい、同等の)なる路線があるか? 世尊は言う:「修静慮者、或有等持善巧、非等至善巧」 いわゆる定・慧双修とは、等持善巧の事である。 普通我々がいうように「禅密双修」「禅浄双修…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-173

問1-8:行禅とは何ですか?たとえば、歩くときには、どの速度が一番良いですか?ゆっくり、中くらい、それとも速く?行禅の時、我々は何を「想」えばよいですか? 私は初心者です。 禅師に、初心者が定力を育成することに対するアドバイスをお願いします。 …

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-172

問1-7:「禅宗」では、頓悟の法門によって「明心見性」に到達すると、大いに円解を開く、と言います。また、禅の修行をしなくても、明心見性を証悟することができる、という人もいます。 禅の修行をせずとも、明心見性を頓悟する法門について、教えてくださ…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-171★

問1-6:《大空経》の中に、以下のような開示 があります。比丘は、群衆から遠く離れて、 静寂な場所に一人でいた方が、比較的容易に 道業が成就する、と。 そうであるなら、大勢で共修(=瞑想会、 リトリート等の事)するのは、余り進歩しない のでしょう…

是誰庵のひとやすみ~わが町シャングリラ

シャングリラ、失われた理想郷。 チベットのどこかにある、という話。 中国の雲南省にある中甸が、地名変更 で<香格里拉>になったのは、どうも・・・。 (松賛林寺には行ってみたいけれど)。 写真は、我が家からみた盆地の対面、 朝の、雲の流れがよかっ…

「修心与神通」(翻訳文)-4

3、初心者が定を修習する時、正法は どのように求めるか? 通常、初心者は、定の修習に関して、皆、非常 に興味を持ち、何か聞いたり、何か匂ったり すると、急いで座って足を組んだりする。 これは非常に喜ばしい現象ではあるが、 しかし、その方法が正し…

「修心与神通」(翻訳文)-3★

2、定の必須条件とは何か? 定の必須条件とは「軽安」である。 言い換えれば、一種の、安寧自在の寂静の 状態。平等、清浄と融合し、障礙のない、 自然の中に処する、ということである。 我々は、通常、打坐(=座禅・瞑想/以下同様/ 訳者注)する時、あそ…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-170

問1-4 (+台湾・中国の文化圏の)一般の 人々は、死者に金・銀紙を焼いて供養します が、これは迷信ですか? 答1-4 南伝仏教ではこのような習俗はない。 しかし、我々は、死者の名義で善事、たとえ ば、布施などをして、その功徳を死者に 回向することはで…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~169-3

その後、あなたは、更に一歩進んで、真正な 観禅に取り組んで、名色及びそれらの因と縁が 無常・苦・無我であることを照見する。 このように修行する時、あなたは、暫定的に 煩悩を取り除くことができるが、これは 世間的な滅諦である。 観禅の心と同時に生…

是誰庵のひとやすみ~シャングリラ

今年7月、熱海の瞑想会(クムダ・セヤドー ご指導)に参加しました。 その時、話題になったのが「あなたはどうして Y盆地に引っ越したのか?」ということ(私 はヒョンな切っ掛けでY盆地に、格安の家を 見つけて購入し、今年で6年目に入りました)。 インタ…

是誰庵のひとやすみ~今日のトレトレ

今日のトレトレは、フェルトで作った果物 と野菜。 もうすぐ3歳になる孫娘の誕生日に間に 合うように、作りました。 手前のバナナは、皮が剥けて、中身がスルリと 抜けます。 葡萄はちょっと面倒で、作って楽しかった のは、蕪とバナナとレモン。簡単なのは…

「修心与神通」(翻訳文)-2(第一章)★

第一章 禅定 第一節 定、入定、出定 1、定とは何か? 定、梵語では禅那(=ジャーナ)と言い、 《大学》の中には「知止而後有定」という言葉 があり、故に(+中国文化圏では)「禅定」 という; 後期に翻訳された経典では、禅那は、完全には その含む所の…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~169-2

名色を観照した後、あなたは更に一歩進んで、 縁起の修行をする(+必要がある)。 縁起とは、集諦の事である。 あなたは過去の一組の因が、現在の果を造る ことを見ることができる。過去の因は、ただの 名色にすぎず、現在の果も、ただの名色に 過ぎない。…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~169-1

問1-3:一般的には、人は死んだあと、なお霊魂 があり、永恒で不死であると考えられて いますが、これは常見です。 仏陀は我々に常見と断見を捨離して、中道を 採用するように言いましたが、中道とはどう いうものですか? そして、我々は、人が解脱していな…

「修心与神通」(修心と神通)(翻訳文)-1

序説 仏教を学ぶ者は、徹底的に、以下の三種類の 事柄について、しっかりと理解しておかなけれ ばならない: 一、私はどこから来たのか? 二、本来の面目とは何か? 三、原点に戻る方法とは何か? そうでなければ、一生持戒し、根を断じ、枯れ るほど座り続…

是誰庵のひとやすみ~「修心与神通」翻訳開始します

パオ・セヤドーの「菩提資糧」の翻訳が終わっ てから、「修心与神通」の翻訳を開始しようと 考えていましたが、「菩提資糧」の翻訳完了を 待たず、「菩提資糧」と並行して、「修心与 神通」の翻訳を開始します(「菩提資糧」は、 一か月ほどで終了し、その後…

是誰庵のひとやすみ~仏陀の頭部像

我が家には、人から頂いた仏陀の像がいくつ かありますが、これは自分で購入したもの です、20年前、バリ島で・・・(正確には、 露店の店主は、「これ、仏陀じゃないけど、 いいのかい?」って念押ししてくれたのです けどね。彼が私を仏教徒だと言い当てた…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-168

問1-2:《如実知見》の中で、禅師は言いま した:「シャーリープトラ尊者とモッガ ラーナ尊者の阿羅漢道と上首(=最上位)弟子 の覚智は同等で、婆醯の阿羅漢道は、大弟子 の覚智と同等である」と。 これら、彼らの差異を生み出したのは、波羅蜜 を積む時…

是誰庵のひとやすみ~ユーフォルビア・ダイヤモンドフロスト

先日、「今更聞けないPCの疑問」を聞きに、 隣町のPC教室に、行ってきました。 その帰り道、<道の駅>に寄って買ったのが 写真のユーフォルビア・ダイヤモンドフロスト とアメリカン・ブルー、両方とも探していた お花で、ラッキー!でした。 買って帰って…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-167

問答(一) 問1-1:禅師にお訊ねします。 無我と空は、レベルの上で何が異なるの でしょうか? 答1-1:法句経(Dhammapada)の中 で、仏陀は開示して言った: 「一切の法は無我(sabbe dhamma anatta)である」。 ここで言う所の一切とは、有為法と無為法 …

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)ー83(最終回)

「自我」を手放せば、苦痛は止息する~ この物語(No82)と、「自我」を持つという ことはよく似ていて、「自我」を利用して、 自分の好きな、どんなこともできる。 時間の長短に関係なく、永遠にそうあり続け たければ、「自我」は、そうすることが できる…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)ー82★

総論:仏法と各種の観点の比較 我執があるとき、重荷、苦痛がある~ 上帝(=神)に関する観点または教義を主張 する(+人々の)その目的は、彼らの信徒を屈 服・仕えさせ、かつ、それに対して疑問を 持たずに規則を守らせることにある。 ゆえに、これらの…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)-81

★以下は、ブッダダーサ尊者による、西洋の 学者の自我観の紹介です。要点のみ概略紹介 いたします(訳者)。 (1)Ciceroーー「自我」は思考でき、行動 でき、感覚し、また果報の受取人である。 (2)Baileyーー「自我」とは上帝(=神) である。 (3)E…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)ー80

西洋の学者の「自我観」 「自我」は永遠不滅の霊魂~ Baij Nath Khanna は彼の著作《バガ ヴァット・ギーターの光》の中で、以下の観念 がよく理解できるように、我々を導いてくれる。 「自我」は業力の影響を受けず、ソレは神の 領域にあり、物質世界とソレ…

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)ー79

仏教は「自我」を取り除いてのみ 涅槃を証悟できると言う~ 前述(No77 )の文言から、ジャイナ教もまた、 仏陀がパーリ経典《布咤婆楼経》において 述べたとおりの、無形の形体ーー意識ーーを 否定しているのと同じく、粗い肉体と霊体を 否定していることが…