Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-159)(私家版)

アナーガーミ道心 アナーガーミ道心は、欲欲と瞋恚という、二つの結を断じ除いており、かつ、永遠に、二個の瞋根心を断じている。 アナーガーミ聖者を怒らせ様としても、無駄である。 彼は、永遠に怒る事がない。 三果アナーガーミを証得した聖者は、もはや…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-158)(私家版)

サカダーガーミ道心 次に説明するのは、サカダーガーミ道心である。 この心は、すべての結を、断じ除いている訳ではないが、しかし、粗い欲欲(欲界への愛楽的欲求)、またすなわち、欲楽への欲求と瞋恚は、断じ除いている。 ソータパナ道果を証悟した後、サ…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(9-7)(私家版)

一人の、道徳的に不健康な人間の、その信心が非常に強い時、僧侶としての人格を維持する事は出来る。 しかし、信心が減退するか、または消失した時、彼の邪悪な本性は、表面に顕現し始める; この様な人間は、剃髪得度した後、老師と修行仲間を傷つけ、物品…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(9-6)(私家版)

これらの不適切な、更に言えば、愚かな目的でもって、出家を求める人は、ある時点において、老師(指導者)とその他の比丘に、大きな迷惑を齎す; もし、彼らを剃髪得度したならば、寺院や施主に、困った状況を齎す可能性がある。 故に、上に述べた人々もま…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(9-5)(私家版)

ある種の人々は、(物事がうまくいかずに)気持ちが萎えてしまい、心理的に耐えられず、出家したいと思う; ある種の人々は、生まれつきの障碍者で、親族に排斥された為に出家する; ある種の人々は、不適切な渇望を、袈裟の下に隠して、出家する; ある種の…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(9-4)(私家版)

《律蔵》を読むと、上に述べた状況以外に、まだいくつか、剃髪得度に関する、注意事項が載っている。 剃髪得度師は、これを参考にして、適合する人に、剃髪得度するべきである。 人々の、出家の目的は、それぞれ異なる。 ある種の、自制(心)に欠ける人は、…

般若の独り言~羅漢飯

朝起きて、大きめのコーヒーカップに、コーヒーを入れて、飲み干しました。 昼、このカップを、軽く拭いて、<インスタント・にゅうめん> を入れて、お湯を掛けて、にゅうめんがほぐれるのを待って、食しました。 これ、35年前の私なら、ちょっと考えられない…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(9-3)(私家版)

”Na bikkhave、 ananuññāto mātā pitūhi putto pabbajetebbo. Yo pabbajeyya āpatti dukkañassa” ”比丘よ。 父母の同意を経ないで、出家してはならない。 一たび出家したならば、(この人の)出家の身分は 成立するものの、しかし、剃髪得度した比丘は、 悪…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(9-2)(私家版)

”Na bikkhave、 hattacchinno pabbājetabbo、 na pādacchinno pabbajetabbo.” ”比丘よ。 断手者は、出家してはならない。 断足者は、出家してはならない。” その他の、32種類の人々、例えば、手に障害のある者等は、剃髪得度できない。 もし、比丘がこの人…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(9-1)(私家版)

剃髪得度に適さない人 すべての人が、剃髪得度に適しているのではない。 出家を許可する老師(指導者)は、選択の上、適合する人を、剃髪得度するべきである。 黄門(ホモセクシャル)、両性人(バイセクシャル)、 賊住者(正式の儀式を経ずして、勝手に出…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-157)(私家版)

ある種の人々は、ソータパナを証悟した後、再度、修行に精進して、サカダーガミまたはアナーガーミまたは阿羅漢を証悟する。 ある種の人々は、己自身はすでに、四悪道の門が永遠に閉ざされていて、安全である事を理由に、ゆっくり進めばよいと思う。 天に生…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-156)(私家版)

ソータパナを証悟した結果の利益として、7種類の聖宝を擁する他、もう一つの事柄は、四悪道の門が永遠に閉ざされる、という事である。 ソータパナ道果を証悟した後、(色々な事柄、体験を)享受する事ができるが、四悪道に堕ちる心配をする必要はない。 しか…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-155)(私家版)

ソータパナ道心は、三個の結を断じているが故に、五個の不善心を、永遠に断じ除いた、のだと言える。 その内の四個は、邪見相応の貪根心、もう一つは、疑相応の心である。 この疑とは、三宝への懐疑である。 故に、残りの7個の不善心だけが、ソータパナの心…

禅病は最終段階

携帯で、自分のブログを見ますと、最下部にある 《注目記事》一覧の二項目に、 《禅病を超えて》(2020年7月4日公開) が来ています。 禅病で困っている方、興味のある方が、案外多いのかも知れません。 私が自分の禅病に関して、 【この身体(頭部)の不快…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-154)(私家版)

故に、Suppabuddha は、この7種類の聖宝を持っている為、少しも貧しくはない、と回答した。 彼の、三宝への信心(=確信)は 堅固であり、三宝は存在しない、などとは言えない。 3、戒禁取:儀式を通して、解脱が得られると信じて、執着する事。 インドにお…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-153)(私家版)

(3)慙:悪い行いに対して、慙愧と恥をしる事。 (4)愧:悪い行いに対して、恐れを感じる事。 悪い行いが齎す果報に対して、恐れを感じるが故に、悪業をなさない事。 (5)多聞:多聞とは、ただ多くを聞く、という事ではない。 (法を)多く聞く事と、修行…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-152)(私家版)

(1)自信:すなわち、信心(=確信)。三宝への信心(=確信)が永遠に不動である事。 (2)戒行:ソータパナ道果を証悟した者は、五戒を破る事はない。 ある種の人々は、修行の最中、己自身を高く見積もり、または錯誤・誤解して、己自身が、ソータパナを…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-151)(私家版)

「あなたはこの様に貧しい。 あなたの全身は、ハンセン病に犯されている。 あなたと友達になりたい人などいない。 私は、あなたのハンセン病を治してあげる事ができる。 無数の金銀財宝を贈ろう。 それには、一つだけ条件がある・・・」 Suppabuddhaは問う:…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-150)(私家版)

1、身見:五蘊を、自分自身だと思ってしまう事を、身見、と言う。ソータパナは、二度と、五蘊をば、己自身だとは思わない。 2、疑:三宝への懐疑を断じ除く事。すなわち、仏、法、僧(サンガ)という三宝への信心(=確信)が、堅固で、動揺しないものであ…

当ブログ(翻訳文)をご閲覧の皆様へ

当ブログの仏教書翻訳文(中→日)を ご閲覧頂いている皆様へ 皆様すでに、お気づきの事と思いますが、当ブログで公開しております、中国語仏教書から翻訳された、日本語訳文は、一回に公開する段落が、以前に比べ、非常に短くなっています(《実用アビダンマ…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-149)(私家版)

ソータパナ道心 出世間善心には、四種類ある: ソータパナ道心、 サカダーガーミ道心、 アナーガーミ道心、 阿羅漢道心、である。 道心の作用は、煩悩を断じ除くことである。 すなわち、ソータパナ道心の作用とは、前の三結: 身見、疑と戒禁取を、断じ除く…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-11)(私家版)

この教法は、仏陀に属する。 故に、一切のなす技は、仏陀の制定した戒・律に基づかねばならない。 仏陀は、すでに具足戒を受けた比丘のみが、他人を剃髪得度せしめる事が出来、かつ、戒子に具足戒を授ける事ができる、と定め、授権した。 仏法の中において、…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-10)(私家版)

”Anujānāmi bhikkave tumheva dāni tāsu tāsu disāsu tesu tesu janapadesu pabbājetha upasampādetha.”(注3) ”比丘たちよ。 異なる地区から来て、 出家を求める人々に対して、 あなた方は、 彼らの所在地において、 剃髪得度と具足戒を する事ができる…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-9)(私家版)

各地方へ散って、仏法の教導を始めた比丘たちは、出家したい、具足戒を受けたい、と熱望する人々を連れて、帰って来た。 彼らは、10方の色々な国から来たが、如来は、自ら、剃髪得度し、具足戒を授けた。 しかし、比丘と、出家を願い、遠い道をやって来て、…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-8)(私家版)

この様にして、世の中に、如来を含めて、合計61人の阿羅漢が出現した。 ある日、仏陀は、60人の阿羅漢に以下の様に告げた: ”比丘たちよ。 私は已に、すべての執着を、断じ除いた。 あなた方もまた、已に、すべての執着を、断じ除いた。 比丘たちよ。 人々の…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-7)(私家版)

如来が口頭で、”善来比丘”と述べて、貴族の子であるヤサ(Yasa)を出家させた。 その後、彼の四人の友人、 離垢(Vimala)、 善臂(Sūbahu)、 満勝(Punnaji)、 牛王(Gavampati)、及びそのほかの、50人の、出身が商人階級の名門である所の、友人もまた、…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-6)(私家版)

コーンダンニャ隠士は、アーサーラ月の満月の日に出家した後、如来の説法を聞いて、入流道果を体験証悟した。 同様に、隠士のワッパは、二日目に、仏陀の膝下において出家し、隠士バッディヤは、三日目に出家し、マハーナーマ隠士は、四日目に出家し、アッサ…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-5)(私家版)

出家と具足戒の受戒に関する、もう一つの言い方は、 ”Ehi bhikkhu pabbajja” ”善来比丘出家。” (善く来たれ。比丘として出家せよ)と、 ”Ehi bhikkhu upasampadā” ”善来比丘受具足戒。” (善く来たれ、比丘として、具足戒を受けよ) である。 唯一、正自覚…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-4)(私家版)

コーンダンニャは、刹那に、まるで奇跡の様に、隠士の姿が脱げ落ちて、自然に、大長老の威儀が現れた。 身体には袈裟を纏い、手には托鉢用の鉢を持ち、まるで出家して、60余年の長老の様であった。 仏陀は、ただ口頭で、 ”Ehi bhikkhu” という、最初の偈頌を…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-3)(私家版)

隠士コーンダンニャと、その他の8億4000万の天神、梵天神は、開示をば、心を込めて聞いて、その後に証悟した。 その後、彼は、仏陀の面前に来て、出家してかつ具足戒を受けたい旨、申し出た(upasampadā)。 如来は、口をついて以下の様に言った: ”Ehi bhi…