Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2021-01-01から1年間の記事一覧

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(5-3)(私家版)

この種の書籍の欠乏を理解した為、我々は、要請を許諾して、本書 <『教海覚舟』(教えの海悟りの舟)ーー 上座部出家律儀要略>(Shāsanāvataraṇaya) を編纂(翻訳)して、如来の制定したサーマネラ戒律及び関連する諸々の、仏法の内容を、詳細に記述する…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(5-2)(私家版)

出家の第一歩は、先にサーマネラ(sāmaṇera、 古訳:沙弥)戒を受けて、聖教の初歩段階に進む事である。 サーマネラの戒律に関する仏法関係の書籍が欠乏しており、サ-マネラの(守るべき)戒条、及び、その正確な行持に関連する知識への理解の欠乏により、…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(5-1)(私家版)

前書 大悲仏陀、世尊、円満者(古訳:如来)、無上正覚者、彼は、信あり智ある者の帰依処として、教法(パーリ語: Sā sana)を創立し、彼らをして、仏法の修習を通して、生死輪廻の苦を解脱する事が出来る様にした; 同時に、仏陀の創設した教法は、天神と…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(4-5)(私家版)

比丘の四種類の畏怖・・・輪廻・・・ 世間的欲楽の過患・・・蓮根本生・・・ 仏陀の遺産・・・聖典法・・・ 不退法(Aparihāniya Dhamma)--福利の条件・・・ その他7種類(増勝)の不退法・・・ 庇護者の法(有益な諸縁)・・・ 慈悲の品徳・・・帝思長老…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-84)(私家版)

(中国語原文P 55) 3、欲界唯作心(8) 欲界唯作心は8個ある。唯作心は、業をなす事と関係がない。純粋にただ、行為のみに限定される。故に、この種の心は、阿羅漢に属する所の、心であると言える。阿羅漢とは、正等正覚仏陀とパーチェカ仏を含む。この事…

般若の独り言~寂聴さんの説法

先日、天台宗の尼僧さんである寂聴さんが亡くなられました。それを受けて、ある日の(老人の)集まりで、 Aさん(女性)「私は、寂聴さんの事、嫌い」 Bさん(男性)「俺も。生き方が何だか・・・」 私「私は、好きも嫌いもないです。 会った事がないので、…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-83)(私家版)

8個の欲界果報心と、8個の欲界善心は、文字で書くと全く同じであるが、しかし、この8個は果報心であって、善心ではない。 それは、8個の欲界善心が齎した所の、果報なのである。 例えば: 一番目の、悦具智相応無行一心が、一番目の悦具相応無行一心果報心を…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-82)(私家版)

2、欲界果報心(8) 8種類の欲界果報心: 1、悦具智相応無行一心。 2、悦具智相応有行一心。 3、悦具智不相応無行一心。 4、悦具智不相応有行一心。 5、捨具智相応無行一心。 6、捨具智相応有行一心。 7、捨具智不相応無行一心。 8、捨具智不相応有行一心。 …

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-81)(私家版) 

8大善心の二番目は、悦智相応有行一心であるが、これもまた、三個の因がある; すなわち、無貪・無瞋・無痴である。 三番目は、悦具智不相応無行一心である。智不相応は、智慧のない事(智慧とは無痴の事である)を意味しており、故に因は二個となる: すな…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-80)(私家版)

善心の受には、二種類ある: 悦具と捨具である。 8大善心の中の四個は、智と相応する(心で)、四個は、智とは不相応(の心)である。 智と相応する心には、三種類の因が存在するーー すなわち、無貪・無瞋・無痴である。 8大善心の一つ目は、悦具智相応無行…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(4-4)(私家版)

僧俗関係・・・ 法を説くときの注意点・・・ 比丘が接触してはいけない人・・・女性との往来・・・ 聖種の法(Ariyavaṃsa Dhamma)・・・ 頭陀行・・・ 常乞食支(Piṇḍapātikaṅga)・・・ 一座食支(Ekāsanikaṅga)・・・ 一鉢食支(Pattapiṇḍikaṅga)・・・…

文責表示等を省略します

私のブログ、仏教書の翻訳文を楽しみに、 覗きに来て頂いている、読者の皆様へ これまで、20年間、私の得意な中国語を生かして、仏教書の、日本語への翻訳を実践してきました。 それを、hatenaブログで、公開します時、基本的には、 一ページ毎に 【★句読点…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(4-3)(私家版)

四護衛禅・・・ 1、仏随念の修習・・・2、慈心の修習・・・ 3、不浄の修習・・・4、死随念の修習・・・ 従順・・・ シャーリプトラ大長老・・・”応説者”尼格羅達・・・ 尊師・・・ 謙遜・・・謙虚なシャーリプトラ大長老・・・ 忍耐・・・ 本那長者・・・比…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(4-2)(私家版)

サーマネラ十戒・・・ 10種類の滅擯事・・・ 10種類の処罰事・・・ 着衣・・・ 着衣に関する知識・・・ 袈裟の寸法・・・ 袈裟に使用される布地・・・ 袈裟の色彩・・・ 腰帯・・・ 托鉢行儀・・・ 入村行儀・・・ 説法行儀・・・ 厠(かわや/便所。以下同様)…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(4-1)(私家版)

目次 中国語版序説・・・ⅰ 中国語翻訳序・・・ⅲ はじめに・・・(ページ数未定。以下同様) 聖教に入る門・・・ 在家の楽と出家の楽・・・ 出家とは・・・ 剃髪得度にふさわしくない人・・・ 剃髪得度師の資格・・・ 受戒の順序・・・戒師依止・・・三帰依・…

般若の独り言~ありのままでいいのだ?

先日、ある方とお話しをしていましたら、突然、 「サヤレーは、(止観の)修行・修行と、口うるさいですが、人間、ありのままではいけないのですか?」 と聞かれました。 私は、この様に答えました。 「例えば、まだ小学生、中学生くらいの子供が、一生懸命…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(3-4)(私家版)

翻訳:至賢光、易志行。 校正グループ:澄了尊者(Ven.Visuddhi)、 他 10 名(氏名略)。 最終稿:張氏。 装丁:孫氏。 編集:胡氏、汪氏。 (日本語版翻訳者=上記翻訳集団の氏名は、一部省略、または、姓のみ表記、とさせて頂きました) 最後に、この法…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(3-3)(私家版)

華人の僧衆が、遠く国土を離れて、異国に法を求める時、言語などの多くの障碍に出会う。 (我々)翻訳者集団は、更に多くの華人の読者を利益する為、という初心でもって、当該の書籍を翻訳した。 (その翻訳行為においては)偽物を取り除き、真実を残し、原…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-79)(私家版)

同じ様に、あなたが僧院に来た時、庭に多くの落ち葉があるのを見て、箒を持って、中捨の心で、庭を掃き始めたとしたなら、これは 「捨具智相応無行一心」である。 もし、あなたが、この作業は、己自身、やるべき仕事であると思ってはいるが、この種の作業は…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-78)(私家版)

本日、もし、あなた方が、経(説法)を聞きに来たものの、それがただ、一体《アビダンマ論》というものは、どの様なものであるのか、ただの見学または、または、ただ聞いてみるだけであって、経を聞くのは善業である事、を知らない(その心)は、智と不相応…

般若の独り言~君はUFOを見たか

本日のWEB上に、アメリカ防総省が、UFOの調査を行う為の機関(グループ)を新設する、というニュースが、ありました。 私は、UFOを、見た事がありますよ。 タイ・カンチャナブリの森林僧院で修行していた時(もう40年も前です)、その真夜中。 目を瞑って安…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(3-2)(私家版)

本書の原書は、シンハラ語で書かれており、その中国語訳は、英語版から訳出されたものである。 何度も翻訳を繰り返している内に、内容にズレが生じるという問題に配慮して、経文の部分に関して、中国語訳者は、パーリ語から、中国語に直接、訳すという手法を…

般若の独り言~虹君は天然パーマ

虹君(保護犬。2歳半)が我が精舎に来てから、2か月半が経ちました。 トイ・プードルの虹君、漆黒の被毛で天然パーマ、とってもクール、恰好いいです・・・ (それに比べて、私は坊主頭。晩秋の今、頭部がスースーして、寒いです~笑)。 ものの本によります…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(3-1)(私家版)

中訳序説 本書の著者レルカーネ・月無垢大長老は、スリランカ上座部仏教の、徳高く、人望篤い、精神的指導者である。 本書は、龍樹林サンガのサーマネラ予備班(その構成員は”紅衣”と呼ぶ)の学習教材であり、また、スリランカ国の僧衆がほぼ、全員、一冊づ…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-77)(私家版)

6、捨具智相応有行一心: 友人の励ましを受けて、中捨の心でもって布施を行う。これは善業であることは知っており、因果の智慧は擁している。 7、捨具智不相応無行一心: 因果を理解しないが、しかし、自発的に善をおこなう事ができる。因果の概念がないが故…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-76)(私家版)

上等布施は、上等の果報を齎す事ができる。 中等布施は、中等の果報を齎す事ができる。 下等布施は、下等の果報を齎す。 故に善をおこなう時、必ず、歓喜を伴う様にする。 たとえ、嬉しくはなくても、己自身に、少しでも喜ぶ様に教え励まさなければならない…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(2-6)(私家版)

この翻訳事業に参加したすべての人々、校閲に携わった仏子の方々、すべての読者及び出版(資金布施)に関わった者、及び、この書籍を元に、教導・修行を実践する僧俗の二衆、そして、この本の作者ーー高貴なるレルカーネ・月無垢大長老と共に、皆、殊勝なる…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(2-5)(私家版)

多くの、英語に堪能な華人の読者は、すでに、英語版から多くの利益を獲得している事を鑑みて、我々は、特別に、マレーシアの法錦尊者(Ven.Dhammasiri)に、この書籍を中文に翻訳して頂く様、依頼した。 しかし、尊者がお忙しい為、中国国籍の尼僧至賢光(S…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(2-4)(私家版)

『教海覚舟ー上座部出家律儀要略(Shāsanāvataraṇaya)<注1>は、大長老の生涯における、重要な著作の一である。 それは、読者に対して、教法に参入した後、如何にして、解脱の道を求めるのか、という指導をするものである。 剃髪得度し、出家した沙門、僧…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(2-3)(私家版)

スリランカの レルカーネ・月無垢大長老 (Rerukāne Candavimala Mahā Thero)は、 将に、この様な、一人の傑出した実践者であり、一人の護法の使者である。 大長老は、Rerukāne の村に生まれ、幼くして出家し、スリランカと緬甸(ミャンマー)の二か国にお…