南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

雑談

是誰庵のひとやすみ~印可・印証は必要か?

我々仏道の修行をする者の内に、自分の指導者から「よし、それでこそ私の弟子だ」「私が印可・印証しよう」と言われるのを喜ぶ人が、一部において存在するようだ (中国禅宗慧能禅師の衣鉢伝承物語の影響か?)。 通常、禅の指導者は印可・印証はしない。 パ…

是誰庵のひとやすみ~「此是道汝応修」(翻訳番外編)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> マレーシアから「此是道汝応修」という本が届きました。 著者はアチャン・チャーのお弟子さん、アチャン・タン。 その中にとてもよい問答を見つけましたので、翻訳(番外編)してお送りします。 問:アチャン・タ…

是誰庵のひとやすみ~ラべリングは有効か

もう20年前かそれ以上前、日本にテーラワーダ旋風が吹き荒れました。 スリランカの某長老が、マハーシ瞑想法を紹介して、これまで禅宗の座禅で上手く行かなかった人、念仏は迷信みたいで嫌だという人たちの心を引き付けたのです。 では、マハーシ瞑想は何を…

是誰庵のひとやすみ~ vipassanā とは何か?

緬甸(ミャンマー)のパオ僧院の長パオ・セヤドーが教える、いわゆるパオ・メソッド(ご本人はこう言われるのを嫌っています)が、瞑想好きの人々に人気があるのは、 似相(nimittaの光)が見えるようになると vipassanā という名の、観照の修行ができるよう…

是誰庵のひとやすみ~一人ぼっちの仏教徒

今、私は「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」(原題「南伝仏教在家居士須知」)という、台湾のテーラワーダ比丘の著書の翻訳を始めました。 その最初の文章、いきなり<三帰依文>です。 仏教徒になって仏陀、ダンマ(仏法)、サンガに帰依し…

是誰庵のひとやすみ~起心動念

<マハーカルナー法友会>の解散事件からこのかた、心が少々ザワザワします。 そろそろ修行に戻りましょうか。 みなさん法話を聞く場所がなくなっても、座禅・瞑想する場所がなくなっても、修行はできます。 己の五蘊が法であり、己の身・心が、修行の場なの…

テーラワーダ比丘の戒律ーお金とカードの取り扱いについて

ブログの読者の方から「テーラワーダの比丘は、カードで買い物をしていいのですか?」という質問を頂きました。 私はテーラワーダの女性出家者で、sayalayという身分で日本で庵を結び、戒律は、8戒を受けています(パオ本山にいた時は、10戒)。 通常、出家…

是誰庵のひとやすみ~台湾僧侶の予言

もう40年程前でしょうか。 私が仕事(中国語通訳)で台湾に滞在した折、台北の本屋さんで『阿含正見』という本を見つけました。 著者は釈従信、比丘です(大乗のお寺を出て、ご自分の精舎をお持ち、とのことでした)。 この本を読んで感動した私は、従信師に…

是誰庵のひとやすみ~法施は楽しい

私の楽しみは、仏教書を翻訳して、ブログで公開する事。 英語は苦手ですが、中国語は得意ですので、中国語の仏教書(大乗のでなくて、テーラワーダのもの)を日本語に翻訳するのが、私の楽しみ、私の日課。 今手元にある本、パオ・セヤドーの著作は、何冊も…

是誰庵のひとやすみ~傲慢な仏教徒

ゴータマ仏陀の教えた仏法は、大変な価値を持っていると思います。 一たび四聖諦を知り(本当にその本質を知るには、修行しなければなりませんが)、八聖道を実践していくと、なんだか未来が明るくなったような気がします。 しかし、だからと言って、他の宗…

是誰庵のひとやすみ~パーリ語オタク

戦後の日本の仏教界、僧侶が頼りないので、みなさん困っていた所へ、世界は、原始仏教(根本仏教、パーリ仏教、テーラワーダ仏教)が大流行り・・・ベトナム戦争でタイに駐屯していたアメリカ兵が、休暇に母国に戻らず、タイのお寺に行って修行し、その後、…

是誰庵のひとやすみ~凛々として

2011年に東関東・福島大地震が起き、東電の原子力発電所が暴発し、廃墟と化しました。 私はそれ以前に、通訳随行員として、女川原発を視察した事が有り、施設内部を見、職員の説明を聞いた結果、原子力発電にはよい印象を持っていませんでした。 そのため、…

是誰庵のひとやすみ~白菊会

昨日は、某大学医学部白菊会(献体関連の、大学の外郭団体)の合同慰霊祭があり、お招きがあったので、行ってきました。 私は献体登録をして、もう30年くらいになります。 20年前に、子宮がんを手術した時は「もう献体できないのか?」と思いましたが、その…

是誰庵のひとやすみ~Simple is best 続き

昨日のブログ<是誰庵のひとやすみ~尼僧認定>では、 <Simple is best>で終わりましたが、実は<Simple is happy>とも言えます。 まず基本は、今、ある種の問題が目の前にあるとして、それをそれ以上、複雑にしてはいけない、という事です。 問題の本質…

是誰庵のひとやすみ~尼僧認定

私は、Y盆地にある、某温泉施設の<歩くプール>で、水中運動するのが日課です(歩くプールは、持病の浮腫に、とても効きます)。 ここは、<歩くプール>の他、内風呂も露天風呂も付属しているので、自庵でお風呂を沸かさなくて済み、とても助かっています…

是誰庵のひとやすみ~アチャン・ネンについて

今日から翻訳が始まりました「身念処」は、タイのアチャン・ネンの作品です。 私は翻訳を始める時決して、目的の本を、最後まで読む・・・という事はしません。 中ほどに、難しい表現が出て来ると、萎縮してしまいますので、中身は確認しないまま、「エイヤ…

是誰庵の一休み~「メーチ・ケーウの物語」翻訳完了

「メーチ・ケーウの物語」の翻訳が、本日(10月7日)、完了しました。 内容が面白くて、ついつい、パオ・セヤドーの「顕正法蔵」を、後回しにしてしまいました・・・^^;。 明日から「顕正法蔵」の翻訳を再開し、他に「身念処」(Vipassana Bhavana)とい…

是誰庵のひとやすみ~心の苦痛

「メーチ・ケーウの物語」を翻訳していましたら、「心は苦痛に満たされ・・・」というような語句が何度も出てきます。 本当にそうだなぁ、と思います。 先日、日課の水中運動に行ったとき、3人ほど、本当に久しぶりに出会った人がいて、一人ひとり挨拶して、…

是誰庵のひとやすみ~小心翼々

「メーチ・ケーウの物語」を翻訳していましたら、<小心翼々>という言葉に、出会いました。 <No6-7>の中にある文です。 「修行の道を歩む人は、<小心翼々であれ>」と、メーチ・ケーウは言うのです。 私たち仏教徒の内、本気で悟りたいと願っている人は…

是誰庵のひとやすみ~真我と涅槃

メーチ・ケーウ、悟りましたね、涅槃を! 原文で、P198の所で(笑)。 ほっとしました! メーチ・ケーウが涅槃を悟る場面の、その前後の辺りを翻訳していて、<真我無明>という言葉に出会いました。 真我というのは心が「私は真我である」と思っている以上…

是誰庵のひとやすみ~いよいよ涅槃?

今、毎日、「メーチ・ケーウの物語」を翻訳していますが、いよいよ佳境に入って参りました! 今日は、興に任せて、随分の量を、翻訳したようです。 きちんと数えてはいませんが・・・。 私は子供のころから仏教が好きでしたが、基本、独学です・・・仏教系大…

是誰庵のひとやすみ~残すは1/3

「メーチ・ケーウの物語」、翻訳している私、ドキドキ、ハラハラ、とても面白い伝記だな、と思います。 私の知り合いに、ある新興宗教団体に入っている人がいて、私も勧誘されたのですが、私は南伝仏教しか興味がないので、お断りしたことがあります。 彼女…

是誰庵のひとやすみ~仏縁

私は日本生まれの台湾人・・・バイリンガルなので、中国語の翻訳は得意です。 ただ、日本も同じ漢字圏、油断すると、とんでもない事に。 たとえば、手紙。日本語では手紙、中国語ではティッシュの事(知る人は知る、有名ですよね) たとえば、愛人。日本では…

是誰庵のひとやすみ~明鏡止水

先ほど、パオ・セヤドーの「顕正法蔵」(No.5-82)を翻訳していましたら、「明鏡止水」という言葉が出てきました。 私、68歳にして、ようやく、この言葉の本当の意味を知りました(イヤ、遅い!遅すぎる!けど、知らないよりは、よかったゾ!)。 我々の心臓…

是誰庵のひとやすみ~「掌中の葉」もうすぐ完訳

年末までに『掌中の葉』の翻訳を終わらせたいと、 頑張っていましたら、後、残すところ 3ページほど になりました(ちょっと頑張りすぎ?)。 あと 2、3日で、終了の予定です。 急ぎ翻訳しましたので「毎日更新されて、 ゆっくり読めん」とお嘆きの方、ご自…

是誰庵のひとやすみ~蕎麦の実から思う事

先日、水中運動に行きましたら、運動仲間のおばぁさんから「蕎麦の実が欲しい。インターネットで買えないか?」という相談を受けました。 どうやら TV の番組内で、蕎麦の実が体にいいと、宣伝されたようです。 庵に帰って、調べてみましたが、某通販会社で…

是誰庵のひとやすみ~翻訳の進捗予定

当翻訳文閲覧の皆様へ 「顕正法蔵」(パオ・セヤドー著)と「掌中の葉」(シッダッタ学院)の拙訳をお読み頂きまして、ありがとうございます。 気が向いた時に、二冊両方共翻訳したり、片方だけを翻訳したりしております。 ほぼ毎日、最低一回は翻訳していま…

是誰庵のひとやすみ~花鳥風月

子供のころ、日本や中国の禅僧が、ひなびた田舎の陋屋に住んで、花鳥風月を愛で、己の境地を詩文にして認めているのを読んで、ちょっとした反発心を持ち、また、不思議にも思っていました。 それって現実逃避じゃないの?花鳥風月を愛でたって、世の中、ちっ…

是誰庵のひとやすみ~瞬間的存在

昨16日の<是誰庵のひとやすみ>に、「口中有斧」という題で、雑感を書きました。 そこで、ゴータマ仏陀は「『私は侮られた』と怒る者は愚か者である」と言っている、とご紹介しました。 そして、人を侮る人間は、心が病んでいるのだから、相手にする事はな…

是誰庵のひとやすみ~口中有斧

きちんと記録したわけではないので、多少の記憶間違いがあるかもしれませんが、某大臣が「地震、津波の被害が東北でよかった」と失言して、失脚しましたね。 去年は熊本・大分地震があり、先日は福岡・大分豪雨がありました。 すると私に「(首都圏から)わ…