Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳『親知実見』#41-8

一名の男性禅修行者の識別 また別の多少異なる例を挙げる。 一人の男性の禅修行者が、臨終の名色法を識別している時、四種類の業が、我先に熟せんとして争っていた。 その中の一つは、仏典を教授する業、 二つ目は、仏法を指導する業、 三つ目は、禅修行の業…

般若の独り言~「愛」について

もう大分前のことですが、老人向け体操教室で、 ある女性から、この様な事を言われました 「どうして、仏教は〈愛〉という感情を否定するのですか?家族を愛するのは間違いですか?」 私は、答えに困り、返事をしませんでした。 大勢の人が集まっている体操…

翻訳『親知実見』#41‐7

《表1d:死亡と結生》 《中国語原文p300の<表1d> は、 <菩提樹文庫>管理人様に制作して頂き、 <菩提樹文庫>PDF版において、挿入、公開します。 当ブログでは、表の作成ができないため。。》 中国語原文p301 「表1d:死亡と結生」への更に一歩進んだ説明…

翻訳『親知実見』#41‐6

実例 一名の女性禅修行者による識別 更に明瞭に理解するために、我々は、一名の禅修行者が、どの様な現象を識別することができるのか、を例を挙げて説明する。 彼女が、臨終の時の名色法を識別している時、彼女は、一人の婦人が、仏教の出家僧侶に果物を供養…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#41-5

結生の因を探す時、あなたは、更に一歩進んで、後ろに向かって遡って行き、あなたの前世の臨終の時の名色法を見るか、または、臨終速行心(maraṇāsannna javana-citta)の所縁を見る。<注313>。 臨終速行心の所縁は、三種類の可能性がある: 1)業(kammma…

翻訳『親知実見』#41‐4

我々は、一つの例をあげて、説明する:蝋燭、花またはお香を仏像に供養し、比庫に生まれ変わりたいと発願した、というこの状況において: 1)無明とは、「比庫」が、真実に存在しているという錯覚。 2)愛とは、比庫としての生命を貪欲に求め、渇愛する事。 3…

翻訳『親知実見』#41-3

如何にして過去世を識別するか 過去を識別する為に、あなたは、先に、蝋燭、花またはお香仏塔または仏像に供養し、かつ、生まれ変わりに関する願いを発する。例えば、比庫、尼僧、男性、女性、天人など。 その後、あなたは、坐禅して、光が明瞭(明亮)で、…

翻訳『親知実見』#41-2

第五法 縁起の三輪転 縁起(paṭiccasamuppāda)は、12支<注309>を含む。 それらは、三輪転(vaṭṭa)に分けることができる。 それは、二個の因転輪(五因)と一個の果転輪(五果)<注310>である: 1)煩悩輪転(kilesavaṭṭa): ⅰ)無明(avijjā) ⅱ)愛…

翻訳『親知実見』41-1

第六講 如何にして縁起の連結を透視するか はじめに 前の法話では、我々は、如何にして名法(nāma)を識別するのか、について説明した。また、それ以前では、如何にして色法(rūpa)を識別するのか、についての説明をした。 もし、あなたが、すでに述べた所…

翻訳『親知実見』#40-1(290/446)

シリーズ<#40-1>は、中国語原文P 277~P290の脚注の翻訳です。 <注287>=ある種の人々は、「四禅八定」という言い方を好むが、しかし、これは不正確な言い方である。というのも、八定とは、四色界禅と四無色界禅であり、その中には、すでに、色界の四禅…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#39-15

問5-7:阿羅漢が般涅槃をする前、すべての善業も悪業も、熟しますか? 答5-7:すべての、ということは、無い。 有る種の善業、悪業は、熟して、果報を生じるかもしれない。 もし、それらがいまだ熟さないならば、果報を生じることはなく、無効業(ahodikamma…

翻訳『親知実見』#39-14

問4-6:セヤドーの教える修行方法は、唯一、解脱道に適用しますか?それとも、菩薩道にも適用しますか? 答4-6:二者共に適用できる。 前の法話で、我々は、釈迦牟尼仏が、いまだ菩薩であった時、9生は、出家して比庫になった<注304>ものである、と説明し…

翻訳『親知実見』#39-13

問5-5:解脱道(vimuttimagga)と菩薩道(仏陀になる道)<注303>を、同時に修行することは可能ですか?もし、可能であるならば、どの様な方法ですか? 答5-5:解脱(vimutti)とは、煩悩を断じ除く事、または生死輪廻を離れること、という意味を持っている…

翻訳『親知実見』#39-12

上記の事柄は、道果を証悟した後においては、菩薩になりたいと、心の意向を変更することはできない、という事を意味している。 これより外に、仏陀または阿羅漢の授記を得た後もまた、心の意向を変更することはできない。 しかし、ある種の人々は、未来まで…

翻訳『親知実見』#39-11

問5-4:(以下に列挙した質問を、まとめて回答する) ●仏陀の時代、菩薩は存在しましたか?もし存在したならば、何かの道果を証悟しましたか?または、彼は一人の凡夫(puthujjana)でしたか? ●なぜ、聖者(ariya)は、菩薩になれないのでしょうか? ●聖弟子…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#39-10

問5-3:生死輪廻(saṃsār)は無始無終です。 そして、衆生は、無量で無辺です。故に、曾て、我々の母親であった衆生もまた無量で無辺です。我々は、一切の衆生は、みな、かつて、我々の母親であった事を思惟することを通して、どの様にして、慈しみを修する…

翻訳『親知実見』#39-9

例えば、シャーリプトラ尊者は、約二週間の時間をかけて、禅の修習に励み、結果、阿羅漢道果を証悟した。 マハーモッガラーナ尊者は、僅か7日間であったが、バーヒヤダールチーリヤ(Bāhiya Dārucīriya)は、ただ、非常に短い、簡単な開示 ”Diṭṭhe diṭṭhamat…

翻訳『親知実見』39-8

これらはみな、究極名色法である。もし、禅修行者が、これらの究極名色法を見ることができたならば、彼は観の修習をして、これらの名色法の無常・苦・無我の本質を観照することができる。しかし、もし彼が、究極名色法を見ることができないのであれば、彼は…

翻訳『親知実見』#39-7

問5-2:理論でもって、無常・苦・無我を覚知するのと、禅定でもって、究極法(paramatthadhamma)を識別するのと、この二種類の方法の内、どちらの方が、比較的容易に、速く、涅槃を証悟しますか? 答5-2:無常とは何か? 無常とはすなわち、五蘊<注296>の事…

翻訳『親知実見』#39-6

阿羅漢は、涅槃果定に住する能力を擁するものの、しかし、彼らはやはり、滅定に住む傾向を持つ。 というのも、涅槃果定は、無為法を所縁としているものの、なお、「受」の名法が存在しているが故に。 しかし、滅定の中においては、僅かに残る行法は業生色、…

般若の独り言~楽しい天職

私の次男は、現在、四国の、とある山奥の田舎の村で仕事をしています。 本業はカメラマンですが、その村の、広報の様な仕事をしていて、でも、観光案内の為の写真やキャプションを書くのではなくて、その村に生きてきた人々の息遣いを書きたい、地道に生きて…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#39-5

不来者(Anāgāmi)と阿羅漢だけが、滅定に入ることができる。 阿羅漢に関しては、睡眠及び概念法を作意する以外において、彼が一日中、一昼夜、毎日、毎月、毎年見ているものは、名色及びその因の生・滅より他はなく、または壊滅をのみ見ているのである。<…

翻訳『親知実見』#39-4

禅定の三番目の利益は、神通(abhiññānisaṃsa)である: もし、世間神通、例えば: 宿住随念智(pubbenivāsānussatiabhiññā) 天眼通(dibbacakkhu)、 天耳通(dibbasota)、 他心通(paracitta vijānana)と 種々の神変(iddhividha)ーー飛行、水上歩行等…

翻訳『親知実見』#39-3

故に、禅定によって、観智は明晰、明瞭、強くて力のあるものになり、非常に良質な保護を得ることにもなる(事が分かる)。そして、観智は、ひるがえって、禅定の障礙になる煩悩を打ち壊すことができ、定力をして、安定せしめることができる。 止が観を保護し…

般若の独り言~クレマチスとカモメのジョナさん

クレマチス 右はカモメのジョナさん クレマチスが咲きました。 去年、これと似た、鈴型で、白色のクレマチス、下向きに、ヒッソリと咲くので、とても気に入っていたのですが、枯らしてしまいましたので、リベンジです。 どの植物もそうですが、水の遣り方が…