Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳『禅修指南』4‐30

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 結論 慈心観、仏随念、不浄観、死随念という、この四種類の修行の法門は、四護衛禅という。 というのも、それらは、禅の修行者を、保護する事が出来るが故に。 《Meghiya Sutta》(増支部・Aṅguttara Nikāya)の…

翻訳『禅修指南』4‐29

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 死随念(maraṇānussati) パーリ聖典の《大念処経Mahāsatipaṭṭhāna Sutta》と 《清浄道論Visuddhimagga》によると、死随念は、あなたが曾て、見たことのある死体を用いて、修行する事が出来る、という。 故に、あ…

翻訳『禅修指南』4‐28

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 不浄観(Asubha) もし、死体の不浄観を修行したいのであれば、あなたは再度、白遍または安般念を修行して、定力を第四禅にまで、上昇させておく。 禅定の光が清らかで、明るく輝く時、この光の支援の下、あなた…

翻訳『禅修指南』4‐27(50/520)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> この法門を修行する時、あなたは、この 5項目の定義を、よく記憶しておかねばならないし、また、それらをよく理解し、それらを、空で言える様にする。 その後、あなたは、白遍または安般念を修行して、第四禅に…

翻訳『禅修指南』4‐26

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> ここにおいて、仏陀の一番目の功徳(阿羅漢)によって、どの様にして、禅定の修行をするのかを、説明する。 《清浄道論》に基づくと、arahaṁ(阿羅漢)という、このパーリ語には、5種類の意味が、含まれている。 …

翻訳『禅修指南』4-25

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 上に述べた所の、経の説明は、以下の通り: 世尊は已に、煩悩を滅し除いており、尊敬に値する (arahaṁ、阿羅漢); 彼は已に、円満なる正覚を証悟した (sammāsambuddho、正遍知); 彼の智慧と徳行は、完璧に麗…

翻訳『禅修指南』4‐24

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 仏随念(Buddhānussati) この法門は、仏陀の、9種類の功徳を思惟する事を通して、修行するものである: 「Itipi so bhagavā arahaṁ sammāsambuddho vijjācarana sampanno sugato lokavidū anuttaro purisadammas…

翻訳『禅修指南』4‐23

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 慈心観、悲心観と喜心観の第三禅の支援の下、上に述べた様な方法でもって、その人(+を瞑想の対象として)修行するならば、久しからずして、あなたは、捨心観の第四禅に、到達する事ができる。 次に、あなたは、…

翻訳『禅修指南』4‐22

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 同じ方法を用いて、あなたの好きな人、あなたの好感も悪感も感じない人、あなたの嫌いな人に対して、随喜の心を育成した後、次にあなたは、あなた自身、もう一人の、あなたの好きな人、あなたの好感も悪感もない…

般若の独り言~庭の千草

今朝、起きて来て、すぐに庭に出てみました。まず、目につくのは、満開の、色とりどりのチューリップ。これは、誰でも咲かせることのできる、幼稚園での定番です(笑)。 桃の花は、すでに凋んでしまいましたが、今年は花を一杯つけました。実が採れるでしょ…

翻訳『禅修指南』4‐21

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《喜心観(Muditā‐Bhāvanā)》 喜心観(喜梵住)の修行をするならば、あなたは、あなたと同性の、生きていて、(+その人が)楽しく(+過ごしており)、また、あなたが非常に好きで、あなたと友好的な人、会うた…

翻訳『禅修指南』4‐20

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> この様に、何度も繰り返し修行して、初禅、第二禅、第三禅に入る様に修習し、かつ、一つ毎の禅において、五自在を完成させる。 その後、慈心観を修行したのと同じ様に、悲心観を修行する。 すなわち、あなたの好…

般若の独り言~五木寛之氏の「苦」

本日、IT の WEB 記事を読んでいましたら、五木寛之氏の文章に出会いました。 彼は、何時の頃からでしたか、龍谷大学で仏教の勉強をしていて、仏教に詳しい作家です。 その彼が、ゴータマ仏陀の説いた「苦」(dukkha)について説明しています。 仏陀の説いた…

翻訳『禅修指南』4‐19

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 《悲心観(karuṇā‐Bhāvanā)》 ひとたび、上に述べた様な、慈心観の修行が出来た後、悲心観(悲梵住)を修行する事は、あなたにとって、決して難しい事ではない。 悲心と憐憫の心を育成する為には、あなたは先に…

翻訳『禅修指南』4‐18

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 10種類の方向へ慈愛を遍満させる 10 の方向に慈愛を遍満させ、かつ、一つの方向につき、48種類の方式を用いるため、合計で480種類[48*10]の方式がある事になる。 その上に、上述した48種類を加えると、慈愛を…

翻訳『禅修指南』4‐17

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 1、一切の有情が、危難から免れる様に願う。 2、一切の有情が、精神的苦痛から免れる様に願う。 3、一切の有情が、身体的苦痛から免れる様に願う。 4、一切の有情が、己自身を尊重して、幸せである様に願う。…

翻訳『禅修指南』4‐16

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> この種の慈心観の修行をしようとする時、あなたは再度、禅定を、第四禅にまで、上げておかねばならない。 その後に、あなたは己自身に対して、及び、あなたの好きな人、あなたが好感も悪感もない人、あなたが嫌い…

翻訳『禅修指南』4‐15

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 七種類の限定的慈愛遍満の対象: 1、一切の女性(sabbā ittiyo) 2、一切の男性(sabbe purisā) 3、一切の聖者(sabbe ariyā) 4、一切の凡夫(sabbe anariyā) 5、一切の天神(sabbe devā) 6、一切の人…

翻訳『禅修指南』4-14

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 22種類の遍満 《無碍解道》では、22種類の、慈愛を遍満させる方法を紹介している: 〇五種類の限定のない遍満(anodhiso-pharaṇā); 〇七種類の限定的遍満(odhiso-pharaṇā); 〇10種類の方向への遍満(disā-ph…

翻訳『禅修指南』4‐13

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> あなたは、再度一から始める。 先に、短い時間、慈愛を、あなた自身に向ける。 しかし、今回は、あなたはもう一人の、あなたの好きな人、もう一人別の、あなたがその人に好感も悪感もない人、もう一人別の、あな…

般若の独り言~メタ仏法

本日、WEBでニュースを見ておりましたら、東京大学の 上野千鶴子名誉教授が、東大の新入生に、祝辞を述べた、とありました。 ジェンダー学を研究している上野教授なりの、パンチの利いたお話でしたが、彼女が最後の方で、こう言っています。 「東大生は、高…

般若の独り言~ヨニソ・マナシカーラ

先日、嫌な事件に巻き込まれまして、それで、プンプン怒っていたけれど、いつまで怒っていても仕方ない(4月10日<私は怒っている>参照)。 そろそろ、<如理作意>(ヨニソ・マナシカーラ)で行きましょうか。 私は、ゴータマ仏陀の教えを学ぶ中で覚えた、…

翻訳『禅修指南』4‐12

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> あなたはもう一度、安般念または白遍を通して、定力を、第四禅にまで高めておく。 禅定の光が強くて、非常に明るくなった時、短い時間、己自身へ慈愛を散布する。 それは、一分またはわずか数秒でよい。 その後に…

翻訳『禅修指南』4‐11

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 限界の突破(Sīmā sambheda) この様に、引き続き慈心観の修行をしていると、あなたは、あなたが敬愛する人と、親愛なる人への慈心が、同じものである事に気が付くであろう。 故に、あなたは彼らを一類のものに、…

般若の独り言~<菩提樹文庫>新しくなります!!

テーラワーダ関連の情報や文献の紹介、私が翻訳した仏教書(主にテーラワーダ関連のもので、中国語から日本語)を載せて頂いている<菩提樹文庫>が、新しく引っ越しします。 そしてそれを機に新しく、私の翻訳コーナーを設けて頂けることになりました。 《…

翻訳『禅修指南』4‐10

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> ここにおいて、あなたはすでに、慈心禅に、相当のレベルまで、熟練したと言える。 故に(+今では)、同様の方法を用いて、約 10人の、あなたが嫌っている人を対象に、修行する事ができる。 ただし、その人たちは…

般若の独り言~すべての事には時がある

すべての事には時がある・・・キリスト教の言葉ですね。 生まれるに時あり、死ぬに時あり、植えるに時あり、抜くに時あり・・・。 私は、30歳をいくつか過ぎた頃、日本の大乗仏教界に絶望して、いよいよテーラワーダの勉強をしたいと思った時、運よく、アー…

般若の独り言~私は怒っている

先日、ある事件が起きて、私は今、大変に怒っています。 ゴータマ仏陀がご覧になったら 「いや、いや、sayalay たるもの、そんなに怒ってはいけないよ」 とおっしゃるでしょうか。 きっと、そうおっしゃるでしょう。 確かに、有情の身・心が、素粒子(のよう…

翻訳『禅修指南』4-9

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> あなたが、あなたの敬愛する、一名の同性に対する修行に成功したならば、あなたはもう一人別の、あなたが敬愛する所の、同性の人物に対して、四種類の方式で修行する。 この様にして、約 10人くらいの、あなたが…

翻訳『禅修指南』4-8

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 上述の四種類の方式によって、その人に三回、または四回、慈愛を散布した後、その中の、己自身が一番好きな一つの形式を選択する・・・例えば「この善き人が困難・災難に遭わない事を願う」などで、その後、その…