Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳『親知実見』#23-3

あなたは、先に、外在の骨格の厭悪相を識別して、当該の相が安定して強固である様にし、かつ、骨格の白色が更に鮮明である様にする。 その後に、あなたは、厭悪の概念を「白、白」に転換して、白遍の修習とする。 もし、外在の骨格の白色を所縁として取ると…

翻訳『親知実見』#23-2

如何にして白遍を修習するか 経典の中において、四種類の色遍の中では、白遍が最もよい、と言う。 というのも、それは、心をして、清らかに、かつ明るくすることが出来るが故に。<注111> 故に、我々は、まず、如何にして白遍を修行するのかを話したいと思…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#23-1

如何にして十遍を修習するか 色遍 四種類の色が遍(kasiṇa)の修習に使用することができる:青、黄色、赤、白である。青(nīla)は、「黒色」、または「褐色」とも訳せる。 この四種類の色遍は、身体の異なる部分の色彩を相として取って修習することができる…

翻訳『親知実見』#22-12

五禅支が明晰な時、あなたは再度、内在する骨格を厭悪として専注しなければならない。 この様に、内在を一diṭṭhi、外在を一度という風に、交代して、何度も繰り返す。 この方法を用いて、骨格の厭悪相の修習が、強固で 安定していて、かつ完全に展開された後…

翻訳『親知実見』#22-11

アビダンマの義注のよる解釈では、骨格厭悪相によって初禅を証得した人は、引き続き初禅の五自在を練習しなければならない。その後、禅修行者己自身から最も近い衆生を選ぶが、最もよいのは、彼の面前に座っている人である。 禅定の光によって、当該の人物の…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#22-10

一つ問題がある:骨格の厭悪相を所縁としていながら、なぜ、喜と楽が生じるのか? 答えは:あなたが専注しているのは厭悪相であり、また、実際に、それが真実、非常に厭悪であることを体験しているのではあるが、しかし、それでも尚、喜が生じるのは、あなた…

翻訳『親知実見』#22-9

骨格の厭悪似相に専注する事を通して、初禅を証得することができる。初禅には以下の様に五禅支がある: 1)尋(vitakka):心をして、骨格の厭悪似相に導き、かつ安置せしめる。 2)伺(vicāra):心をして骨格厭悪似相において、維持せしめるの。 3)喜(pī…

翻訳『親知実見』#22-8

入出息第四禅の定力の力と推進力によって、あなたは、この種の業処もまた、重厚で、かつ完全に安定している事を知り、それはまた、厭悪に対する覚知と智慧を生じせしめ、(生じた後、それを)維持し育成することができる事を発見するであろう。 一たび、骨格…

翻訳『親知実見』#22-7

如何にして白骨想を修習するか 厭悪作意(paṭikkhūla-manasikāra)を修習するために、あなたは、32身分のすべてを所縁として取る事も出来るし、また、身分のある一部分だけを所縁として取る事もできる。 我々は、32身分の一つである所の、白骨を例にして、如…

翻訳『親知実見』#22-6

涅槃の三門 今ここにおいて、我々は、涅槃の三門について話したいと思う。《大念処經》の中において、仏陀は、四念処は涅槃への唯一の道(一行道)であると指導した(D.2.373;M.1.106)。 義注では、更に一歩進んで、三つの門が涅槃の道へと続いているが、そ…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#22-5

あなたがこの様に、内外(の身分を対象にして)識別する時、禅定の力は強化される。 その後に、漸次、識別の範囲を、近くから遠くへと、拡大する。 あなたは、遠方の衆生を識別できないのではないか、と心配する必要はない。 明るく輝く第四禅の光を運用して…

翻訳『親知実見』#22-4

次に、目をつぶったまま、あなたは、禅定の光を運用して、あなたから最も近くにいる衆生の識別にチャレンジする。 最もよいのは、あなたの目の前にいる人である。 その人、または衆生の32身分を、頭髪から尿まで、または尿から頭髪までを、識別する。 この順…

翻訳『親知実見』#22-3

上述の順序で識別するが、一回に一個を識別する事。 明るい鏡の中の己自身の顔を照見しているが如くに、一つ一つの部分を明晰にはっきりと識別する事。 この様に修行する時、もし、禅定の光が暗くて淡いならば、識別している身体もまた不鮮明になる。この時…

翻訳『親知実見』#22-2

如何にして32身分を修習するか もし、32身分を修習したいと思うならば、あなたは先に再度復習として、入出息第四禅に入り、禅定の光を輝かせ、明るくかつ燦爛とさせなければならない。 その後で、この種の禅定の光を利用して、身体の32個の部分を逐一、識別…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#22-1

第二講 如何にしてその他の業処によって安止定を育成するか 前回の法話の中において、我々は、如何にして入出息念を修習して、第四禅を証得するところまで到達するのかということと、如何にして五自在を練習するのかを討論し、また、禅定の光が輝き、明るく…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #21-1

<#21>シリーズは、中国語原文<p92~P 101>の 脚注の翻訳。 <注103>=如何にして息を平静にするかの詳細な研究は、P72を参照の事。 <注104>=慈心の修習:パーリ語では、mettābhāvanā。北伝仏教では「慈心観」と訳されているが、しかし、上座部仏教で…

翻訳『親知実見』#20-14

五番目の蓋は疑(vicikicchā)である、すなわち、以下の八項目を疑うこと: 1)仏。2)法。3)僧。 4)戒・定・慧の三学。 5)過去の五蘊(khandhā)、過去生。 6)未来の五蘊、来世。 7)過去と未来の五蘊、すなわち、過去生と来世の両者。 8)縁起(paṭicc…

翻訳『親知実見』#20-13

二番目の蓋は、瞋恚(byāpāda)であり、それは、人または物への憎悪、怨恨または不満である。 例えば、あなたの傍にいる修行者が、座席に座る時、袈裟がガサガサと音を立てたならば、あなたは怒りに満ちて以下の様に考える: 「フン、彼はなぜ、こんなに大き…

般若の独り言~天狗の高転び

私は TV を見ないので、昨今の芸能関係の状況に疎いのですが・・・ITのニュースを見ていますと、[天狗の高転び](注1)という言葉を見つけました、私には初めて聞く言葉です。 私は、30歳すぎる頃に、縁あってタイの森林僧院に出向いて、原始仏教(テーラ…

翻訳『親知実見』#20-12

(今回の問答の最後に、パオ・セヤドーは五蓋(五種類の障礙)に関して、以下の様な補充を行った。) 今、我々は、簡単に、五蓋(nīvarana)について検討してみたいと思う。 1)欲貪(Kāmacchanda) 2)瞋恚(byāpāda) 3)昏沈睡眠(thīna-middha) 4)掉挙後…

翻訳『親知実見』#20-11

16観智とは: 1)名色限定智(Nāmarūpapapariccheda-ñāṇa) 2)縁摂受智(Paccayapariggaha-ñāṇa) 3)思惟智(Sammasana-ñāṇa) 4)生滅智(Udayabyaya-ñāṇa) 5)壊滅智(Bhaṅga-ñāṇa) 6)畏怖智(Bhaya-ñāṇa) 7)過患智(Adīnava-ñāṇa) 8)厭離智(Nib…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#20-10

問1-5: 七清浄と16観智とは何ですか? 答1-5: 七清浄とは: 1)戒清浄(Sīla-visuddhi) 2)心清浄(Citta-visuddhi) 3)見清浄(diṭṭhi-visuddhi) 4)度疑清浄(Kaṅkhāvitaraṇa-visuddhi) 5)道非道智見清浄(Maggāmaggañāṇa-visuddhi) 6)行道智見清浄…

翻訳『親知実見』#20-9

問1-4: (入出息)禅相はどこから来ますか?何に依って生起しますか? 答1-4: 心処に依存して生起した大部分の心識は、みな、呼吸を生じせしめる。真正の入出息禅相は、呼吸による。しかし、どの種類の心もが、禅相を生じせしめる、という事ではなく、唯一、…

翻訳『親知実見』#20-8

(答1-3の続き) 4)所縁密集(ārammaṇa ghana):上述の三種類の密集を透視した後、人々はなお、「『私』が究極名色法を見た」とか、「『認知の出来る私』が究極名色法を見た」<注108>と言うかもしれない。 この種の錯覚を打ち破る為に、三種類の密集を透…

翻訳『親知実見』#20-7

(答1-3の続き) 2)構成密集(samūha ghana):心理現象が、一個の、構成された全体のものに見える為、人々は、「純意識」が対象を識知しているのだと思い、かつ、それを彼の「自我」であると思ってしまうのである。 この種の錯覚を打ち破るために、我々は…