南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

般若の独り言~唯識論

本日、『親知実見』を翻訳していて、思わず声を出して、笑ってしまいました。 中国語本文 P206に 「所有 各類別 法 皆 可 只被 意門速行 識知」 とあります。 日本語に翻訳しますと、 「すべての、色々な、各種類の法は、みな、唯一、意門速行によってのみ、…

翻訳『親知実見』#33-33

如何にして味を識別するか 味(rasa)は、七番目に識別しなければならない色法である。それは味覚の所縁(rasārammṇa)であって、他と同じく、すべての色聚の中において、存在している。 香を識別するのと同じ様に、修習の初めには、あなたは、舌識の支援を…

翻訳『親知実見』#33-32(206/446)

如何にして色彩を識別するか 色彩(vaṇṇa)は、五番目の識別されなければならない色法である。それは、視覚の所縁(rūparammaṇa)であって、すべての色聚の中において、存在している。 それは意識によって、非常に容易に単独に、識知される。 というのも、色…

翻訳『親知実見』#33-31

アビダンマの義註《去除愚痴》の中において、以下の様に言う:<注191> ”Sabbopi panesa pabhedo manodvārikajavaneyeva labbhati.” 「すべての各種類の法は、皆、唯一、意門速行(javana)<注192>によってのみ、認識、識知されえる」 一粒の色聚の中の地…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #33-30

上に述べた事柄は、我々が、パオ禅林(パオ森林僧院)において教導している所の順序であるーー諸界を逐一識別する事。 経典において、同時にすべての諸界を識別しなければならない、と述べているが、しかし、それらの作者は、熟練した禅修行者であり、対象と…

翻訳『親知実見』#33-29

もし、色聚が極めて快速に生・滅するのが原因で、あなたには、単一の、一粒の色聚の中の四界を識別することができないのであれば、あなたは、それらの生・滅を無視するのがよい。それはちょうど、あなたが会いたくない人に出会った時に、彼がそこにいない風…

翻訳『親知実見』#33-28

明浄色聚と非明浄色聚 色聚は二種類に分類することができる: 名浄色と非明浄色である。五種類(眼浄色、耳浄色、鼻浄色、舌浄色、または身浄色)の内の一つが含まれる色聚を明浄色聚といい、その他の色聚は、非明浄となる。 如何にして色聚を分析するか 如…

翻訳『親知実見』#33-27

如何にして色聚を見るか 引き続き、透明の身体の塊(または塊)の中の四界を識別し続けるならば、それは燦爛として発光する様になる。あなたがその透明の身体の塊(または塊)の中の四界を、少なくとも半時間、継続して専注する事ができるならば、それはすで…

般若の独り言~美しい年寄り

今朝早く、PC上のニュースを読んでいましたら、池口恵観という僧侶(鹿児島の真言宗寺院の住職さん、有名人らしい)の方が、『ダンマパダ』を引用して、人としてのあり方、心の磨き方を説いていました。 【人生は生・老・病・死、無常・苦・無我であるから、…

翻訳『親知実見』#33-26

如何にして究極色法を見るか 身体の透明な塊の如くの状態にあるを見る 四界差別を通して、引き続き定力を育成し、かつ、近行定(upacāra samādhi)に向かう時、あなたは異なる種類の光を見るであろう。有る種の禅修行者について言えば、その光は灰色をしてい…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #33-25

定力を育成する10種類の善き方法 《清浄之道》の復注では、今(この段階において)、10種類の方法によって、定力を育成することができるという<注180>。 あなたは四界を識別しなければならない: 1)順序よく(anupubbato):仏陀の教導した順序ー地、水、…

翻訳『親知実見』#33-24

全身における12種類の特徴を識別することに熟練し、かつ、12種類の特徴もまた、非常に明晰である時、あなたは、前の六個の特徴を地界として、その後の二個を水界、その後の二個を火界、最後の二個を風界として、それらを、同時に識別しなければならない。あ…

翻訳『親知実見』#33-23

頭から足先までの、全身において、12個のすべての特徴を明確に識別する事が出来る様であれば、あなたは、この順序に従って、それらを繰り返し識別しなければならない。満足を得た後、あなたは、(この修習を)始めたばかりの時にアドバイスした所の順序によ…

翻訳『親知実見』#33-22

前に述べた10種類の特徴は、みな、触覚を通して、直接感知することができるが、しかし、最後の流動性と粘着性という、この二種類の特徴は、そのほかの10種類の特徴から推測・断定したものである。これが、この二種類を最後に教える理由である。 11)粘着性:…

般若の独り言~言語道断とは何か

皆様は 『言語道断』 という言葉を聞く時、その意味をどういう風に受け取られますか? 私が若い頃に、日本語で書かれた小説を読んでいて、この言葉が出てくるのは、たいていは、主人公が非常に怒っていて、一言も言葉を発せないほどだ、という場面に使われる…

般若の独り言~二元論を超えて

先日、年寄りの集まりでの事。 あと何年かしたら、目出度く100歳になろうかという お婆さんが、 「私は色が黒くて恥ずかしい」 と言うのです。 この人は、農家の方で、若い頃からずっと、外で仕事をしてきたわけですから、日に焼けて、お顔が黒いのも、当…

PC買い換えます

読者の皆様へ 長年使用して来ましたPCの調子が悪く(しばしば画面がフリーズする)、新しいPCの、買い替えを計画しています(5月中の予定)。 それまでは時々、翻訳文がUP出来なかったり、コメントのお返事ができない時があるかと思います。 ご寛恕のほど、…

般若の独り言~花祭りと平和への祈り

昨日17日(土)は、近所の禅寺で お釈迦様の誕生を祝う <花まつり> がありました。 私は若い頃より、タイや緬甸で仏教の勉強をして、日本の お寺さんには余り縁がないのですが、昨日は、知人 (Aさん、ミャンマー人女性)のお誘いを受けて、禅寺の <花まつり…

翻訳『親知実見』#33-21

6)軟らかさ:柔らかさを識別する為に、舌でもって、唇の内側を軽く押してみて、その軟らかさを感じ取り、その後に全身をリラックスさせる。あなたが、全身の各所において、容易に軟らかさを識別できる様になるまで、系統的に修習する。 その後に、全身の推…

rzsr様コメントへの回答ー2

rzsr様の 「縁起」、「名色分別」の修行とは何か? というご質問にお答えします。 「縁起」の修行は、己自身の過去世を振り返って確認する修行です。 その前に、サマタ(止禅)の修行をして、初禅(またはそれ以上、四禅を証得していると、なお良い)を…

rzsr様コメントへの回答―1

rzsr様、本日、過去のブログ(2019年4月28日のブログ)にコメントを頂き、ありがとうございます。 (現在、パソコンの調子が悪く、私の回答が尻切れトンボになる場合がありましたら、ご容赦さい。 新しいパソコンを準備中ですので、新調なり次第、回答を…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #33-20

4 )重さ:重さを識別する為に、あなたは、膝の上に、手を置き、その上にもう一つの手を重ねて、上においた手の重さを感じる様にする。 または、頭を前方に垂れて、頭の重さを感じる様にする。 全身の各所すべてにおいて、重さを感じる事が出来る様になるま…

翻訳『親知実見』#33-19

2)硬さ:硬さを識別する為に、あなたは歯を咬みしめてみて、その後に、(顎を)緩めて、それらの硬さを感じてみる。 硬さを感じた後、頭から足先までにおいて、系統的に、全身の各所において硬さを識別する様、チャレンジする。 この方法は、推進性を識別す…

翻訳『親知実見』#33-18

如何にして12の特徴を識別するのか 1)推進性:推進性を識別する為に、あなたは、触覚を通して、呼吸する時の頭部中央の推進を感知することができる。それを識別した後、心の中で、それが明晰、明瞭になるまで、それに専注する。次に、注意力を近くの身体の…

翻訳『親知実見』#33-17

また、如法に、(シャーリプトラ長老が)述べた様に、身体の四個の部分、四界の中において、如何なる有情も存在しない、という事を示しており、それはすなわち、『骨を縁にして、腱を縁にして、肉を縁にして、皮を縁にして包まれた所の空間をこそ色(rūpa)…

般若の独り言~心で聞く

[用你的”心”来聴聞仏法、 而不是用你的耳朶。(阿姜査)] 仏法は、あなたの心でもって聞きなさい、 仏法は、あなたの耳で聞くものではないのです。 (『何来阿姜査』 (アチャン・チャーはどこから?)P 32) 仏法は”心”で聞くべし・・・ 最近、つくづく、…

翻訳『親知実見』#33-16

如何にして四界差別を修習するか パーリ聖典には、二種類の四界差別の修習方法が書かれている:簡略法と詳細法である。 簡略法は、智慧の鋭い者に適し、簡略法の修習に困難を覚える者は、詳細法を選ぶことができる。 仏陀は《大念処經》の中において教導した…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #33-15

観の修習の始め 今、あなたは、正式に観の修習をしている、とは言えない。しかし、我々は、これは観の修習の始まりである、と言える。というのも、四界差別の修行を終えた後、あなたは究極色法を識別する能力を育て上げたからであり、そして、これは観の修習…

翻訳『親知実見』#33-14

一日の内に食べた食物、その食素は、この様にして、新しい色聚を、7日の長きにおいて、生じせしめることができる。ただし、具体的にどれほどの代、生じせしめることができるのかは、食物の品質による。天界の食素は最も殊勝であり、この様にして、生じる色聚…

翻訳『親知実見』#33-13(189/446)

食生色 食生色(āhāraja rūpa)もまた、八法聚によって構成されている。それらの食素は、食生食素(āhāra ojā)に属し、我々が食用としている食物と飲料において生じる。 食器の中の食物、消化器観管道の中の食物(口中の食物、食のみ込んだばかりの、胃の中…