Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-31)(私家版)

6、名法命根(jivitindriya) 一切の、相応する名法は、みな、名法命根によって、初めて、生命を維持する事ができる。 その特徴は、相応する名法の生命を維持するものであって、ちょうど、水が、蓮の花の生命を維持するのと同じである。 いわゆる相応する名…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-30)(私家版)

5、一境性(ekaggatā) 特徴は、不散乱。 作用は、相応法を統一する事。 すなわち、すべての相応法を、目標に集中させる事。 現起(現象)は、平静。一境性が高められた時、それはすなわち、正定になるし、また、禅支の中の一境性にもなる。 一境性は、善であ…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(14-4)(私家版)

子音(ṃ、ṁ)(すなわち、中国語の”ng”)の発音は、非常に難しい。 もし、正確に発音できないのであれば、サーマネラになる事はできない。 《律蔵》義註は、以下の様に言う ”正確に発音できない人は、’m’と読んでもよい。” makāranta(間断法)とniggahitant…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(14-3)(私家版)

帰依を求め受ける時、授戒師と出家希望者の両者は共に、 ”Buddhaṃ saraṇaṃ gacchāmi” の、一つひとつの単語の音節を、正確に誦しなければならない。 そうでなければ、帰依は無効となる。 故に、帰依を求め受ける時、(パーリ語の)有気音、無気音、長短母音…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(14-2)(私家版)

サーマネラが帰依を求め受けるのは、戒律カンマの一種に属する。 出家希望者が、帰依を求め受ける事によって、サーマネラの身分が発効する。 帰依を求め受ける時、パーリ語で誦じた時にだけ、(その身分が)発効する。 居士は、己自身(一人)で、帰依文を誦…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(14-1)(私家版)

サーマネラが三帰依を求め、受ける方式は、居士とは大いに異なる。 居士は、どの様な方式、どの様な言語でも、三帰依を求め受ける事ができる。 この種の帰依とは、すなわち、三宝(仏、法、僧=サンガ)を受け入れて、己自身の依拠とする事である。 三宝に抵…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(13-4)(私家版)

戒師は、新しい出家者に対して、してよい事、してはいけない事のすべてを、教導しなければならない。 新しい出家者は、どの様に袈裟を着るのか、どの同様に歩くのか、どの様に食べるのか、などの行儀を学ばねばならない。 当該のサーマネラが、上に述べた行…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(13-3)(私家版)

もし、授戒師と依止戒師が同一人物ではない時、サーマネラは、もう一人、別の戒師を見つけて、依止戒師になって頂かねばならない。 サーマネラは、依止戒師なしに、(サンガに)留まるのは、如法ではない(違反である)。 サーマネラは、依止戒師に、戒師に…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(13-2)(私家版)

サーマネラ: ”Upajjhāyo me、 bahnte、hohi.”(×3) ”尊者、私の戒師になって下さい。”(三度) 戒師: ”Pāsādikena sampādehi.” ”浄信によって、成就せん!” サーマネラ: ”Āma、bhante.” ”はい。尊者” (13-3につづく) <願以此法布施功徳、早日証得涅…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(13-1)(私家版)

(依止)戒師への願い出 戒師とは、弟子における、大小の過失を指摘し、かつ諭し指導し、また、弟子に必要とされる所の提案を、付与する所の、教師である。 どの様な比丘であれ、彼が、三帰依と10戒を授与する為の、パーリ文を誦する事が出来るのでさえあれ…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-29)(私家版)

この一世において、Samavati は、常に慈心を散布する人間ではあったが、しかし、過去において造した、故意に他人を焼き殺すという悪業によって、最後には、(もう一人の王妃によって)焼き殺されたのである。 彼女は、焼き殺される前、すでにサターガミ道果…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-26)(私家版)

仏陀の時代になって、彼女は王妃として、転生した。 仏陀の、大勢いる優婆夷(女性在家信徒)の中において、彼女は、慈心禅第一であって、常に、一切の衆生に、慈心を散布していた。 当時、もう一人別の王妃がいて、彼女は、仏陀に対して、恨みの心を抱いて…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-25)(私家版)

しかし、Samavati は、その人が、チェータカ仏である事を知らず、また、彼が、滅尽定に入っている事も知らなかったが、しかし、そこにおいて、一人の人間が火に焼かれているのを見て、非常に恐くなり、また、国王が彼女の不注意を不快に思うのではないか、と…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-25)(私家版)

Samavati は、一個の、非常によい例である。 彼女は、ある一世において、皇后であった。 ある日、彼女は、侍女と一緒に、川べりに遊びに行った。 その時、天候がとても寒くて、彼女は侍女に命じて、枯草を探してきて、火をつける様に言った。 侍女が枯草に火…

般若の独り言~虹君改名します

去年の9月に、我が精舎に引き取られました虹君 (トイ・プードル。2歳半、保護犬。雄)は、 最近、血統書から、実の名前は《えびす丸》で あると判明しました。 私は 【まっ黒な毛色のワンちゃん、 漆黒の毛が、ピカピカ、ツヤツヤ 輝いているので ≪虹≫君】 …

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-23)(私家版)

思は、(人々が)業を造(ナ・・・以下同様)す際の、最も主要な要素である。 というのも、実践(された行動)が、善であるか、悪であるかは、思によって、決定されるが故に。 故に、仏陀は言う: 「比丘たちよ。 私は、思は業である、と言う。 その意欲によ…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-22)(私家版)

例えば、色所縁が、舌根を衝撃するやいなや、思は、「触」に対して、「触」に衝撃(を受けとる)ための作用を促し、また指導したりするし、また、「受」に対しては、早く味を味わう様にと促す。 思は、部下を指揮して、敵と戦う様にするだけでなく、己自身も…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-21)(私家版)

思の現起(現象)は、相応の名法を、目標に向けて行動する様、指導し、組織し、促す事である。 所謂相応の名法とは、すなわち、心と心所の事である。 名法にはそれぞれに、特別な作用があって、「思」はまさに軍の様で、これらの名法を、組織して、その後に…

般若の独り言~仏陀の憐憫

昨日のブログ <《実用アビダンマ》(4-19)> にUPしました文章・・・ 翻訳しながら、私の胸に、迫るものがありました。 我々は、血縁者、知人、友人が亡くなると、何日も泣き続けますが、 これは<粗い無常>であって、 実は我々は、毎分毎秒、身・心にお…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-20)(私家版)

4、思(cetanā) 思の特徴は、願望する、という状況を意味する。 作用は、業の累積。 欲界速行の心は、善業または不善業をなす。故に、業を累積する。 業を累積するのは、まさに「思」による。 思は、ただ善心と不善心の中において業を累積し、果報心または…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-19)(私家版)

長い長い生死輪廻の中において、もしも、顛倒想によって標記する事を、絶え間なく続けていたならば、ひとたび無常を、真正に体験する事になった時、それを真実だとして受け入れるのは、非常に難しい。 親しい人が亡くなった時、我々は、死ぬほど泣いてしまう…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-18)(私家版)

ひとたび、目標に標しをした後、(意識を)変えるのは大変に困難である。 鹿が、以前、人が他の動物を虐めるのを見たことがあると、その後に人を見るたびに、即刻逃げる様になる。 農民は、鹿が田んぼに入って、稲を食べるのを防ぐために、案山子を作って田…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-17)(私家版)

衆生の、この種(の考え方)は、「顛倒想」という。 そして、この事は、衆生に不断の苦を齎す。 仏陀は、一切の有為法は、みな、無常であると、言っている。 ひとたび、楽受が変化して、消えて見えなくなったならば、(衆生は)必ず痛苦を感じる。 というの…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-16)(私家版)

正定、正念及び智慧の訓練を受けた事のない心は、通常、六塵である所の、 「色、音(声)、香、味、触、法」が、 六根である所の、 「眼、耳、鼻、舌、身と意」 に衝撃して、生じる所の、一切の感受をば、常、楽、我、浄として、標してしまう。 すなわち、そ…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-15)(私家版)

「あっ、小鳥とはこの様なものか! 翼があり、空で飛ぶことができる。」 次に鳥を体験した時、すなわち、同じ目標を、再度、体験する時、想が、再び生起する: 「あっ、(前に見たのと)同じ様だな! これは、小鳥だ!」 まさに想が原因で、赤子は、パパとマ…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-14)(私家版)

3、想(saññā) 想の特徴は、目標の質を体験する事である。 作用は、次に同じ目標に出会った時に、これはそれと同じものであると知る為に、目標に対して、標をつける事。 または、以前体験したことのある目標を、認識して、認める事。 たとえば、初めて小鳥…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-13)(私家版)

受には、三種類ある。 一番目は、楽受(sukha-vedana)で、喜ばしい所縁を体験する。 所縁は、あるものは喜ばしく、あるものは喜ばしくない。たとえば、あなたが甘いものを食べる時、甘い味が、舌根を衝撃するが、その時、あなたは喜ばしさを感じる。 反対に…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-12)(私家版)

2、受(vedanā) 受の特徴は、感受される事、である。 その作用は、感受及び、目標の味を体験する事。 たとえば、食べ物を食べた時、その美味を味わう事; コーヒーを飲んだ時、その美味を味わう事; これらは、みな、「受」が感じ取っているものであって、…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(12-12)(私家版)

Vikālabhojanā veramaṇī sikhāpadaṃ samādiyāmi. Nacca-gīta-vādita-visūka-dassanā veramaṇī sikkhāpadaṃ samādiyāmi. Mālā-gandha-vilepana-dhāraṇa-maṇḍana- vibhūsanaṭṭhanā veramaṇī sikkhāpadaṃ samādiyāmi. Uccāsayana mahāsayanā veramaṇī sikkhā…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(12-11)(私家版)

以下は、もう一つ別の、常用される所の、10戒文。 ”Paṇātipātā veramaṇī sikkhāpadaṃ samādiyāmi. Adinnādānā veramaṇī sikkhāpadaṃ samādiyāmi. Abhrahmacariyā veramaṇī sikkhāpadaṃ samādiyāmi. Musāvādā veramaṇī sikkhāpadaṃ samādiyāmi. Sura-mera…