Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(56ー2)(私家版)

スリランカに住む Dhammikaは、よく布施をする。。。 毎日多くの比丘に供養し、又、お寺に行って聞法もする。。。 スリランカでは、人が往生する時、通常は、比丘が家に来て、死に行く人に対して、戒を授けるか、又はパーリ語のお経を唱える。。。。。。。 D…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(56ー1)(私家版)

3.慣行業 三番目は慣行業である。これは、習慣的に常になしている所の善業又は悪業である。仏陀への礼賛、灯火、献花、仏(像)へのお供え、禅の修行、寺院に来て布施するなどは、良い習慣業である。悪い習慣業は、例えば、と殺業者で言えば、その習慣業は…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(55ー4)(私家版)

緬甸のパオ森林僧院にいる比丘の一人は、前世は盗賊であった。。。 ある時、盗みに入って捕まってしまった。相手が彼を思い切り殴ったので、彼の頭部には非常に大きな傷ができた。その後、彼らは彼を袋に押し込んで、河に投げ捨てた。。。。。。。 彼は河の…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(55ー3)(私家版)(215/360)

2.臨終業 もしも、重業がないのであれば、臨終業が熟する。所謂臨終業とは、臨終の時に思い出すか、または(その時に己が)なす所の、業の事である。。。。。。。 《法句経》の中の Mattakundali (の物語)は非常に良い例である。Mattakundaliは、裕福な…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(55ー2)(私家版)

1.重業 所謂重業について、全ての殺生が重業になるわけではない。ただ5種の業のみ、重業と呼ぶ。それそぞれ:父親殺し、母親殺し、阿羅漢殺し、仏陀に怪我をさせて流血する及びサンガの分裂(を奨めた者)。。。。。。。 デイバダッタは、仏陀に怪我を負わ…

日本大乗仏教界の地盤沈下

近々、旧統一教会に、解散命令が出る様です。 WEBニュースで見たのですが、旧統一教会に 「あなたの家の家系図を見た。先祖に夭折した人がいて、その人の霊魂が今のあなたの孫に取り付いている。孫を守る為に教会に一億円献金しろ」 と言われて、実際に献金…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(55ー1)(私家版)

■熟する順番による分類……………… 業を、それが熟する順番(果報が生じる順番)によって分類する。。。。 以下の4種になる: 1.重業。2.臨終業。 3.慣行業。4.已作業。 長い輪廻の中において、我々は各式各様の業をなす。それは善業であったり、悪業で…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(54ー2)(私家版)

これが(業に関する)四種類:令生業、支助(支援)業、阻害業と毀壊業の説明である。。。。 業の異熟は不思議なものである。。。 仏陀は《増支部》の中において以下の様に言う: 「4個の不思議がある。それについて、考える必要はない。もし、それについて…

「智慧の光」紙の本に!

以前より<菩提樹文庫>HPに掲載しておりました「智慧の光」(パオ・セヤドー著「智慧之光」日本語版。Paññādhika Sayalay訳)が、この度、東京の篤志家のご尽力を賜り、紙の本になりました(150冊)。。。。。。。 東京の【はらみつ法友会】主催の瞑想会…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(54ー1)(私家版)

4.毀壊業(upaghātakakamma) この業は、善のものも悪のものもある。。 それば、比較的弱い業を中断させ、弱い業が引き続き果報を生じるのを止めさせる。。。 ある人が人間に生まれて、本来は長寿であるべきものを、毀壊業が顕現して、彼を夭折させてしま…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(53ー12)(私家版)

ある一人の餓鬼は、前世は猟師であった。その頃、ある一人の比丘がしきりに、彼に5戒(特に不殺生戒)を守る様に教えた。しかし、彼は、それを守れない、と言う。。。。。。 比丘は言う: 「では、あなたは少なくとも夜には不殺生戒を守りなさい」 彼は、言…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(53ー11)(私家版)

もし、業果の作用を理解するならば、我々は、己の身の上に発生する所の、種々の出来事を受け入れる事ができる。。。 前の世でなした不善業は、ある時には我々の、この一生の善業を阻害することがある。。。 この様に理解する事は、我々が、不平等な境遇に遭…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(53ー10)(私家版)

河のほとりまで来た時、前の日に大雨が降った為に、河は水が溢れ、氾濫していた。。。 彼女は同時に二人の子を抱いて河を渡る事はできないと考えて、長男を河岸に置き、先に赤子を抱いて河を渡り、その後、赤子を岸辺に置いて、長男を迎えに行こうとした。。…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(53ー9)(私家版)

仏典の中に、以下の様な物語がある: パタチャラ(Patacara)は、裕福な家に生まれた。しかし彼女は、家の使用人と出奔し、裕福な実家を離れて、苦労に多い日々を送った。。。。。。。。。 インドの習慣では、女性が懐妊すると実家に戻って出産しなければな…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(53ー8)(私家版)

もともと、大地獄に生まれ変わる事になる不善令生業であっても、阻害業がその影響力の下、小さな地獄又は餓鬼道に生まれ変わる様に導くことがある。。。。 アジャセ王(Ajattasatu)は、己自身の父ビンビサーラ(既にソータパナを証悟)を殺害した。父親殺し…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(53ー7)(私家版)

ヤソーダラが、非常な美貌であった為、菩薩もまた、彼女を見たいと思った。ある日、アソーダラは池の行って水浴びをした。菩薩は一足先に行って池の中に隠れ、池から飛び出して、彼女を見た。ヤソーダラは、妖精を見たのかと思い、大声を発して逃げた。その…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(53ー6)(210/360)(私家版)

王女は嫁いだ後、何とかして夫の風貌を見たいと願った。。。 皇后は仕方なく策略を施し、嫁に言った:「今日、貴女の夫は象に乗って外出します。貴女は窓辺に立って、彼を見ても良いです。」 皇后には二人の息子がいた。。。 一人はハンサムで洒脱、一人は非…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(53ー5)(私家版)

菩薩は、その布施の功徳によって王子に生まれたが、容貌が非常に醜かった。というのも、前生で、彼は瞋恨から、既に供養した物を奪い返したことがあり、その瞋恨の心により、容貌が醜ったのである。。。。。 しかし、彼は勇敢で良き戦士であり、体力が充実し…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(53ー4)(私家版)

阻害業の影響の下、もともとは長寿であった業が、短命になってしまう;もともと美貌で生まれるはずの業が、平凡な顔つきになってしまう、など等。《本生経》の中において、古刹(kusa)は、その一世は我々の菩薩であり、兄と共に住んでいた。彼の兄嫁は、後…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(53ー3)(私家版?)

もう一つ別の例を。仏陀の時代、説法第一の女性居士寿多羅(Khujjuttara)は、皇后サマバティの使用人であった。生まれつきの猫背で、それは一説によると、彼女が前世でなした業によるものである、と。本来ならば比較的レペルの高い家庭に生まれる事が出来、…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(53ー2)(私家版)

阻害業の影響の下、本来は高度な善趣に生まれる事のできた令生業が、比較的下等な善趣に生まれることになってしまう事もある。。。 天界に3人の仙女がいて、皆踊りが上手であった。ある男神が彼女達を褒め讃え、神通で、彼女達の過去世を見てみた所、彼女達…

苦苦

仏教の重要な概念に <無常・苦・無我> があります。。。 これは、基本的には、色法(物質の素粒子レベルの刹那生・滅)と名法(心と心所の刹那生・滅)の本質を言うもので、これらミクロの現象に関しては、サマタ・vipassanā の修行をしなければ、なかなか…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(53ー1)(私家版)

3.阻害業(upapĪlakakamma) この業も又結生を生じる事の出来ない業である。しかし、令生業を阻害する事はてきる。即ち、善報又は悪報を短縮するのである。阻害業は善でも不染でもあり得る。善業は、不善業を阻害し、不善業は善業を阻害する。ある衆生が、…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(52ー7)(私家版)

仏陀の時代の、もう一人の、布施第一の富裕女性居士は Visaka である。彼女は富裕なだけではなく、美貌の持ち主てあり、気力も強力であった。聞くところによると、彼女が手で象を押すと、象は皆後ずさりしたそうである。これらは、彼女の善の支助業が彼女の…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(52ー6)(私家版)

アーナンダ尊者の例で言えば、アーナンダ尊者の寿命は160歳であった(一説によると120歳)。彼は王子として生まれたので、令生業は善である(人間として生まれる事はすでに令生業は善である)が、それに加えて、彼の強くて力のある支助業によって、彼…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(52ー5)(私家版)

善なる令生業が熟すると、ある有情は、人間として生まれ、支助業(過去生における布施、禅の修行など)がこの人間の寿命が伸びる様に、健康である様に、衣食が足る様に、生活必需品が豊富である様に、気力が充実する様に、協力・支援する。もし、我々が、今…

無我の境地

先日、色々悩みを抱えている方(女性)に、 「呼吸を観察する瞑想(安般念)をやってみて下さい」 とアドバイスしました。 後日彼女が言うには 「どんなに頑張っても無我の境地になれない」……… いえいえ、長年座禅瞑想している私も無我の境地にはなれません…

茶番

10月2日に、二回目のジャニーズ事務所の記者会見がありました。。。 ジャニーズ事務所は、ジャニー喜多川氏の、60年に及ぶ性加害発覚で廃業か倒産か、風前の灯火ですから、起死回生の為には、何が何でも、誠実に対応しなければならない、一番大事な記者…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(52ー4)(私家版)

2.支助業(支援業upatthambakakamma)これは熟することがないまま、結生を生じるチャンスがない業を言う。それは、令生業を支援して、後者(令生業)が生じせしめる所の善報(例えば人間界や、天道に生まれるなど)または悪報(例えば、四悪道に生まれるな…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(52ー3)(私家版)

結生識が生起し、かつ滅した後、心の過程に基づき、次に16個の有分心が生起する。。。 16個の有分心も又、赤い色を所縁とする。と言うのも、結生識と有分識は、同一の果報心であるが故に。。。 結生識が生起するその刹那、令生業も又同時に30種の色法…