Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳『親知実見』#12-24

三、無為法を知見する 一系列の修習を通して、先に諸行の生と滅を思惟し、その後に、ただ諸行の壊滅をのみ観じる。あなたは、次第に、その他の観智(Ñāṇa)を成就し、かつ、最終的には、無為(Asaṅkhata)を知見するであろう。無為を知見するとは、すなわち…

翻訳『親知実見』#12-23

こうしたことから、比庫たちよ、 [1]すべての色、(その)過去、未来、現在、内、外、粗い、微細、劣等、優秀、そして遠と近、一切の色は皆 『これは私のではない(netaṃ mama)、 これは私ではない(nesohamsmi)、 これは私の自我ではない(na meso att…

翻訳『親知実見』#12-22

三、観の修習 観の修習の時、あなたは苦聖諦と苦集聖諦を復習し、再度如実にそれを知見しなければならない、すなわちそれは、11種類すべての名色法の生と滅を知見する事であるが、しかし、この時、あなたはそれらを、無常(anicca)、苦(dukkha)、無我(an…

翻訳『親知実見』#12-21

ひとたび、第二聖諦(苦集聖諦)を如実に知見したならば、あなたは過去、未来及び現在の三時への疑惑を超越することができる。 《清浄之道》では以下の様に言う: 「彼は、斯くの如くに、名色が、縁に依りて(paccayato)転起した後、今まさにその様であるが…

翻訳『親知実見』#12-20

過去世と来世を見る事が出来ないのであれば、あなたは、縁起を如実に了知する事ができない; 過去の因が、如何にして現在の果を齎すか、現在の因が、如何にして来世の果を生じせしめるか、及び因の滅が如何にして果の滅を齎すかを、知見する事ができない。 …

翻訳『親知実見』12-19

大財長者子及びその妻は、その一例である。 彼ら夫妻は、巨額の財産を相続したが、しかし、大財長者子は、それを飲酒と遊びに使ってしまった。 ついに、彼と妻は、赤貧洗うが如く、街頭の乞食に堕ちた。 仏陀はアーナンダに言った、もし、大財長者子が、若い…

翻訳『親知実見』#12-18

あなたはすでに強くて力のある禅定を育成してあるので、あなたは、沙門の目標に進入し、安住することができ、かつ、上に述べた諸法を己みずから見ることができる。 仏陀は、《蘊相応・定経》(Samādhi Sutta、Khandhasaṃyutta)の中で以下の様に言う: 「比…

般若の独り言~もうすぐ誕生日

先日、老人向け体操教室が終わる頃、 「お誕生日おめでとう」 という言葉と共に、可愛いタオルを頂きました。 そうですね、今年は私、年女で、72歳になります。 馬齢を重ねただけの、大した人生ではありませんが、自分で自分を一番褒めて上げたいのは、仏教…

翻訳『親知実見』#12-17

1)阿拉漢を証悟する時の滅尽 2)般涅槃の時の滅尽 この二種類の滅尽の因は、涅槃(無為(Asaṅkhata))を知見する事であるーーこれは、苦滅聖諦(Nirodha ariyasacca)における阿拉漢の道智ではあるが、しかし、この事は、あなたが現在において、未来を観照…

翻訳『親知実見』#12-16

あなたは、諸々の行法、すなわち、一個の心識刹那からもう一つ別の心識刹那に至る、その刹那の壊滅を見なければならないが、これがすなわち、(世間的)苦聖諦を知見する、という事である。 あなたはまた、あなたが未来において、阿拉漢を証悟し、かつその後…

翻訳『親知実見』#12-15

如何にして第三聖諦を知見するか しかし、諸行の生起をのみ観照して、それをもって縁起の観照、理解とするのでは足りない。 あなたは、諸行の壊滅と止息を観照する事によって、縁起の観照としなければならない:<注68> 「比庫たちよ、何が苦滅聖諦(Dukkhan…

翻訳『親知実見』#12-14

第四節 第二と第三聖諦を知見する しかしながら、涅槃を証悟する為には、我々は苦集聖諦を知見しなければならない。 仏陀は《転法輪経》(Dhammacakkappavattana Sutta)の中において、以下の様に解説する: 「比庫たちよ、 これは苦集聖諦であるーー この愛…

翻訳『親知実見』#12-13

三種類の清浄 すでに名色法を如実に知見したならば、あなたは三種類の清浄<注62>を成就したのだと言える。 《清浄之道》(=《清浄道論》、以下同様)<注63>は、以下の様に解説する<注64>: [1]戒清浄(sīlavisuddhi)、善清浄という名を持つパーテ…

翻訳『親知実見』#12-12

あなたが今識別しているのは、まさに仏陀が《大念処經》(Mahāsatipaṭṭhāna)において教導しているが如く: 「では、比庫たちよ。 比庫は一体、如何にして、心随観心において住するのか? 比庫たちよ、 [1]貪心(sarāgacitta)がある事に対して 『貪心があ…

翻訳『親知実見』#12-11

上述の通り<注59>、名法は89種類の心と52種類の心所に分類することができる。しかし、その中の8種類は、出世間(lokuttarā)心に属するが、それはすなわち:四道心と四果心である。 それらは唯一、その他の、81種類の心(すべて世間心)及び相応する心所に…

翻訳『親知実見』#12-10

一つ一つの心路は皆、多くの数の「心識刹那」(cittakkhaṇa)によって構成されており、かつ、一つ一つの心識刹那とは、すなわち、一個の心識(citta)及びその相応する心所(cetasika)の生、住、滅の時間を言うのである。 心識は、単独では生起しない。それ…

名無し様とさくらぎ様のコメント公開しました

昨日のブログ<パオ・セヤドーは水金派>に、 名無し様 と さくらぎ様 から、コメントを頂きました。公開しましたので、ご参考下さい。 私自身も、宗派自体には、あまり興味がありません。 子供の時から<無常・苦・無我・涅槃>って何だろうという疑問を抱…

パオ・セヤドーは水金派

去年12月17日付ブログ <MK禅師パーラジカ事件を振り返って> に書きました [MK禅師のHPに、パオ・セヤドーはスリランカ大寺派と書いてあるのは、虚偽ではないか?」 という私の疑問に関しまして、パオ・セヤドーの筆頭弟子 大長老にお問い合わせしました所…

翻訳『親知実見』#12-9

すでに、上に述べた通り、五種類の色法の所縁の内の一つが、相応する色法根門を衝撃する時、それは同時に意門(有分)<注55>をも衝撃する: 五門心路と意門心路は、押しなべて皆生起する。 例えば、色彩の所縁が眼門を衝撃する時は、また同時に意門(有分…

翻訳『親知実見』#12-8

究極名法への通達(到達) 真正に、異なる種類の究極色法を知見した後、あなたは、更に一歩進んで、究極名法を了知し、かつ照見することができるが、それはすなわち、名業処 (Nāma-kammaṭṭhāna)の修習である。 我々は、六依処または六根門を通して、名法<…

翻訳『親知実見』#12-7

仏陀が四界差別(四界分別)を教導する目的は、我々をして、究極色法を知見する能力を擁せしめる為である。 まず先に、あなたは己自身の身体を、一個の色法の密集した塊であると見做し、かつ、この身体の塊の中において、四界の各種異なる特徴を知見する能力…

翻訳『親知実見』#12-6

次に、比庫たちよ。 比庫がこの様に立ち、この様に処する時、界(dhātu)によってこの身体を観察する: 「この身体の中に、以下のものがある [1]地界(pathavīdhātu) [2]水界(āpodhātu)、 [3]火界(tejodhātu)、 [4]風界(vāyodhātu)。 己自身…

翻訳『親知実見』#12-5

四 勝義諦への通達(到達) 究極色法への通達 もし、あなたが止乗者で、強くて力のある禅定を擁し、かつ、それを適切に保護する事ができるならば、我々は、あなたに、四界差別(四界分別、catudhātuvavatthāna)<注47>によって、色法を如実に知見する方法…

翻訳『親知実見』#12-4

三、定力の保護 しかし、ただ、深厚な(深くて厚い、重厚な、以下同様)定力を育成するだけでは足りない。というのも、勝義諦に到達する事ができるという事は、甚だ深く、奥妙(奥深く、妙なる事)であると同時に、それは我々が見失ってはならない好機である…

翻訳『親知実見』#12-3

世間的観智の心は、強くて力のある「観の光明」(vipassanobhāso)を生じせしめるが、しかし、出世間的観智の心は、更に強くて力のある光明を生じせしめることができる。 例えば、仏陀の覚醒の時の光は、一万この輪囲世界を返照することができる。<注36>。…

あけまして

新年、あけましておめでとうございます。 去年はコロナ禍で大変でしたが、皆様お変わりありませんか? 20年前、私が癌を発症した時、タイの僧侶から頂いた言葉 「災い転じて法となせ」 逆境の中で、己の強さ、優しさ、新しい価値観が生まれるとよいですね。 …