南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳『親知実見』#45-7

非色七法 非色七法において、あなたは、色七法の三相を知見することができる所の、観の修習心(名法)の無常・苦・無我を観照しなければならない。 この事は、あなたの観照の対象は、観の修習心で有る事を意味しているが、それはすなわち、その後に生起する…

翻訳『親知実見』#45-6

3)色第三法は、食生色の無常・苦・無我<注363>を観照する。あなたは、この100年の生命の中の、その毎日において、飢餓の時の色法と満腹した時の色法を観照しなければならないし、かつ、飢餓の時の色法は、満腹した時の色法に引き継がれることはない事を…

翻訳『親知実見』#45-5

色七法 色七法を用いて、四種類の生因の色法(業生色、時節生色、心生色と食生色)<注362>を識別する方法である。 1)色七法の第一法は、この一期の生命の結生から死亡の間の色法を、無常・苦・無我として観照する。内観、外観する。2)色七法の第二法は…

翻訳『親知実見』#45-4

如何にして観智を強化するか 40行相 一番目の練習は、40行相随観法(cattārīsākāra anupassanā)<注360>であり、過去、現在、未来の内外名法の無常・苦・無我を観照する。 それらは、みな、パーリ語では、”to”の語尾で終わっている為、我々は、40の”to”と…

翻訳『親知実見』#45-3

次の一種類で、観照しなければならないのは、名法の無常・苦・無我である。 先に、識別を(開始)する前に、先ほど識別していた所の、六門中の、すべての名法を識別する、すなわち、一つひとつの門毎の心路(vīthi)の中の、一つひとつの心識刹那の中の、心…

翻訳『親知実見』#45-2(330/446)

如何にして思惟智を育成するか 三番目の観智は、思惟智(Sammasana-ñāṇa)、すなわち、諸々の行法を、グループに分けて、思惟するのである: 異なった分類によって、諸々の行法の無常(anicca)・苦(dukkha)・無我(anatta)の三相<注349>を観照する。 …

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #45-1

第七講 己自ら涅槃を見る為に如何にして観智を育成するか <はじめに> 前の講話において、我々は、如何にして第五法と第一法に基づいて、縁起を識別するのか、を簡単に研究した。 本日、我々は、己自ら涅槃を見る為に、如何にして観智を育成するか、を説明…

翻訳『親知実見』#44-1

<#44-1>は、中国語原文P310~P328の脚注の翻訳です。 <注327>=この定に関しては、問答5-1、中国語原文p277参照の事。 <注328>=この種の情況において、普通の、自然な呼吸によって生じた入出息似相もまた、入出息(assāsa-passāsa)と呼ぶ。(Assāsa-…

翻訳『親知実見』#43-15

問6-12:人間関係が上手くいかない人でも、第四禅に到達することに成功したならば、彼の、他人の付き合い方が、改善されることがありますか? ジャーナに到達すると、この種の問題を改善することが出来ますか? 答6-12:これらの問題は、通常は、瞋(dosa)…

般若の独り言~仏陀と凡夫

先日、ある会合にて、以下の様な会話がありました。 某老人(女性): 「(浄土系の教えでは)我々凡夫は、仏陀と同じ。 仏陀は我々凡夫と同じ。 だから、その様に思って、日々、暮しなさいといいますが、どう思いますか?」 私: 「我々凡夫と、仏陀が同じ…

翻訳『親知実見』#43-14

問6-11:一人の、精神異常者、幻聴のある者、脳疾患を患う者、中風または大脳神経失調症の者は、この種の法門を修行することはできますか?もし、可能であれば、どの様な注意点がありますか? 答6-11:この種の人々は、禅の修行はできる。しかし、通常は、あ…

翻訳『親知実見』#43-13

問6-9:阿羅漢もまた、他人に授記を与えることができます。 ここで言う授記、その定義は、どの様なものでしょうか? どの様な経典またはソースを読めば、この様な資料に出会うことができますか? 答6-9:《仏陀史》(Buddhavaṃsapāḷi)と 《本行》(Apadānapā…

翻訳『親知実見』#43-12

問6-8:普通弟子が、止観(サマタ・vipassanā)の修習をして、縁摂受智、生滅智または行捨智まで到達した後に、死んだならば、彼は四悪趣に堕ちない。たとえ、放逸が原因で、彼の止観(の力)が退失しても、かつて修行した所の、止観の業力は、已然として存在…

翻訳『親知実見』#43-11

これらは、皆、殊勝な善業である。菩薩は、生命のあるもの、ないものの財産、彼らの肢体と生命を捨棄することを通して、これらのハラミツを円満しなければならない。 もし、あなたが、あなた自身を一人の菩薩であると信じるならば、あなたは、これらのハラミ…

翻訳『親知実見』#43-10

燃灯仏の時代、我々の釈迦牟尼菩薩は、善慧隠者といい、一人の凡夫(puthujjana)であった。 シッダッタ太子となった時、彼が証悟する前は、已然として、一人の凡夫であった; 唯一、証悟した後になって初めて、彼は釈迦牟尼仏になることが出来た。 一切知智…

般若の独り言~今日のトレトレ

今朝早く庭に出て、鉢植えの花木に、ジョーロで、水をジャブジャブ・・・(天気予報では、2、3日前から[雷雨]と出ていたので、雨を期待していたのですが、結局空雨でした)。 昨日は、隣家の方に 「畑のじゃがいも掘っていいよ」 と言われて、二株掘らせて…

翻訳『親知実見』#43-9

もし、一人の菩薩が、この8項目の条件を具備しているならば、彼は、確実に、仏陀から授記を得ることができる。 我々の釈迦牟尼菩薩は、燃灯仏時代において、名を善慧(Sumedha)と言い、隠者であった。彼は、この8項目の素質を擁していたため、燃灯仏の授記…

翻訳『親知実見』#43-8

この点に関して、我々は、菩薩は、どの様な条件のもとで、授記を得ることができる(できた)のかを、見てみたいと思う。<注338>。 ”manussattaṃ liṅgasampatti、 hetu satthāradassanaṃ: Pabbajjā guṇasampatti、 adhikāro ca chandatā; Aṭṭhadhammasamo…

翻訳『親知実見』#43-7

仮に、ここに一株の芒果(マンゴー)の樹があるとして、今、樹には、実が実っていない。 しかし、いつの日か、ある日、実が結果する。 これは自然法則である。 あなたは、果実を生じせしめる潜在エネルギーは、樹木の中にある、と言うことが出来る。 では、…

翻訳『親知実見』#43-6

問6-7:道果を証悟した聖者(ariya)は、もはや凡夫(puthujjana)に戻らない。これは正性定律(sammatta niyāma)である。同様に、授記を獲得した人は、菩薩道を放棄することはできない。これも正性定律である。 しかし、仏陀は、一切の法は、無常<注336>…

翻訳『親知実見』#43-5

問6-6:もし、ある日、我々が、意外な出来事で死亡するならば、例えば、飛行機事故等、我々の心は、身体的な如何なる痛苦にも見舞われない様にする為、その時身体から「離れる」ことが出来ますか? どの様にすれば、それは実現できますか? 禅修行者はその時…

翻訳『親知実見』#43-4

問6-5::自分が死亡する時間を決定(選択)するには、どの様にしたら、よいでしょうか? 答6-5:もし、あなたが、入出息念(ānāpnāssati)を修習して、すでに、阿羅漢道に到達しているのであれば、あなたは、般涅槃の正確な時間を知ることができる。 《清浄…

翻訳『親知実見』#43-3

問6-4:禅修行者は、入出息念から無色禅(arūpa-jhāna-samāpatti)に入ることはできますか? または、慈心禅に転換することはできますか? 答6-4:禅修行者は、入出息第四禅から、直接無色禅に入ることはできない。 なぜであるか? 無色定、特に空無辺処禅(Ā…

翻訳『親知実見』#43-2

問6-2:座って修行をする時の資性は、初心者にとって、専注とジャーナに入る能力に影響を及ぼしますか?ある種の禅修行者は、椅子に座って禅の修行をしますが、彼らは、ジャーナに入ることができますか? 答6-2:初心者について言えば、坐っている姿勢が一番…

翻訳『親知実見』knowing and Seeing#43-1(310/446)

問答(六) 問6-1:入出息念(ānāpānassati)を修習したものの、しかし、禅相を見ることができない禅修行者は、彼の修行のレベルを上昇させ、かつジャーナを証得する為に、どの様にして、己自身の身・心を検査をすればよいですか? 言い換えれば、禅相が出現…

般若の独り言~アシュガとの対話

80cm四方に広がったアシュガ。最初は一苗、4cmくらいでした。 去年の秋、オークションで、アシュガの抜き苗、一本50円を二本購入して、般若精舎の玄関先に植えました。 時々、枯れていないか確認するぐらいで、今年の春を迎えると、アシュガは、ランナー…

M‘‘‘‘Oさまへ

<親知実見>#42−1に、コメントをいただきまして、ありがとうございます。Lineは、可能ですが、先に、M‘‘‘Oさまの、メルアドを、教えて下さい(コメント欄に。非公開です)。そのメルアドに、Line申請手続詳細お知らせしますので。

般若の独り言~今日のトレトレ

早朝に集めたバラ、レースフラワー等。右はベゴニア、左は、母の日の贈り物のガジュマル(ベトナムの息子一家から) そろそろ、蚊が、出始めました。 顔や手に、虫よけローションを塗ってみるけれど、効果はよく分かりません。 早朝、なるべく早く庭に出て、…

翻訳『親知実見』#42-1

<#42>シリーズは、中国語原文p293~p307の脚注の翻訳です。 <注307>=<法住智義釈>(Dhammaṭṭhitiñāṇaniddeso)(Ps.1.45-47)。 また、《清浄之道・説慧地品》(Paññābhūminiddesa)参照の事。 <注308>=パオ・セヤドーがここで述べているのは、観智…

翻訳『親知実見』#41-9

如何にして更に多くの過去世を識別するか あなたが、上述の様に、前の一世を識知し、かつ、前の一世の五因(無明、愛、取、行と業)、及び、それらの、今生における五果(結生心(paṭisandhicitta)、名色、六処、触と受)を見ることができたならば、あなた…