Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2023-01-01から1年間の記事一覧

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(88−1/2)(私家版)

次に8種の無明と、無明の縁により、如何にして行となるかを解明する。 1.無明は、5取蘊は苦諦めさである事を知らない上に、5取蘊を執取する事を、楽しいと錯誤している。《中部》75経に以下の様な記載がある。。。 一人の先天性盲目の人がいて、黒色…

<実用アビダンマ>翻訳終了(予定)

予てより翻訳して参りました <実用アビダンマ>は、実質、後20ページ程になりました(現在、320/360ですが、多くの図表があり、それらは割愛する為)。。。 年末か、遅くてもお正月の初め頃には、翻訳終了となります。。。。 その後、少しお休みを頂きま…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(87ー1/2/3)(私家版)

■縁於無明、行生起(無明の縁によりて行が生起する)……… 無明は、52個の心所の中の痴心所である。特徴は心の盲目性又は智慧のない事。経典では、無明の事を盲人と同じである、と言う。無明の現象は迷惑(惑い、惑乱する事)、作用は目標の真実の法を覆い隠…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(86ー7)(私家版)

<表V>12縁起の図表(割愛)

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(86ー4/5/6)(私家版)

✥12縁起の法則✥ 無明(avijja)の縁によりて 行(sankhāra−nの下点。以下同様。)……………………… 行の縁によりて識(viññāna−nの下点。以下同様。)。……………………… 識の縁によりて名色(nāma−rūpa)。 名色の縁によりて6処(salayatana)。 6処の縁によりて触(p…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(86ー3)(私家版)

アーナンダ尊者(尊者はソータパナであった)が、ある日、座禅瞑想していると、縁起の法が彼の心の中において鮮明に顕現した。彼は喜び勇んで仏陀に会いに行き、仏陀に言った:「世尊、この12因縁は、大変に奥深く又殊勝です!非常に奥深く、殊勝であるだ…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(86ー1/2)(私家版)

第八章 縁の概要 この章は、二個の部分に分かれる。一番目はは発趣論(24因縁)、二番目は縁起。ここでは縁起の法のみ解説する。 ✥縁起の法✥ 縁起の法(Paticcasamuppādanayo−tの下点。以下同様)は、基本的には、生死輪廻の因縁構造の解明、即ち、生死輪…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(85ー1)(私家版)

✥総括✥ 一切の概要:5蘊、5取蘊、12処、18界、四聖諦。。。。 1.色、受、想、その他の心所(行)及び識の5者。5蘊と呼ばれる。 2.三(世間)地に属する同等の法。5取蘊と呼ばれる。出世間のものは、5取蘊とは言わない。欲界、色界、無色界のも…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー23)(私家版)

故に、仏陀は、巧みな技でもって、先に世俗諦(人、我、彼……)を使い、衆生と疎通する方便とした。衆生の心に法が浸透した後、彼は初めて、これらの世俗諦は真実ではない、と解説したのである。実際に存在するのは、「因縁生、因縁滅、ただ苦と苦の息滅のみ…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー21/22)(私家版)

仏陀は、苦集滅道を解説する時、先に苦の原因を解説する。というのも、衆生は、三界の中において、ただひたすら楽を享受したい、欲界、色界、無色界の楽しみを享受したいと願い、生老病死の苦痛を忘却しているからである。故に、仏陀は先に苦を教え、彼らが…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー20)(私家版)

(3)苦滅聖諦:一法のみ。即ち、渇愛を取り除く事を通して証得する所の涅槃。涅槃は、渇愛の止息である。 (4)道聖諦:苦の滅に向かう道聖諦は、八聖道分である。四諦の教法の中における、四出世間道心の中に生起する所の八道分心所である。菩提分の概要…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー18/19)(私家版)

何故、集諦(愛欲)が、苦痛の来源であるのか?例えば、台湾で水災が発生し、非常に多くの人々が死亡したとして、あなたは心がとても辛くなる。暫くして、その中の一人は己の友人であった。あなたは更に辛くなる。更に何日か経って、あなたの愛する血縁者が…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー15/16/17)(私家版)

(1)苦聖諦:生老病死、愁い、悲しみ、苦、憂、悩、怨憎会、愛別離、所求不得苦及び5取蘊の苦。簡単に言えば、渇愛(集諦)以外に、三世間地の一切法は有為法であり、全て苦聖諦に属する。有為法とは、即ち、因縁和合の法であり、変化の法であり、因縁の…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー14)(私家版)

(2)苦因(集)聖諦(dukkha samudayam ariyasaccam):パーリ語の「samudayam」には、いくつかの意味がある。一つ目は、「累積」で、業の累積を言う。二つ目は「来源」で、苦の来源の意味である。三つ目は「束縛」で、縛られている、という意味である。。…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー12/13)(310/360)(私家版)

5.四聖諦 仏陀は言う:「徹底的に四聖諦を知ることがないが故に、衆生は、ひとえに、輪廻の中において旋回し続けている。」 四聖諦は、(1)苦聖諦。(2)苦因(集)聖諦。(3)苦滅聖諦。(4)苦の滅に向かう道聖諦。。。。。。。 四聖諦は、仏陀の根…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー11)(私家版)

<表U>四究極法と蘊、処及び界対照表(割愛)

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー9/10)(私家版)

4.18界 眼界、耳界、鼻界、舌界、身界、色彩界、音声界、香界、味界、触界、眼識界、耳識界、鼻識界、舌識界、身識界、意界、法界、意識界。。何故界と呼ぶか?界(dhatu)は、それらが己自身の自性を「持つ」又は「背負う」からである。例えば、地界は…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー6/7/8)(私家版)

3.12処 眼処、耳処、鼻処、舌処、身処、意処(略称して6内処)、色彩処、音声処、香処、味処、触処、法処(略称して6外処)。この12処は、又別の一体的な分類法であり、先の5処と5浄色は、同じものである。。。 7から11処までは、5根と所縁が…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(85ー3/4/5)(私家版)

2.五取蘊 5蘊に執取する事は、一切の苦痛の来源である。仏陀は言う:「生・老・病・死・怨憎会・愛別離・求不得苦……総じて、5取蘊は苦諦である。」 5取蘊とは何か?色取蘊、受取蘊、想取蘊、行取蘊、識取蘊、この5法は、執取の目標となる。一切は貪愛…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(85ー1/2)(私家版)

■一切の概要 5個の部分がある。1.5蘊。2.5取蘊。3.12処。4.18界。5.四聖諦。。。。これらは、観智の目標であり、非常に重要である。修行において、これらの真実法を知らないのであれば、進歩するのは非常に困難である。 一切の概要の目的は…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー19/20/21)(私家版)

7.八正道 (1)正見。(2)正思惟。(3)正語。(4)正業。(5)正命。(6)正精進。(7)正念。(8)正定。。 八道分の中において、正見とは、四聖諦を了知する慧心所である。仏陀は経典の中において、再三再四言う:「正見は苦、集、滅、道の四…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー17/18)(私家版)

6.7覚支 (1)念覚支。(2)択法覚支。(3)精進覚支。(4)喜覚支。(5)軽安覚支。(6)定覚支。(7)捨覚支。 7覚支の中において、択法覚支は慧心所、即ち、名色法を如実に知見する所の観智である。軽安は心と心所、二者の軽安を言う。捨覚知…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー15/16)(私家版)

4.5根 根は、その範囲内において作用を執行支配する所の心所である。5根は:(1)信根。(2)精進根。(3)念根。(4)定根。(5)慧根。5根は、それぞれの目的ーー勝解(信根)、尽力(精進根)、覚醒(念根)、不散乱(定根)及び照見(慧根)の…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー14)(私家版)

法随法行の意味は、法の本質は、無常、苦、無我、空てあることを観ずる事。。 5蘊を無常と見做し、5蘊を矢の様だ、棘の様だ、病の様だ、空だ、無我……などなどと見做す。その様に見做す事によって厭離が生じる。。。 厭離は、修行上、非常に重要である。厭…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー12/13)(私家版)

後に、己自身が掌握できる「我(私)」を取り戻し、アメリカの文化に適応する為に、彼は堕落し始めた…タバコ、飲酒、異性……等など、非常に多くの悪業をなした。20年後、彼は一人の出家者に出会い、彼から己の修行がただしいものであったと印証され、その時…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー11)(私家版)

(4)観成就(観神足):観を成就の法とするもの。観は智慧である。智慧は、輪廻の苦痛、地獄の苦痛を知ることができる。もし、智慧を有して、苦痛を了知するならぴ、修行に精進したいと言う心が生まれる。我々一般人は、智慧がない為、輪廻や地獄の苦痛を…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー10)(私家版)

(3)心成就(心神足):成就するに当たり心の重要性を言うもの。人が仏法に出合った後、非常に熱心になり、仏法と共にいることを楽しく思う事。ちょうど、科学者が、実験室に入って実験する時、寝食を忘れて、全身全霊で研究に打ち込む事がある。同じく、…

禅病が治りましたー任脈形成

過去に投稿しましたブログ 《禅病が治りました》が、 今も、時々読まれている様です。。 最近の状況を報告いたします。。。 禅病は、基本的には治りまして、3ヶ月ほど前からは、安般念が普通に出来る様になりました(以前は、安般念をしようとすると、顔、…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84-8/9)(300/360)(私家版)

(2)精進成就(精進神足):4個の特徴がある。皮があり、骨があり、腱があるならば、たとえ血と肉が乾いても、努力を放棄する事がない。これを精進神足と言う。菩薩が未だ成道する前、菩提樹の下で座って禅定に入った時、願をかけた。「私の皮、私の腱、…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー7)(私家版)

(1)欲成就(欲神足):神聖な目標を達成したいという強烈な欲望。到達するまで、永遠に放棄しない。この欲望は、貪に属さない。《中部》に、ラタパラの話が有る。彼はお金持ちの家のひとり子であった。彼は初めて仏陀の説法を聞いた時、心中に、出家した…