Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2023-01-01から1年間の記事一覧

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(103-8/9/10)(私家版)

呼吸の冷たさと熱さに注意を払ってはならない。冷熱は、火界に属するが、もし長時間呼吸の冷たさ熱さに注意を払うならば、四大分別観の修行になってしまう。これは間違いである。初め、呼吸の入ると出るだけに注意を払う。次の段階において、呼吸の長短に注…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(103-5/6/7)(私家版)

安般念の所縁は呼吸である。注意力は、鼻孔の中に置いてはならず、人中に置く。余りに接触点を気にしすぎてもいけない。その様にすると、心は非常に緊張するが故に。ただ、注意力を鼻孔の下のある一定程度の範囲に置いておくのが良い。もし、接触点を感じら…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(103-3/4)(私家版)

8.死随念:己は必ず死ぬのだと観察する。死亡が何時になるかは、決める事は出来ない事、死亡の時、人々は一切を放棄しなければならない事を観察する。死随念は、四護衛禅の中の一でもある。死随念を観ずることは、精進力を高める事ができる。死亡を観想し…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(103-1/2)(私家版)

■10随念 1.仏随念:仏陀には9つの徳行がある。1.阿羅漢。意味は全ての煩悩を殺した人。仏陀も阿羅漢であるが、全ての阿羅漢が仏陀であるとは限らない。2.正等正覚(他人の指導を受けずに己自身で悟りを証した。)。3.明行足。4.善逝。5.世間解。6.無上士…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(102-1)(私家版)

■10不浄 不浄観の事である。死体の腐乱する異なる段階を観察する。以前のインドでは、人が死ぬと、死体はお墓に捨てられた。比丘はそこへ行って、その最初の日から死体の変化を観察する。二日目、三日目、死体は膨張を始める。比丘は死体の膨張の相に対し…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(101-5/6)(私家版)

風遍の修習をする禅修行者は、窓か又は壁に空いた穴から吹いてくる風、又は梢の風に専注して、それを「風」「風」と観察する。。。。 もし、色遍(4個の遍)を修習したいのであれはわ、上に述べた大きさの円盤を用意し、褐色、黄色、赤又は白色に塗る。又は…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(101-3/4)(私家版)

もう一つ別の方法は、土地のある場所に行って、そこで一個の丸を描く。上部に木の葉、木の枝などがあってはならない。土を平にし、その後に立って「地」「地」と観察する。これを取相と言う。次に目を瞑る。その時にあなたの心に、地が出現したならば、これ…

<実用アビダンマ>翻訳雑感

後10ページ程で<実用アビダンマ>の翻訳が終わります(このまま順調であれば、年末までに翻訳終了出来ると思います。)。 ここでまっ先に、著者のスシーラ・サヤレーに感謝と敬意を表明致したいと思います。。。 当該<実用アビダンマ>の翻訳を通して、…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(101-1/2)(私家版)

✥止の概要✥ 止禅には、合計40種の業処がある。止業処の概要の中には、7つのグループがある:10遍、10不浄、10随念、4無量、1想、1分別、4無色である。以下に解説する。 ■10遍 地遍、水遍、火遍、風遍、藍(青又は褐色)遍、黄遍、赤遍、白遍…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(100-1)(私家版)

✥止と観✥ 「止」と訳される所の「samatha」は、「心の安寧・静寂」を意味する。専門用語では、「止」は、八定の中の「心一境性」に定義されるが、それは即ち、経教の法による所の四色禅(初禅、ニ禅、三禅、四禅)及び四無色禅の、一境性心所である。普通の…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(99ー1)(私家版)

第九章 業処の概要 ✥業処✥ 業処はニ種ある。止禅と観禅である。業処(kammattānaーtt下点。以下同様。)は「作業の地」又は「仕事の地」という意味である。この一句で、禅修行の方法を表しており、禅修行者が特別な成就を育成する所の、作業の場所である。仏…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(98ー1/2/3)(私家版)

■ニ根 1.無明:無明は、過去から現在まで通貫する所の、「受」の根である、と言われる。無明とは、真実の法を如実に見る事がない事を言い、無明と相応する、もう一つ別の根は「愛欲」である。。。。。。 2.愛欲:愛は現在から未来の「老・死」にまで通貫…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(97ー5)(私家版)

三輪転は、生死輪廻の方式を明らかにした。最も基本的な輪転は、煩悩輪転である。無明の覆いと渇愛の駆使の下、人々は、世間的な不善と善の業をなす。こそしてこの様に、煩悩輪転が業輪転を引き起こし、業が熟して果報の生ずる、その時には、業輪転が、果報…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(97ー4)(私家版)

<表W>(335/360)(割愛)

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(97ー1/2/3)(私家版)

■四攝類 過去の因、現在の果、現在の因、未来の果の四種を言う。無明と行に言及する時、愛、取、有もまたその中に含まれる。同様に、愛、取、有に言及する時、無明、行もその中に含まれる。生と老・死に言及する時、識などの5果もその中に含まれる。心の中…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(96ー1/2/3/4)(333/360)(私家版)

✥分析の類別✥ 我々は、7つの方法で、12因縁を分析する:三時、12支、20法、三連結、四摂類、三輪転、2根。。。。。。 ■三時:………………………… 三時とは、三世の意味である。過去世、現在世、未来世である。過去世にはニ種ある。無明と行。未来世は生と老・…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(92ー1/2)(私家版)

■縁於取、有生起(取の縁によりて有が生起する)。有は、二種類に分けられる。 1.業有:思が即ち業である。合計29個の善と不善業がある。12個の不善心、8個の欲界善心、5個の色界善心、4個の無色界善心。業とは、29種の善と不善の思、又は一切の…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(93−1/94−1/95−1)(私家版)

■縁於有、生生起(有の縁によりて、生が生起する) 生の意味は、新しい一世において、初めて生起する所の、何かの蘊、5蘊でも、4蘊でも、一蘊でも、どれも皆、生と呼ぶ。生は又、新しい一世の世間的果報心及び相応の心所及び業生色を指す。どこか一個の生…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(91ー1/2)(私家版)

■縁於愛、取生起(愛の縁によりて取が生起する)………取は非常に強烈な愛である。特徴は掴んで放さない事。作用は緩めない事。現象は強烈な愛欲又は貪欲。合計四種の取がある: 1.欲取:欲楽への取。欲楽への強烈な渇愛。。。。。。。 2.邪見取:邪見に対…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(90ー8/9/10)(私家版)

愛は6種ある: 1.色愛:目が綺麗な色塵を貪愛する。 2.音愛:耳が耳に心地よい音を貪愛する。。。 3.香愛:鼻が香りを貪愛する。例えば、レストランのそばを通っていて、良い香りがすると、中に入って食べたくなる。これが香愛である。猿が香りに惹き…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(90ー6/7)(私家版)

■受縁愛(受の縁によりて愛が生起する)愛は、一切の貪念、情欲、欲望、願望、好み……などなどを含む。愛の特徴は、目標に執着する事である。作用は目標への粘着。まるで肉が鍋に貼り付いた様である。現象は放棄出来ない、捨てられない事。近因は、束縛に至る…

当ブログのコメント欄について

当ブログをご愛読の皆様へ 当ブログには、コメント欄が設置されていまして、どなた様も書き込みが、出来る様になっています。。。。。。 私が主宰致します、当ブログの一番の目的は、テーラワーダ(南伝仏教/原始仏教/パオ・メソッド)関連の仏教書の内、…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(90ー3/4/5)(私家版)

■縁於名色、六処生起(名色の縁によりて六処が生起する) 名は心所で、色は四大である。六処は、眼処、耳処、鼻処、舌処、身処と意処(意処とは心の事である)である。心所が生起すると、心も又共に生起する(というのも、心が生起すれば、心所も生起するが…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(90ー1/2)(私家版)

■縁於識、名色生起(識の縁によりて名色が生起する)。。。 この識は、果報識と業識である。ここでは、名色を分けて説明する。先に識の縁によりて名生起する、を解説する。名とは心所の事である。心は単独では生起出来ない。必ず心所が同伴していなければな…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(89ー6/7/8)(私家版)

我々は既に説明した:「四種の法は、非常に教え難いし、又非常に理解するのが難しい。その中の一つは、この結生識て、非常に多くの人々は、結生識を、過去世の霊魂が、この一世に来たものだと考えている。もし、その様であれば、同一の我が存在する事になる…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(89ー4/5)(私家版)

もう一つ例を上げる。と殺業を営んでいる人が臨終の時に、己が豚を殺している様なイメージを見たとする。これは業であり、業相ではない(もし、ナイフが見えてたならぱ、業相である。)。業とは通常は、意門心路過程であり、意門心路過程と眼門(5門)心路…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(89ー1/2/3)(私家版)

■行縁識(行の縁によりて識あり)…………… 行とは、前に述べた非福行、福行、不動行である。それには語行、身行、意行を含む。不動行は純粋に意行(意業)であり、無色善心である。非福行は、三不善語行、身行と意行で、福行は、善の身口意の行為である。。。。…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(88ー5/6/7)(私家版)

4.無明は、苦の滅の道は八正道である事を知らない。知らないだけでなく、八正道の事を、人類又は畜生への祭り事、又は天の祭り、火の祭り、又はその他の儀式であると、誤解している。。。。。。。 我々が八正道について誤解する時、歩む道を間違えてしまう…

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(88ー3/4)(私家版)

2.無明は集諦を知らない。無明は、渇愛が苦の因であることを知らない。知らないだけでなく、欲楽と渇愛は、楽しみの元であると錯覚している。。。。 3.無明は、滅諦が即ち涅槃であることを知らないだけでなく、苦の滅又は滅諦を、もう一つの、別の世界に…

世俗の吉祥

次男が所用で、インド・アメーダバードに行っています。。。。。 普段は無愛想な次男ですが、今回は Lineで、「今、インド到着!」と連絡が入りました。 彼は若い時に、世界放浪の旅に出かけ、10年間、実家に音沙汰なしだった事があります(旅の途中、モロ…