Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳『親知実見』#47-13

問7-12:作意(manasikāra)と七覚支(bojjhaṅga)の修行とは、どの様な違いがありますか? 答7-12:あなたが七覚支を修習する時、七覚支は、通常、作意を含む34個の名法の先頭にあるものである。 ある時には、この34個の名法は、「観智」と呼ばれる。という…

翻訳『親知実見』#47-12

問7-11:禅修行者は、日常生活と止観の修行において、どの様に、如理作意(yoniso manasikāra)の練習をしますか?<注407> 答7-11:最も好い如理作意は観の修習である。もし、あなたが観の修習の段階まで修行したならば、あなたは、真正なる、最も好い如理…

翻訳『親知実見』#47-11

問7-10:心(citta)と見(diṭṭhi)の間には、どの様な違いがありますか? 答7-10:心(citta)はすなわち、「識」または「意」であるが、しかし、心清浄の中においては、それは特に、一種の心を指す: 近行定心(upacārasamādhi)または安止ジャーナ心(app…

翻訳『親知実見』#47-10

問7-9:観の修習は、どの様にして、見を清浄せしめますか(diṭṭhivisuddhi)?観の修習は、どの様な煩悩(kilesa)を取り除くことができますか? 答7-9:究極名色法及びその因と、それらの無常・苦・無我の本質を見る前、禅修行者は邪見または間違った考えを…

翻訳『親知実見』#47-9

問7-6:色聚と究極色法の間には、どの様な違いがありますか? 答7-6:色聚(rūpa-kalāpa)は微小粒子で、禅修行者がこれらの微小粒子を分析するならば、究極色法(paramattharūpa)を見ることができる。一粒一粒の色聚の中には、少なくとも八種類の色法があ…

翻訳『親知実見』#47-8

あなたは、もう一つの事柄も、覚えておいた方がよいであろう: 彼は、教理(pariyatti)に博通しており、また、実修(paṭipatti)にも精通していて、業処導師(瞑想指導者)(kammaṭṭhānācariya)でありーー多くの阿羅漢が、彼の弟子であったーー法施尊者。 …

翻訳『親知実見』#47-7

あなたは、ジャーナを証得した後において、この種の人の心または見解に変化があるかどうかを、問うている。ジャーナは、長時間、諸々の蓋を鎮伏することができる。「長時間」の意味は、もし、彼らが、一時間入禅するならば、その一時間の内は、諸々の蓋は生…

オハナ再見!

6月25日、オハナ永眠。 24日夕方、ケージの中で寛いでいたオハナの呼吸が、突然荒くなり、口をパクパクさせるので、翌朝、病院へ。 医師の診断は、間質性肺炎。 「酸素吸入するので、入院させて」 と言われて、そのまま預けてきましたが、夜中に容態が急変し…

翻訳『親知実見』#47-6

次に、アングリマーラ尊者の物語について、考えてみる。 彼は出家して比庫になる前は、一人の悪名紛々で有名な殺人犯であった。 しかし、比庫になった後、彼は己自身の戒行を清浄にして、かつ、禅の修行の精進し、阿羅漢にを証悟する事ができた。 また、以下…

翻訳『親知実見』#47-5

居士に関して言えば、戒行の清浄は、やはり必要である。 彼らは、できれば、禅修行の前に、己自身の戒行を清浄にしておくこと、すなわち、五戒または八戒を受持する事(が望ましい)。 この様に、禅の修行期間において、彼らの戒行が清浄なものであるならば…

翻訳『親知実見』#47‐4

問7-5:もし人が、邪悪な動機を抱えて、ジャーナを求めて、それを達成したならば、この人にとって、ジャーナに到達することは、何の利益がありますか? また、彼が、サンガのお金<注393>を持ち出して己自身の為に使い、かつ、その行為を間違ったものであ…

翻訳『親知実見』#47-3

問7-4:サンガの為に作業(奉仕)することは、己自身の禅修行に影響しますか? 人によって異なりますか? それとも、ある程度の定力を育成した後であれば、奉仕をしても、禅修行に影響を及ぼすことはないですか? 答7-4:仏陀は、かつて、以下の行為をする…

翻訳『親知実見』#47-2

問7-3:「対象を縁に取る」とは、どの様な種類の心所ですか? 答7-3:すべての心(citta)と、相応心所(cetasika)は、みな対象を縁に取る。対象がなければ、それらは生起することができない。心と心所は、能縁であり、対象としての所縁(ārammaṇa)がない…

近日コメント投稿された方へ

近日、当ブログの読者の方から、 【あなたは仏陀に会った事もないのに、 『仏陀はこう言った』 『ああ言った』 とブログに書くのは、おかしい】 というお叱りのコメントを頂きました。 中国の春秋時代に活躍した孔子の残した<論語>は、中華圏の人々、また、…

翻訳『親知実見』#47-1

問答(七) 問7-1:想と想蘊、受と受蘊の間には、どの様な区別がありますか? 答7-1: 11種類の想(saññā)を合わせて想蘊(saññākkhandha)と呼ぶ。 11種類の受(vedānā)を合わせて受蘊(vedānākkhandha)と呼ぶ。 どの様な11種類か? 過去、未来、現在、…

般若の独り言~涅槃を知見する

去年12月より、『親知実見』 の翻訳を開始して、 中国語原文p352~355まで、翻訳が進みました。 その内容は、 【涅槃を知見する為の修行方法】。 う~~ん、涅槃って、こういう風に体験するものなのだぁ、と感慨深い。 勿論、未だ、16観智が始まっていない私…

翻訳『親知実見』#45‐16

涅槃を知見する これらの観智を成就した後、引き続き、一つひとつの行法の壊滅と消失を観照し、かつ、心に、それらから解脱したいという願望を抱きつつ、あなたは、最終的に、すべての行法が止息したのを発見する。 あなたの心は、自ら涅槃を実見する(実際…

般若の独り言~今日のトレトレ

今日は、ホワイトレース(写真上)を摘んで、仏さまに。 キュウリはまだ小さくて採れない。 トマトはなかなか赤くならない。 ちょっとがっかりですが、そのかわり <秋明菊の道> を整備しました。 整備とは少し大げさですが、精舎を背に、左側に植えた秋明菊…

翻訳『親知実見』#46-1

<#46-1>シリーズは、中国語原文p329~p355までの、脚注の翻訳です。 <注348>=特徴:<注87>。中国語原文p68参照の事。 <注349>=<智論>(Paññākathā)(Vm.T.)及び、 〈説道非道智見清浄品〉(Maggāmaggañāṇadassanavisiddiniddesa)(Vm.694)。…

翻訳『親知実見』#45-15

己自ら前の11種類の観智を知る この段階に到ると、あなたはすでに、16観智の内の、前の11種類を育成したのだ、と言える。 あなたが育成した所の、前の5しなければならない。の観智とは: 1)名色限定智(Nāmarūpaparicchedā-ñāṇa)<注380>。2)縁摂受智(P…

翻訳『親知実見』45-14

如何にして10種類の汚垢(汚れ、汚染)を克服するか この段階において、あなたが、これらの方法に基づいて修行し、かつ、観智が益々強くなる時、10種類の汚垢(汚れ、汚染、dasa upakkilesa)が生起する可能性がある。 それらは:<注379> 1)光明(obhāsa…

般若の独り言~江南の壺

写真は、40年前に、長江下りで観光船に乗った時、船内の売店で購入した壺(雑器。売買許可済み骨董品)です。 私は、若い時は、男女平等主義者で(現在もそうですが)、自分の立場を明確にし、はっきり意見を言うには、女性である自分も、仕事を持たねばな…

翻訳『親知実見』#45-13

如何にして縁起第一法に基づいて生滅智を育成するか その後、あなたは、縁起第一法<注376>に基づいて、この種の観智を育成しなければならない。 この様な状況の下、諸行法の因縁生を知見するために、あなたは、順序に従って、逐一、縁起の諸々の支を照見し…

般若の独り言~天界に行こう

昨今の日本の政治、何だかなぁ・・・ですね。 全くもって、出口が見えないコロナ対策、 コロナ倒産する企業、 学校はリモート、 オリンピックは盛大に、 でも通勤、飲食は控えて。 閉塞感に悩む若者たちに、鬱(病)が増えている・・・。 後のゴータマ仏陀、…

翻訳『親知実見』#45-12

生滅随観の法 あなたが、すでに、名法と色法の因縁滅と刹那滅の観照を終わらせた後、次に、再度、繰り返し、不断に、それらの生起と壊滅を観照しなければならない。 これは、生滅随観の法(samudayavayadhammānupassī)である。 それは、先に、名色法の因縁…

翻訳『親知実見』#45-11

壊滅随観の法 名色法の因縁生(udaya)と刹那生を見た後、今、あなたは、ひらすら、それらの壊滅(vaya)をみることのみが要求される。 これは、壊滅随観の法(vayadhammānupassī)である。 無明、愛、取、行と業力<注372>の滅は、阿羅漢を証悟する時に発…

般若の独り言~優しいお顔

雨が続いて、なかなか散歩に行けません。 オハナは、二階で過ごしたり、一階の寝室で過ごしたり。 写真は、寝室のベッドでウトウトするオハナ (ペキニーズ、雄、15歳)。 10年前、我が精舎に来たばかりの時のオハナは、イライラといきり立っていて・・・何…

翻訳『親知実見』#45-10

如何にして縁起第五法に基づいて生滅智を育成するか 生起随観の法 生滅智の詳細法の育成を開始する時、あなたは、繰り返し、諸行法の因縁生と刹那生を、観照しなければならない。これを生起随観の法(samudaya-dhammānupassī)と言う。 たとえば、先ほど提起…

翻訳『親知実見』#45-9

如何にして生滅智を育成するか<注365> <はじめに> 生滅智(Udayabbaya-ñāṇa)は、諸々の行法の生起と壊滅を知見する智慧である。諸々の行法とはすなわち: 内外及び過去、現在、未来における、名色、五蘊、12処、18界、四聖諦、縁起<注366>の事である…

翻訳『親知実見』#45-8

2)非色第二法は、色七法の一つひとつの法における、名法の無常・苦・無我を観照する。これは、あなたが再度、色七法の一つひとつの色法を無常として観照した後、次に、引き続いて、その後に生起する所の観の修習心でもって、その前の観の修習心自体の無常・…